保険会社が提示する特別条件とは?

よく生命保険などの募集人やFPから「健康なうちにしか加入できなくなる」と言われ、

まるで脅しや押し売りのように感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

生命保険の提案が出来る保険募集人やFPは、

保険加入がとても厳しい判断を保険会社からされることを知っています。

 

そしてその加入条件が平均寿命の延び、

健康診断の普及と医療の進歩によって早期に発見されることで

持病として診断され、加入できなくなる怖さについても知っています。

 

そのため決して脅しではなく、加入できなくなることで得られなくなる

あなたのメリットを必死に伝えようとしているだけなのです。

(伝え方の問題や課題があることは保険募集人の資格を持っている本人や

その所属する保険会社の教育の質の問題ですが)

 

いわば崖から落ちそうになっているあなたを何とか

助けてあげたいとしているのと想いとしては変わりません。

但し、今すぐ崖から落ちるかは誰にもわかりません。

なのでそうならないために予め備えるのが「保険」の根底にある考え方です。

 

しかし「加入できなくなる」と言われても、

必要性や緊急性を感じていない場合には

それがどれだけ大変なことか理解できません。

身近な両親や兄弟、友人などが病気やケガ、時には亡くなってしまうなどで

保険金・給付金の支払いや経済的な打撃を受けたのをみて初めて

「加入しておくこと」の重要性を認識し始めます。

貯金だけで乗り切れるほど人生も社会も経済もイージーモードで出来ていません。

 

今回はその生命保険加入において、加入に制限がかかってしまうと

どうなるのかということについて、

何らかの診察や検査を受けたことを前提に提示される

特別条件という仕組みについてご紹介します。

 

 

診断されると加入に制限がかかってしまう

 

保険会社の医療保険は、健康で加入が出来る方という条件で

パンフレットや設計書に保険料を提示されています。

健康なうちは国内で販売されている約3,000もの商品の中から選びたい放題ですが、

もし告知事項に該当する持病や既往症、健康診断での指摘事項がある場合には、

加入に制限がかかってしまいます。

生命保険・医療保険には特別条件条項という

保険金支払いなど保険契約をしている約款のルールを上書きする例外ルールがあります。

上記でお話した「健康で加入が出来る」方から外れてしまった場合でも

条件を承諾することで特別に加入ができるというものです。

 

段階が大きく5段階あります。

 

査定結果の呼び方 加入可否 保険料の割増し 保障額の削減 契約内容(保障)の部位別の対象外
1段階目 無条件 なし なし なし
特別条件 2段階目 特別保険料(特P) あり10~200% なし なし
3段階目 削減 あり 特Pと一緒に提示されることが多い あり なし
4段階目 部位不担保 あり 特Pと一緒に提示されることが多い なし あり
5段階目 謝絶(または延期) × × × ×

 

特別保険料とは?

 

特別保険料(募集人は保険料=Paymentから特Pと呼ぶことがある)は無条件の人との公平性を期すために、

上乗せで保険料を支払うことで加入ができるという仕組みです。

上乗せ保険料は払込期間中全期間にわたり発生します。

途中で健康状態が良くなっても悪くなってもこの特別保険料は解消されることは原則的※にありません。

 

※某外資系保険会社P社は追加契約時の告知・健康診断を基にもともとの契約内容についている

特別条件を再査定するという大変素晴らしい独自ルールを持っていますが、自社契約にしか適用できないので殆ど使えない例外です。

業界にこういった素晴らしい制度を普及させる活動をP社は何かしているのでしょうか?

保険業界を変える志はどこへやら、保身に走りまくっている間に新興保険会社に年々抜き去られています。

 

削減とは?

 

削減は保険金や給付金額など保障額が所定の期間減らされてしまう特別条件です。

たとえば日額10,000円の入院給付金のプランで申込み、

80%削減(5年)に承諾して加入した場合には

1年以内に入院をした場合には保険金額は20%しか出ないという意味です。

 

 

多くの保険会社の約款には削減期間が経過するごとに削減割合が緩和される表が

掲載されていますので気になる方は確認をしてみてください。

特別保険料と組み合わせて提示されることが多いようです。(期間経過後でも割増保険料は続く)

 

保険募集人は死亡保険金額(Sum Insurance)の減を「S削(えすさく)」と呼んだりします。

保険金額削減だと微妙に長いからでしょうか。

 

部位不担保とは?

