注目の就業不能保険を比べてみた

これまでの生命保険では保障されない!?

「就業不能」保障とは?

 

近年、生命保険には大きな変化が起きています。

平均寿命がどんどん延び続けているのです。

元来、亡くなった時の備えである生命保険の役割が長寿によって

死亡のリスクが先延ばしになるのを引き換えに、

がんを始めとした病気や介護のリスクが増えています。

 

たとえば40歳~65歳、働き盛りの日本人が亡くなる人数と

同年代で介護になる人の人数では次のような差があります。

 

 

公的介護保険は40歳以上の全ての国民が加入義務があり、

65歳以上(第一号被保険者)は介護が必要になった理由の如何に関わらず介護サービスを

1割の自己負担で受けることができます。

 

一方で40歳~65歳の第二号被保険者は介護認定を受けるためには原因が限定されています。

 

国が指定する16疾病による介護状態に限り認められています。

この特定疾病で介護が必要な40~65歳の介護認定者が約13.6万人。

死亡者数よりも多いというのが現在の日本の現状です。

 

また日本では障害年金または障害手帳という障害を抱える方向けの

社会保障、または社会福祉サービスがあります。

 

現役世代の多くの人が自分に「もしも」のことが起きた時の備えとして

生命保険に加入していますが、多くの場合で保険会社が提供している保障は

「死亡・高度障害」に制限されています。

 

高齢社会を見据えて2000年に公的介護保険制度が始まった頃から、

生命保険会社各社は介護保障を独自に提供してきました。

しかしそれは高齢になってからの介護を基本としていました。

 

当初よりも高齢化だけでなく長寿化が進んだことや、

医療技術の進歩によってこれまでは助からなかった人も生きながらえることが出来る時代になりました。

しかしそれによって介護状態または就労不能状態と呼ばれるリスクが

現役世代にまで広がっています。

 

 

このギャップを埋める保障の考え方が「就労(業)不能」保険と呼ばれる新しい保障です。

会社ごとに「就業不能」の定義が異なり、

現役世代の要介護を就業不能と考える場合もあれば、

障害年金や障害手帳の認定を就業不能加入と考える場合もあり、

検討の際にはその要件をきちんと確認することが求められます。

 

 

ⅰ.シンプルな60日以上の就業不能

 

就業不能保険のパイオニアであるアフラック「給与サポート保険」は

精神疾患をのぞく、病気やケガなどで60日の就業不能となった場合に

保険金を受け取れる就業不能保険です。

 

社会保障である障害年金の給付時期に合わせ1年6か月以内の短期(主契約)、

以降の長期(セット特約)2種類の保険金があります。

非常に良く考えられている保険ですが、

この保険の難点は

①給付を受け取っていても保険料の支払いは継続する必要があります。

②専業主婦など被保険者が無収入の場合加入できない

③長期療養支援給付金で就業不能を証明するために

毎月医師に診断書を書いてもらい提出する必要がある点です。

※診断書は医療点数500点、約5,000円かかります。

 

就業不能ではないとなれば給付が止まります。

これは後述する他社の就業不能保険との大きな留意点と言えます。

 

また保険満了が60歳か65歳しか選べないのは、長く働く時代に

今の50代としても果たしてどうか。働き方によっては合わない人も少なくないかもしれません。

保険会社 免責期間 短期回復支援給付金

1~6回目

短期回復支援給付金

7~17回目

長期療養支援給付金 支払い要件
アフラック  60日 61日目~

月額給付

 

61日目~1年6か月目まで

月額給付

 

1年7か月目

~60歳または65歳

精神疾患・妊娠・出産・育児などを除く

就業困難状態

入院または在宅療養

 

障害年金1級または2級、

およびそれと同等と同社が定めた場合

医師の診断書 1回提出 2回目提出 毎月提出

 

ⅱ疾病などを起因とする就業不能を保障

あんしん生命「家計保障付定期保険(就業不能保障プラン)」、

通称カケホは5疾病による就業不能を簡単な診断書で自宅療養を含めて

医師に書いてもらうことで保険金支払いの対象となります。

 

5疾病とは働く世代の就業不能要因である三大疾病に加えて肝硬変、慢性腎不全を含んだものです。

入院や自宅療養を含め20日で二か月分の月額給付や60日で支払われる一時金を含めて

最も支払い要件の緩い就業不能保険の一つですが、

就業不能を5疾病に限定している点を見落としてはなりません。

 

給付については短期、長期で一度ずつ診断書を出すことで

以後保険期間満了まで支払われる点や死亡保障とセットになっているため、

その後被保険者が亡くなったとしても死亡保険金として遺族が受け取れる設定になっています。

 

ちなみに専業主婦でも加入は可能ということで、アフラックとの差別化を計っています。

 

保険会社 免責  初期入院給付金  重度5疾病・重度介護一時金 重度5疾病・重度介護給付金  死亡保険金

または高度障害保険金

 就業不能保険の支払要件
あんしん生命  19日  20日以上の入院

月額保険金の2か月分

 60日超

設定の100万・200万・300万

いずれか一時金

5疾病で60日超

または病気やケガで

要介護状態180日以上

月額保険金額

亡くなった時

または高度障害に該当した時

保険期間満了まで

 5疾病※を直接の原因とする就業不能状態

※がん、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全

医師の診断書  1回目  2回目 要介護状態の場合のみ3回目提出あり 死亡診断書

または診断書

保険料払込免除

5疾病で60日以上の就業不能

またはケガや病気で180日以上の所定の介護状態

細かい要件は省略

 

