トランプ大統領就任から1年、まるで教科書通りの展開を振り返る

昨年1月20日にアメリカ大統領に就任したトランプ大統領。

当初は泡沫候補と思われていましたが、大本命だった初の女性大統領を目指したヒラリー・クリントンを破っての勝利宣言に世界は大きく動揺しました。

 

今回はトランプ大統領就任から1年を迎えたタイミングで、彼が市場に及ぼした影響を投資の観点から振り返って見たいと思います。

 

ヒラリー敗戦、動揺した世界の相場…

ヒラリーさんの敗北と敗戦スピーチに株式市場は世界的に一時下落しました。

しかし翌日トランプ氏による勝利宣言を聞くや否や、世界の株式市場は上昇しました。

選挙戦中にあれだけ罵声を浴びせ、足の引っ張り合いを演じたのがまるで嘘のように、毅然とした態度で敗者ヒラリーを称え、そして多くの支持者への感謝とアメリカが抱える問題について演説をしました。

アメリカ全土に広がる広大な道路や港湾、ダムや様々なインフラの老朽化の問題も取り上げ、雇用の創出を約束したのです。

実際に大統領に就任するまで2ヶ月ありましたが株式市場は年末まで上昇を続けました。

ダウ工業30種平均をグラフにするとこのような形になります。

→ Yahoo!ファイナンス 時系列データ参照

 

まさに株価は世の中の少し先の状態を反映すると言われる現象です。

株価は期待によって買われるのです。

アメリカの代表的な株価であるダウ工業株30種平均は勝利宣言後に史上最高値を更新。

あまりの株式市場の過熱ぶりにFRB(アメリカの中央銀行)は年末に利上げを行いました。

 

この現象は株式市場の原則として教科書通りの展開と言えました。

 

株価が上昇すると、国債を持っている人は株に乗り換えようと債券を売ります。

債券が沢山売られると、債券価格は下落します。

あまりに株価が上昇している場合は中央銀行が介入して、国債の利上げを行います。

 

国債は政府が破綻しない限りは安全資産と呼べますから、利回りの良くなった債券は株式と比べてリスクの少ない投資対象と言えます。

すると株式を売却して債券を買う投資家が現れます。

株価は売却されると下落するので、利上げは株価にとってブレーキとなります。

 

大統領就任、そして自国第一主義へ

その後、ちょうど一年ほど前の1月20日に大統領に就任しました。

“Make America Great Again!”

 

年末の利上げによって上昇ペースが緩やかになっていたダウ工業平均は、

トランプ大統領就任後にゆるやかに上昇を始めます。

史上最高値の23,050ドル(緑の線)を超えるとFRBは再び3月に利上げを行います。

債券の金利上昇によって株価は上昇から伸びが鈍化しますが、

再び4月半ば以降は株価が上昇基調に入ってきます。

6月にFRBは再び利上げを行い上昇のペースダウンを計ります。

しかしそれでもダウ工業平均の上昇は抑えきれずに再び上昇をしていきます。

12月に年3回目の利上げを行いましたが、年末まで上昇を続け再び史上最高値を超えます。

利上げのタイミングが錨のように重石になって株価上昇のペースが緩やかになっているのが

感じ取れるのではないでしょうか。

 

トランプ大統領の政策は今後どうなる?

 

トランプ大統領の就任は、まさに教科書通りの株と債券の値上げの展開と言えます。

そんな中でトランプ大統領が行っている『アメリカ第一主義』(America First)は、

19世紀にイギリスなどが行ったブロック経済の応用と言えます。

また日本がかつて行った鎖国とも類似する部分があります。

 

自国の産業や雇用、経済が脅かされる際に関税や貿易を制限することで

自国の利益を守ろうとする流れです。

 

国際社会となり久しいですが、経済が自国だけでなく世界中を相手にしたものになると、

輸出や輸入による黒字や赤字が生まれます。

これを是正しようというのがトランプ大統領のとった政策の基本にあります。

あれだけ日本に干渉してきたTPPからアメリカが離脱する、

アメリカに輸出販売をして利益を得ている企業にアメリカ人の雇用を奪っていると脅して、

海外への工場建設をアメリカ国内へ切り替えさせる。

メキシコからの移民を入れないための現代の万里の長城を作る(相手国のお金で)。

協調性や忖度など一切なしのなりふり構わない自国第一主義は、

世界中から再びアメリカが世界経済の中心であることを改めて見せつけました。

メキシコとの国境に建設されている壁

2018年2月にはFRB議長をイエレン現議長から後退させ、

パウエル新議長(現FRB理事)が誕生します。

2014年からアメリカ経済を復調へ導いたイエレン議長が退任。

通例であれば2期8年続けて行われるところですが、

トランプ大統領は自分のカラーを金融政策にも出したいようです。

 

パウエル氏はイエレン議長の元で理事を行ってきており、

イエレン議長は後方支援に回ります。

 

政治と金融政策は表裏一体、しかし政府との距離感や中立性が求められます。

イエレン議長はリベラル派でトランプ大統領の考えとは距離感あるのを嫌がられたと言われています。

政策を理解しつつ、共和党派のパウエル氏のFRB議長就任は市場からも歓迎ムードにあります。

 

景気が上向いているアメリカ経済が失速することなく、

金利の正常化という大切な局面を迎える2018年のアメリカの経済はトランプ大統領の発言と、

FRB新議長パウエル氏のかじ取りに注目していきたいですね。

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