医療保険は最低でも5年に一度は見直さなければ危険な理由

 日本の医療保険は実は○○保険

医療保険を検討されたことのある方ならなんとなく気づかれているかもしれませんが、

日本の医療保険は正式には「入院保険」と呼ぶのが適切です。

何故なら入院一日あたり〇千円という設定を主契約としてる保険ばかりだからです。

ここに主契約の一部や特約として、手術給付金・放射線治療給付金、先進医療特約など

各社が様々な組み合わせを提供して商品を構成しています。

[入院をしなければ1円も給付を受け取れない]これが医療保険の基本です。

 

日本の社会保障費増大と医療制度改革

 

この「入院」を前提とした商品設計は日本の医療事情と密接な関わりがあります。

日本で医療保険(第三分野)が外資独占から解禁されたのは1990年代。

バブル崩壊によってなんとか生き残っていくために障壁を解いたのがきっかけでした。

以来、日本の保険会社も医療保険単体での商品開発にしのぎを削ってきました。

しかしご存知のように日本は1990年代、バブル崩壊による不良債権問題など財政的にも

非常に厳しい時代を迎えていました。

 

2000年の日本政府の一般会計(収入)は約83兆円、

今後の少子高齢社会を見据えて同年には公的介護保険制度が始まりました。

当時の健康保険・介護保険など社会保障費の総額は17兆円、

社会保障費は最大25%(20兆円)以内に抑えることで成り立っていました。

2010年の一般会計に占める社会保険料は40兆円に到達しました。

この財源を確保しようと消費税増税(5%→8%・10%)が議論され、実行へ段階的に移されています。

 

また最も人口ボリュームの多い団塊の世代が75歳(後期高齢者)を迎える2025年に、

健康保険にかかる医療費は54兆円になるという試算が公表されました。

大型病院ほど長期入院をするほど医療点数が削減される診療報酬の改訂、

日帰り手術や通院による治療へのシフトは国の財源という切実な問題に端を発しています。

 

近年では芸能人などがブログなどを書いているのを誰もが気軽に読むことができます。

著名人でも「がん」と診断された方は驚くほど増えているにも関わらず、

お金に余裕があるであろう彼らの多くでさえ長期の入院はせず(できず)、通院や日帰り手術をしています。

 

長期入院できない…なのに日額給付を前提に医療保障を考える矛盾

 

現在、生命保険会社が提供している医療保険は多くが冒頭でご紹介した[入院保障保険]です。

この事は当面、変わらないと考える必要があります。

金融庁認可の生命保険事業は横並びの意識が強い業界です。

長らく入院を軸に据えた保障の提供をしてきたので、通院保障だけを提供することには

まだまだ時間がかかりそうです。

 

そこで保険会社が考えているのが次の3つです。

①入院一時金・短期定額給付の導入

②入院前後の通院を保障

③日帰り手術の手術倍率をアップ・外来で放射線治療も。

 

既にご加入の方やこれから医療保険を見直そうと考えている方のご参考になればと思います。

 

①入院一時金・短期定額給付とは

日帰り入院ないしは1泊2日以上の入院をすると、

「○日間入院した」とみなしてまとまった入院給付金を支払うものです。

たとえば日額1万円の医療保険に加入をしていて、一時金が10日分だとすると

1万円×10日分=10万円を1日入院しただけで受け取れるものです。

 

 

入院の短期化が進んでいますので、

このように短い入院でまとまった給付が受け取れるのは有り難いですね。

 

保険会社によって5日分、10日分など一時金支払いに換算する日数が異なります。

また日額給付に加えて一時金を支払う保険会社も登場していますので、

一時金は高額療養費に充てて、日額は差額ベッド代や収入補填に充てるという使い方もできます。

 

従来の日額給付タイプで日額5,000円しか契約をしていない方の場合には、

一時金タイプだけの保険が格安で登場していますので2つ契約して組み合わせるのもアリです。

(私もそれを目的に一時金タイプと日額タイプを組み合わせて加入しています)

 

一時金だけで契約ができるのはFWD富士生命の「医療ベストゴールド」が代表的です。

元々AIG系列の保険会社だったので人気の付帯サービスT-PECもフルサービスで利用可能です。

一時金を含む短期入院にだけ焦点を合わせて

主な保険会社の商品をピックアップすると次のようになります。

一時金額 給付タイプ 日額給付 備考
①FWD富士 10万円・20万円 一時金 30日ごとに給付する特約あり

日帰り入院は半額給付

②メットライフ 5万円・10万円(10日分) 一時金 +11日目~
③チューリッヒ 5万円・10万円・20万円 一時金 +1日目~
④ジブラルタ 5万円・10万円(10日分) 一時金 +11日目~ 初期加算倍額タイプあり

(入院後30日)

④アクサ 10万円 一時金 +1日目~
⑤あんしん 5万・10万(10日分) 一時金 +10日目~
⑥あいおい 2.5万・5万(5日分) 一時金 +6日目~
⑦アフラック 5万 一時金 +1日目~