告知事項のあった部位についての保障が一定期間不担保となる

特別条件が部位不担保(ぶいふたんぽ)です。

たとえば子宮内膜症や子宮筋腫などがあった場合には

「子宮」全体が所定の期間、保障の対象外となってしまいます。

また大腸ポリープなどの指摘や手術をした場合には

「大腸・小腸」とワンセットで保障の対象外となることもあります。

所定期間だけの保障対象外とは言え、加入できることを良しとするか。

やはりその場所も保障がほしいと考えるかによって

条件承諾をするかどうかも要検討する必要があります。

 

ちなみに募集人は「部位不(ぶいふ)」と呼んだりします。

 

謝絶・延期とは?

 

告知した内容では保険加入ができない、特別条件でも加入を引受できないと

保険会社が判断した場合には「謝絶(しゃぜつ)」となります。

難しい言い方をしていますが、「ごめんなさい、お引き受けできないです」という謝罪とお断りの意味です。

尚、今の状態があと何年か経過したら加入できますということを伝える場合に

「延期」を提示することが稀ですがあります。

 

特別条件は保険業界全体で共有される

 

どこかの保険会社で特別条件だった場合、生命保険協会はその情報を共有するデータベースを持っています。

つまりこの会社では加入できなかったけれど、他の会社なら加入できるだろうと思って申し込みをする場合に、

告知を偽って加入しようとする人がいるのを、暴き出す仕組みです。

告知をする際には事実をありのまま、嘘偽りなく正しい告知をしてください。

募集人(お手続きをする担当者)に話したことは告知になりません。

全て書面(近年はタブレットなどの端末の場合もある)で保険会社に伝えたことが告知したことになります。

また告知義務違反などがあるとその保険募集人やFPにも保険会社からペナルティが課せられます。

FPからしたら踏んだり蹴ったりです。

お互いの信頼関係に響きますので絶対にやらないでください。

 

 

保険会社によって異なる引受基準

 

保険会社ごとに告知事項や同じ病状でも加入ができたり、

不担保期間や削減期間が異なります。

これは保険会社ごとの経営戦略です。

 

ぜんそく持ちの場合、気管・気管支・胸臓・胸膜・胸郭の部位不担保の会社もあれば、無条件で加入を引き受ける保険会社もあります。

子宮内膜症や子宮筋腫と診断されただけで子宮全体が数年の不担保になる保険会社もあれば無条件で引き受ける保険会社が存在します。

大腸ポリープは内視鏡手術で切除して、良性であれば部位不担保の会社もあれば無条件で引き受けをする会社もあります。

その一方で同じ告知をしても謝絶でしか扱ってくれない保険会社もあります。

また引受をしてもらえるとしても、加入できる保障内容に差異が生まれることがあります。

入院一日あたりいくらという基本給付の面では会社が変わっても殆ど変わりがありませんが、

手術給付金や一時金などの特約、保険料免除の要件など保険会社が差別化のポイントとして力を入れている千差万別な保障は付加できない事が少なくありません。

だからこそ十分に比較することも、保険を長く無駄にせずに活用する方法です。

 

保険会社によって本当に引受基準は様々で、

病気の数×治療方法×現在の状態×経過年数×保険会社の数だけ異なります。

そのため保険会社の数が多ければ引受可能かを確認してもらえる可能性は高くなります。

もっとも保険募集人やFPの許容量の問題があるので、

どこまでの数の保険会社数をカバーできるかは会社が扱っている数と比例しません。

このブログを書いている私個人は現時点ではせいぜい20社程度までだと感じていますが、この先IT化などが進めばもっと多くても対応できると考えています。

 

より多くの保険会社を取り扱う代理店に相談するメリット

 

私は以前10社ほど取り扱っている保険代理店に所属していましたが、

移籍して現在はより多くの保険会社を扱っているFP会社に所属しています。

当時は全く引受できなかった相談者が、無条件で加入できる保険会社があったりして

非常に喜んでいただいています。

 

保険会社の数ではなく、提供できる保障内容やコンサルティングの質が重要ですが、

解決策を提供し、今までよりも一歩でも相談者の人生が前に進むのでなければ

結局は「質」といっても絵に描いた餅になってしまいます。

私は「質」にこだわってこれまでFPの仕事をしてきましたが、

今後は質も「量」も高いFPを目指して頑張っていきたいと考えています。

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