つみたてNISA対象インデックス日本株式で唯一まともな指標JPX日経400

日本には株式市場の指標として有名なものが2つあります。

日経平均株価と東証株価指数です。

日経平均株価は日経新聞社が作成している日本の株式市場の代表的企業225社の株価を加重平均化したものです。

日本の大企業の中で日本を代表する企業が選ばれています。

もう一つの指標は東証株価指数(TOPIX)です。

東京証券取引所第1部に上場している約1,800銘柄で構成されており、日本の証券取引所の規模がどれくらい大きくなったかを表しています。

これらに類似する指標は各国にあり、日本とアメリカを比べる場合には日経平均株価(日経225)とダウ工業株30種平均やS&P500を比べてアメリカの株式市場が調子が良さそうだとか、日本はなかなか伸びていないなどの目安になります。

また市場規模の成長力を比較する際にはTOPIXとNASDAQを比べたりします。

比較をする際に注意が必要なのは当たり前ですがアメリカの株価はアメリカドル建という点です。

ドル円の為替は日々変動しますので指標の株価ばかりを見てアメリカの株式が上がっていると考えることはリスクです。

もしかしたら為替が円高に振れていて日本円に換算した際には実は下がっているなんてこともあります。

ドル円の為替レートは2000年以降円安傾向にあり、107円前後が平均レートとされています。

今後も円安傾向が続くようだと平均レートも上がり、資産形成においてアメリカへの投資は有利になるとも言えます。

 

さて日本の株式市場をアメリカと比較する際に困ったことが起こります。

アメリカの株価指数で代表的なダウ工業平均は30銘柄、S&P500は名前の通り500銘柄ですから日経平均株価225銘柄と数が大きく異なります。

また日経平均株価もTOPIXも東証一部上場企業に限定しているので日本の伸び代のあるであろう企業の株価は含まれていません。

どんな大企業も最初は小さな会社でした。

そこで日経新聞社と東京証券取引所は2014年1月、新たな日本を代表する株価指数を合同で作ることを開始しました。それが『JPX日経インデックス400』です。

東証一部、二部、ジャスダック、マザーズから日本を代表する企業を抽出して指標化しています。

日経平均株価やTOPIXの弱点であった赤字企業などを除外しており、資本効率や流動性、企業ガバナンスの良好な経営体質の企業を選抜しています。

会社数もより増えて400社ですからより指標が世の中の多くの方に認知されてくれば経済ニュースなどでも「今日のJPX 日経インデックス400は…」と現在のTOPIXに代わって取り上げられるようになるかもしれません。

もっとも内訳はまだ2018年時点ではほぼ東証一部ばかりですが。

東証一部 東証二部 マザーズ ジャスダック
394 1 1 3

 

インデックス投資として欠陥の目立つTOPIX

近年は積立投資が浸透して来て猫も杓子も投資に関心を持っている時代です。

しかし投資初心者が市場に多く参加すればするほど株式市場は二極化していきます。

「アクティブ型ファンドは長期的にはインデックスに勝てない」

アメリカで1970年代から言われていた「ポートフォリオ効果」の一部を切り出して日本でもインデックス投資が有効だと頑なに信じて日本ではかなりニッチな存在だったインデックス型ファンドを主役級に取り上げたのがつみたてNISAの産みの親、金融庁の前長官:森信親氏でした。

2017年5,400本の国内公募ファンドのうちわずか398本しかなかったインデックス型ファンド。

これをわずか1年半で449本にまで増やしました。

2018年8月20日時点でつみたてNISA対象商品は158本となり、そのうち138本がインデックス型ファンドですから金融庁の力の入れようが伺えるというものです。

森前長官は2017年4月に自身が講演をした中でインデックス型ファンドの利点はアメリカと同様に日本でも通じるという論調で語っていましたが、これは投資家ではない官僚的な発想で日本の投資市場を理解していない発言、机上の空論と個人的には考えています。

低コストである、また販売手数料がかからないつみたてNISAは確かに理論上は一見すると良さそうな制度のように見えます。

しかしインデックス型ファンドであればそれはどれでも同じなのでしょうか?

当ブログではこれまでつみたてNISAスタート時点の日経平均株価、またTOPIXを指標とするファンドの分析をしてきました。

各指標にまともなインデックス型ファンドは1〜2本だけという現状を聴いても同じことが言えるでしょうか。

現在のつみたてNISA対象インデックスは「国産だから安心」と半ば盲目的に、また金融庁が選んだ優良ファンドだから間違いないと過信して投資をしていないでしょうか。

「つみたてNISA」の理念は確かに素晴らしかったと思います。しかし現実は森前長官が講演した低コスト、長期運用、毎月分配型ではない、複雑な商品設計がされていない…わずか50本程度しかないとされていた状態とは打って変わっている事に多くの投資家は気づかないふりをしています。

現在のつみたてNISA対象商品は158本です。1年半ほどで日本には良い投資信託が3倍になったのでしょうか?