 

一時金の手厚さで考えるとFWD富士生命、チューリッヒ生命が20万円までカバー。

年収770万円超の方は高額療養費の自己負担が多いので一時金の手厚いこの2社のプランがお勧めです。

 

また一時金とは別に日額給付がもらえると差額ベッド代や食事代などもカバーできます。

一時金とは別に1日目から給付が出る会社はチューリッヒ生命、アクサ生命、アフラック。

アフラックは一時金が少なめなので、保険料とのバランス次第ですね。

個人的にはジブラルタ生命の30日以内倍額加算は魅力的に感じますが、

ジブラルタ生命は後述の通院保障がないので・・・これ一本でカバーは長い目で見た時に不安かもしれません。

 

②入院前後の通院も保障

既にご紹介したように入院は短期化する一方で、入院前後の通院が増えています。

特に入院前の通院は過去からの推移で急速に伸びていることがわかります。

そこで入院前後の通院を給付対象としている保険会社が登場しました。

国内に41社も生命保険会社があるのに、この時代の変化に対応して【通院保障】を提供している

保険会社は2017年9月現在わずか6社に留まります。

会社名 主契約/特約 入院前通院 退院後通院 1回につき日数上限
①アフラック 主契約 60日 120日以内  30日まで
②あんしん 特約 60日 120日以内

三大疾病は730日以内

 30日まで
③アクサ 特約 60日(日帰り手術含む) 120日以内 30日まで
③チューリッヒ 特約 120日以内 30日まで
④マニュライフ 特約 180日以内 30日まで
⑤メットライフ 特約 180日以内 30日まで

 

通院保障を提供している主な会社はわずか6社しかありませんが、

いずれも入院をすることが通院保障の要件になっています。

一方で2017年9月21日より発売開始をしたアクサ生命は日本で初めて

[日帰り手術]も通院保障の要件に加えました。

外来(日帰り)手術が増加していることを考えるとより充実した保障を

求める方は現状アクサ生命一択となります。

 

③日帰り手術の手術倍率をアップ・外来で放射線治療も。

 

外来手術という分類になる手術給付倍率が適用される「日帰り手術」

手術給付倍率の中では最も低い倍率で設定されていることが殆どです。

現在、まだここが特別手厚い保険会社は確認できていませんが、

稀に日帰り手術は給付対象外となっている会社が存在しますので、

確認をしておくことをお勧めします。

 

また放射線治療のように外来治療(通院)が主になるケースもあります。

放射線治療はがん治療における有効手段の一つですから、

一回あたりどれくらいの給付が受けられるか確認をしておきましょう。

最近の医療保険であれば60日に1回の給付、グレイ数制限なし給付額10万円というのが一般的です。

※放射線治療は健康保険適用なら自己負担は一回あたり3,000~6,000円

一般的な治療(30回)であれば10~15万円あれば十分な治療費となります。

 

残念ながら昔の医療保険の中には放射線治療を60グレイ以上でないと給付しない保険契約が存在します。

60グレイというのは人間一人が一生のうちに浴びてよい放射線量の限界値です。

過去に放射線治療を受けた人は再発や転移の際に放射線治療が受けられなくなりかねません。

※がん細胞は50グレイで死滅するとされていますが、50グレイ以上だと正常な細胞も被爆してしまう水準です。

はじめてのがん保険「放射線治療の一部位の制限や問題点」

 

【福島第一原発事故と比べる放射線量と放射線治療】

1グレイ=0.8シーベルト/毎時という概算が可能ですので、60グレイ=48シーベルト/毎時となります。

福島第一原発で事故直後に屋外設備「主排気筒」の下部では25シーベルト/毎時

人が全身に浴びたら20分で死に至る放射線量と言われています。

局所的に放射線を照射する放射線治療と全身で浴びる原発事故とを同一にすることはできませんが、

高いグレイ数での治療はそれだけリスクも伴うものと認識をしていただければと思います。

 

まとめ~医療保険は結局どこに入れば良いのか?

 

医療保険はここまで紹介してきたように国の財政や医療事情によって大きく変化してきました。

これからも日本の財政や経済状況によって絶えず変化していきます。

そのためその時その時に最適なプランを選びなおしていくことが賢明です。

入院の短期化、通院の増加という流れは基本的に今後も変わらないとすれば、

健康状態にもよりますが健康診断で要経過観察・要再検査などと指摘されていない方は

できれば3年に一度、少なくとも5年に一度くらいのペースで、

ご自身の加入している内容が医療事情に合っているのかを確認する必要があります。

 

保険は結局、バランスが大切です。

支払える保険料と保障内容のバランス、収入といざという時の治療費・支出のバランス。

多くの方が医療保険に加入している目的を考えた時に「いざという時の治療費を捻出するため」だとすれば、

時代に合わせた見直しが必要です。

今回ご紹介した一時金や通院、放射線治療などの給付要件はまた時代と共に変わっていく可能性があります。

見直しをした時にお財布事情とのベストバランスのプランを選びましょうね。

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