つみたてNISAの販売手数料ゼロ円はメリットどころかリスクがある?

金融庁が地銀の再編や銀行窓口での投資信託販売などで先んじて行っている

様々な改革の中に「手数料開示の開示」があります。

 

このブログでも何度となく取り上げた「森レポート」の中でも

国内人気上位10位までの投資信託を例に

販売手数料3.1%、信託報酬1.5%は取りすぎであるとの指摘しています。

2018年1月から始まるつみたてNISAはそんな金融庁の意向が強く反映されており、

販売手数料ゼロ円、信託報酬も一定水準以下である事が認定要件となっています。

しかしこの事は大変多くの危険性を孕んでいます。

 

つみたてNISA対象商品は決して優良ファンドではない

金融庁がつみたてNISA対象とした投資信託は手数料や運用期間などの

条件面だけでそこに運用実績や

どんな投資方法を選ぶことが大切かを何も教えていません。

金融庁は投資の一つの考え方を紹介したに過ぎず、

「貯蓄から資産形成へ」「顧客本位」の大義名分のもとに

タコ足配当型の投資信託(毎月分配型とイコールではない)、

販売手数料や信託報酬のコストを大問題として開示と言う名の

大鉈を振るって金融改革として進めているにすぎません。

 

日本の投資環境、資産運用の業界には確かに沢山の問題が山積しています。

高額な手数料やタコ足配当などはその氷山の一角です。

それらを排斥していくことは一見すると投資家本位、

顧客本位の素晴らしい制度…のようにつみたてNISAは宣伝されていますが、

結果として顧客にどのようなことが降りかかるのでしょうか?

 

私には投資は自己責任だからという言い訳の元で考え方の一つを提供するから、

後は自分で考えろという育児放棄をしているように思えます。

 

手数料がゼロというリスク

 

投資について慣れていない方、分からない方は

どれを選んだら良いのか、どのように運用をして良いのか

分からない事だらけです。

分からない方はどのようにして投資商品を選ぶのでしょうか?

 

①普段からお世話になっている証券マンに相談をする

②普段から使っている銀行の支店で相談をする

③普段から付き合いのあるファイナンシャルプランナーに相談する

④インターネットで評判を参考に商品を選ぶ

 

①〜③は身近ですが、つみたてNISAは手間ばかりかかって、

売上(利益)はゼロですからこの制度は説明をしてくれと言われても誰も丁寧に、

そして真剣には教えてくれないでしょう。

 

④は情報(考え方)の収集という意味では有効ですが、

様々な考え方の方がいる中でその情報にどれくらいの信憑性を求めるのか。

投資という自己責任が問われ、日々価格の変動する投資に購入時一時だけの情報に

どれほどの価値があるでしょうか?

自分で常に情報の取捨選択が出来、売買の判断も出来る方にとって

つみたてNISAはNISAに加えて一つの有効な選択肢となりますが、

投資初心者にとっては極めて危険な投資方法です。

いわば車の運転をしたことのない方が運転席に座って、

勝手に目的地に到着しないと怒るようなものです。

つみたてNISAさえ始めれば黙っていても資産が増える…そんな風に思っていませんか?

 

そんな事はありえません。

もしそうであるなら金融庁は「最低保障型投資信託」や

「最低利回り保障型投資信託」というものを解禁しています。

 

そんなものは存在しないのです。

だから多くの投資家は過去の実績を参考に、将来の投資の期待利回りを見込み投資をするのです。

実績のない投資信託は期待値が読めないのでリスクが大きく手を出したがらないのです。

 

説明をする人、助言をする人の重要性

 

私は社会人の最初を家電量販店で働きました。

 

 

 

 

 

家電量販店のレジ横に「ご自由にお持ち帰りください」と

使い方のよく分からない商品が置かれていたとして、

あなたはレジの店員に質問するでしょうか?

例「これはどんな商品ですか?」

 

もし質問したとして店員はなんと答えるでしょうか?

使い方や細かな事をあなたはさらに質問するでしょうか?

店員はどう思うでしょうか?

 

売場には沢山の商品が並んでいます。

各社の商品が自己主張をしたパンフレットも並んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンフレットを読めば一つ一つの商品の特徴や性能などは理解できます。

しかし、他の商品と比べた場合のその商品の優位性はそれを説明する人にしか出来ません。

 

価格.comというサイトがあります。

価格の高い安いだけを比較するサイトであれば他にも無数のサイトが存在します。

しかしあのサイトの最大の強みは口コミという不特定多数のユーザーやマニアなどによるレビューや比較です。

 

時には辛口の、モンスタークレーマーのような口コミもありますが、それさえも貴重な判断材料です。

そういうデメリットもある事を知る材料となります。

 

投資(買い物)は価値の交換であるという原則

 

沢山のお金を払うものが必ずしも全ての面で良いものとは限らないでしょう。

その事は「ゴディバと森永製菓のチョコレート実験」でも

ブランドという価値に対価を支払う人がいる一方で、

味という好みが分かれる実験でも明らかです。

しかしチョコレートという嗜好品の絶対的価値である味とブランドでの価格差が

約8倍であることは大変なヒントと呼べます。

味が美味しければ安いチョコでも良いという人と、

せっかく食べるなら有名店のチョコレートが食べたい人は重視する価値のポイントが異なるのです。

値段とはその物の価値ではありますが、金融商品は値引きが一切なく、

お金でお金を増やしたり、守ったりの機能や役割を交換するものです。

 

販売窓口が受け取る販売手数料という価値

10,000円払ったから投資家は銀行の窓口や証券の窓口は

10,000円のお金を受け取ったと思うかもしれませんが、

窓口からすればそのうちの手数料(投資信託なら販売手数料の約3%ほど)の

価値を受け取ったものと考えます。

 

投資したお金のうち、いくらが投資に回り、いくらが手数料なのかは

目論見書や重要事項説明書などに書かれていますが、

きちんと理解している方は非常に少ないでしょう。

さて販売手数料がゼロだとしたら、その商品を窓口の方が勧める理由はあるでしょうか?

銀行や証券会社がつみたてNISAに冷ややかなのは当たり前です。

何故ならあなたはつみたてNISAを窓口で購入しても

その説明のための対価を1円も支払わず、

手続きのために人件費まで割かせて、

「お前の所で投資してやっているんだぞ」という言葉にはしない態度や意識で接するのですから

窓口の人も経営者もつみたてNISAを冷遇するのはやむを得ません。

 

投資においてコスト意識はとても大切です。

一方で行き過ぎた低コスト至上主義はこの国の金融リテラシーを成長させるどころか

歪めてしまうリスクさえあるのではないかと私は危惧しています。

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