それは当初の理念から外れ販売手数料ゼロ、信託報酬は一定以下にただ基準を合わせただけの模造ファンドが約110本増えたが正解です。

 

約30年も最高値を更新しない日経平均…

 

1989年12月に最高値をつけて以来、来年には30年を迎える日本の株式市場は未だに当時の38,957円を超えられていません。

上がっては崩れ、上がっては崩れて…まるでダッチロールをしているようなそんな状態を繰り返しています。

一方でアメリカの株価市場を代表する指標ダウ工業平均はどうでしょうか?

1990年代から2000年にかけてのITバブルの崩壊によって実はアメリカも長らく株式市場の成長には苦労をしていました。

しかしアメリカに転機が訪れます。

2008年に起きたリーマンショックによって中央銀行と政府が金融緩和を勧め、アメリカの経済はおよそ5年で元の水準を超えました。

そしてこの教訓を糧に2014年頃から金融市場の健全化に向けて金利の正常化、所謂利上げを段階的に行ってきました。

現在、アメリカのダウ工業平均は世界的にも成長力もあるアメリカ株式市場の指標として世界中から注目されています。

 

一方で日本の日経平均はといえば、どうにもぱっとしません。

実はこの違いが日経新聞と東京証券取引所が新たな指標、JPX 日経400を開発することにつながりました。

 

インデックス全般に言えることですが、インデックスに採用される企業は必ずしも黒字とは限りません。

日本企業は経営効率を考えることができる経営者が非常に少なく、企業ガバナンスもガバガバという状態が長らく続いています。

経営者、社長…といえば聞こえは良いのですが、昔からの個人商店の店主感覚という経営者が少なくありません。

所謂ワンマン社長が圧倒的に多いのです。アメリカ的な発想で経営をしている経営者はほんの一握りと言われています。

 

オリンパス、シャープ、東芝、三菱自動車…かつては一流企業と呼ばれた日本を代表する企業が不祥事を立て続けに起こして、市場に混乱と動揺を撒き散らかしているのは皆さんの記憶にも新しいことでしょう。

インデックス型投資はこれらの企業にも満遍なく投資をします。しかも日銀やGPIFが大量の資金をTOPIXと連動するインデックスに投資するために殆どの大企業の大株主に日本銀行が名を連ねています。

さて粉飾決算や偽装会計などだけでなく企業としてのモラルも問われる昨今、これらの企業に大量の資金が投資されるとどうなるでしょうか?

企業の株価は資金流入によって上昇し、その企業の実力を反映しなくなります。

しかしその上昇をみて、株式投資をすると何が起こるでしょうか?

企業の実力以上の価値で株式を購入するため、多くの投資家は高値高みをしやすくなります。

また永続的に日銀やGPIFが資金を入れたままにしてくれるなら急激な下落は起きづらいと考えられますが、既に多くの投資家や経済学者が指摘をしている通り、投資における健全性を損なっている状態です。

早晩資金を株式市場から引き上げることが分かっているわけですから、今から日本の株式指標に投資をすることは登った後でハシゴをはずされるようなものです。

 

つみたてNISA対象の日本株式で唯一まともなJPX日経400インデックス

さて、数多くのつみたてNISA対象インデックスの投資信託がある中で日本株式にどうしても投資をしなければならない理由は身近である以外は殆どありません。

しかし日経平均株価やTOPIXを指標とするインデックスにまともなインデックスファンドが一つ二つずつしかない上に、上記のような状況を考えれば寧ろ日本株式には投資をしないことこそ推奨されるべきかもしれません。

しかし何らかの事情があって(私には想像ができないのですが)日本株式のインデックスへどうしても投資をしたい…そんな方の選択肢としてJPX日経400は受け皿になってくれるかもしれません。

レーティング 対象数
☆☆☆ 1
☆☆ 1
2

対象期間短

1

☆☆☆は何も推奨ファンドではなく、ファンドがきちんと指標と連動していると評価できるかどうかだけの目安です。

これまでの日経平均株価やTOPIXのようなハズレばかりよりははるかにまともな1/5の確率です。

寧ろ2014年に始まった新しい指標で既に指標と連動しないファンドが4/5あることに驚きましたが、本当に日本の資産運用業界はやる気がありませんね。

 

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