ⅲ公的介護・障害年金と連動する就労不能保険

 

あいおい生命「新総合収入保障Ⅲ型」は

国の障害年金と連動するタイプの就業不能保険です。

9疾病または障害年金2級以上または公的介護保険で要介護2以上の状態を要件といています。

短期・長期の考え方がなく、あんしん生命と同様に保険金請求の一度だけ

医師の診断書・年金手帳のコピーを提出で給付開始されれば、

以後の保険金支払いは保険満了まで続きます。

 

同社のホームページやパンフレットを見るとごちゃごちゃして見えますが、

就業不能保険としては珍しい月額給付だけでなく、一括受取も選べる点から

実は保険金の使いやすさが一番良いのがこちらだと個人的には感じています。

※専業主婦も加入OK

保険会社 免責期間 生活介護年金 生活障害年金 特定就労不能障害年金 死亡保険金

または高度障害保険金

免責/特徴
あいおい生命 無し 公的介護保険で要介護2以上

または180日以上の介護状態

 

保険期間満了まで

月額保険金が支払われる。

障害年金1級の認定

(目安は最短1年6か月)

 

保険期間満了まで

月額保険金が支払われる。

障害年金2級以上の認定

または所定の疾病による就業不能状態

 

保険期間満了まで

月額保険金が支払われる。

亡くなった時

または高度障害に該当した時

保険期間満了まで

精神疾患

 

3大疾病保険料払込免除の保障範囲が広い

診断書 1回目  障害年金手帳の写し  障害年金手帳の写し 死亡診断書

または診断書

 

 

あんしん生命、あいおい生命いずれも死亡保障とセットで就業不能保険を提供していますが、

アフラックの場合は「給与サポート保険」単体で加入が可能(死亡保障がない分だけ少し安い)。

また三社とも精神疾患については保障の対象外と定めています。

 

ⅳ精神疾患(うつ病)による就業不能を保障

一方でチューリッヒ生命の「くらすプラス」(プレミアム医療保険DXに就業不能保障特約をセット)は

精神疾患を含む所定の疾病による就業不能もカバーする医療保険です。

免責期間は60日と短め。

保険金支払い期間を細かく選べるのも同社の特徴。(2年、3年、5年、10年)

また同社のプレミアム医療保険DXに60日不担保特約を付加することで、

現在既に加入している他社の医療保険に重ねて61日目から給付とすることも可能です。

60日間を不担保にするため、保険料はかなり廉価です。

 

 保険会社  免責 就業不能年金  支払い要件① 支払い要件② 支払い要件③
 チューリッヒ生命  60日  2年、3年、5年または10年

月額保険金

下記5疾病で60日を超えて所定の就業不能状態

がん、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全

所定の高度障害状態

または不慮の事故により所定の身体障害状態となった場合

所定のストレス性疾病で60日を超えて入院

統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害、気分障害、神経性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害、摂食障害、非器質性睡眠障害/十二指腸潰瘍/潰瘍性大腸炎/過敏性腸症候群/更年期障害

 診断書  いずれか1回 三大疾病保険料払込免除

がんと診断※された、または急性心筋梗塞・脳卒中の治療のために入院をした場合

※加入から90日は免責期間

ⅴ障害年金と連動、精神疾患による就業不能もカバーする保険

 

精神疾患での就業不能をカバーするもう一つの保険会社は

プルデンシャル生命「就労不能障害保険」です。

同社の保険契約(死亡保障)があること、または同時申込が加入要件となっており

間口がかなり狭いのが残念ですが、精神疾患による就業不能も3年間給付がされます。

精神疾患以外の給付も国の障害年金2級または3級以上と連動タイプで分かりやすいのが好印象です。

※免責期間は180日と若干眺め

保険会社 免責  就労不能障害一時金

(特約)

就労不能障害

(主契約)

特定障害年金

(主契約)

就労障害サポート年金

(主契約)

保険料免除
プルデンシャル生命 180日※ 精神疾患を除く障害年金2級以上

または会社所定の

180日以上の就労不能状態

一時金

障害年金2級以上

(保険期間満了まで)

月額給付

精神疾患による

障害年金2級以上

(支払期間3年間)

月額給付

 精神疾患をのぞく

障害年金3級または

相当と会社が認める場合

(保険期間満了まで)

月額の30%

 疾病障害による

保険料払込免除

 診断書  1回目  2回目

 

精神疾患での就業不能を取り扱う上記二社の保険については

日経新聞電子版でも特集されていましたので、ご参考にしてください。

日経マネー「精神疾患もカバーする保険 ただし保障内容は限定的  」

 

精神疾患は働く世代の誰もがなり得るリスクですので、

もっと多くの会社で様々な保障が提供されるようになると嬉しいですね。

 

ⅵ.保障範囲のわかりやすさと広さを重視

 

恐らく殆どの保険代理店やFPは紹介することがないかもしれませんが、

個人的に加入しているのはソニー生命の保険です。

 

ソニー生命が1998年から発売している商品カテゴリーで、

正式名を「生前給付保険」、通称「LB(リビング・ベネフィット)」です。

マイナーチェンジを繰り返し、2017年4月に逓減タイプが登場しました。

 

この他、LBではないですが保障範囲を少し限定した家族収入保険で

「生活保障特則付(14)家族収入保険」などもあります。

次回は私も加入しているLBと姉妹商品の生活保障特則付家族収入保険をレビューします。

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