資産形成には外貨建保険か変額保険か

日本銀行というよりは政府主導の金融政策によって

2016年1月に日本の歴史上初めてのマイナス金利政策が導入されたことにより

日本ではバブル崩壊後、四半世紀続いた低金利政策は半ば強制的に

「貯蓄から投資へ」の舵を切られることになりました。

 

厚生省が主幹となって進めている公的年金を補完する個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は

2017年1月から大幅な税制改正を迎え、毎月約3万人の新規加入者を集めています。

 

金融庁が主幹となって2018年1月から開始されるつみたてNISAは、

2014年から始まっていたNISAとは別の資産形成に重点を置いた政策です。

既にある貯蓄からの投資を促すNISA(2014)、

貯蓄だけでなく、中長期の資産を育てるために投資を促すつみたてNISA(2018)、

同じNISAという名前の制度ですが、その目的は全く別物です。

 

そしてそれぞれの制度にはそれぞれのメリットとデメリットがあり、

誰にでも使い勝手の良い制度とはなっていません。

では個人がリスクとリターンを適切に管理しながら資産を築くためにはどのような方法を選べばよいのか。

その一つの選択肢が『保険』を活用したライフプランニングではないでしょうか。

 

中でも円建ての貯蓄商品が壊滅的になった現在、大きな注目を集めているのが

『外貨建保険』と『変額保険』です。

 

保険で資産形成?

円建ての終身保険などと比べて相対的に国債利回りの高いアメリカ国債、またはオーストラリア国債を基準に

債券で運用をする契約時固定の確定利回り商品、それが『外貨建保険』です。

一方で確定拠出年金の仕組みを民間保険会社が保険商品の中で行う仕組みが変額保険です。

少し補足をするのであれば変額保険は保険会社が選定した投資信託を活用して運用を行い、

保障と資産形成を併せ持つ金融商品です。

それぞれの特徴をピックアップすると次のようになります。

 

 

外貨建保険による資産形成の特徴

債券利回りで運用を行う外貨建て保険は、

変額保険と比べた際に資産を大きく何倍にも増やすことはあまりありません。

どちらかといえば着実に資産を守る方が得意な運用商品です。

 

マイナス金利の昨今、円建てと比べればそれでも資産を増やすことが出来ますので有利な商品となりますが、

基本はライフプラン上のリスク(死亡や高度障害、介護など)への保障を確保しながら、

保障として使わなかった場合には資産として取り崩していくことの選べる商品です。

 

 

変額保険による資産形成の特徴

他方、変額保険は投資性の強い商品ですので運用の結果によっては

資産を2倍、4倍と大きく育てることができる可能性のある商品です。

そのために必要な投資信託を生命保険会社は確保するのに躍起となっており、

国内でわずかに4社しか積立型(平準払い)の変額保険を扱っていません。

保障としてはオーソドックスな死亡・高度障害のみをカバーしていますので、

介護や障害・三大疾病などの新しい保障領域については別に保険を組み合わせることが必要です。

 

 

変額保険のアメリカ・イギリスでのシェア

日本では投資というと証券会社で行うものという認識をお持ちの方も多いのですが、

海外では資産を育てる運用先として保険会社を活用することも少なくありません。

このグラフは米国、英国、日本に置ける金融遺産の配分です。

投資に積極的と言われている米国でさえ株式・投資信託は資産全体の29%、

しかし保険を含めた間接投資を見ると資産全体の45.4%になります。

このギャップ16.4%というのが変額保険が占める割合とされています。

 

近代生命保険が誕生した国、イギリスでは直接投資11.6%に対して

間接投資を含めた投資が資産全体の35.7%。

変額保険はこのギャップ24.1%と4分の1を占めています。

 

では日本ではどうかといえば、変額保険はわずか4.1%しか販売されていません。

この事は日本の保険業界が投資、資産形成という保険が本来持っている側面を十分に周知、

また育んでこなかった差とも言えます。

 

外貨建保険と変額保険、どっちを選ぶか迷ったら

加入をする方の価値観によってどちらが最適なプランかは一概に言えません。

しかし外貨建保険は払込保険料や受取時の解約返戻金などが為替によって大きく変動することが

確認すべきリスクとなっています。

特に毎月少しずつ支払いっていく場合には為替の影響をモロに受けますので、

私は貯蓄に十分な資金がある方や

収入が安定している方などにライフプラン全体を見通して

資産を貯蓄から投資へ移し替えるよう提案をすることが多くあります。

変額保険の変動・運用という考え方に抵抗感を感じられる方の場合にも

外貨建保険を選択肢として提示することがあります。

 

一方で資産を増やしたい方、増やす必要のある方には変額保険をお勧めします。

NISAやつみたてNISAにも良いファンドは確かにあるのですが、そのファンドが

その方のライフプラン上必要な時期まで長く続くかどうかは何ともわかりません。

また運用実績がまだ短いファンドも少なくないため、選択肢が限られているというのが実情です。

変額保険にもそれは同様のことが言えるのですが、変額保険の場合には長期運用の実績があるので

かなり目標値としての具体的な数字を織り込んで提案ができます。

 

しかしいずれの提案の場合にもライフプラン表の作成を行い、キャッシュフロー分析を必ず実施しています。

これを行っていることで何年後、いくらの資金を必要としているのかを把握したうえで

それに最適な方法として外貨建保険、変額保険、NISA、つみたてNISAを提案します。

 

多くの保険営業マンや生命保険募集人はこのライフプランニングを十分に行わないために、

何となく今はとりあえず支払える保険料で提案をしがちですが、それでは不確実な点が多すぎると考えています。

 

外貨建保険、変額保険どちらも使い方を適切に行えば、顧客のライフプランにおける

とても強力な武器になります。

顧客がそれを自分の人生の資産として活かせるかどうかは担当者、FP次第と言えるでしょう。

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