最大50%超の値上げ⁉︎日本アクチュアリー会が改訂した2018年標準生命表の長寿想定がヤバい…

2018年春申し込みからの医療・がん・介護保険の一斉値上げを前に、商品性の見直しや改訂を保険会社が進めています。

早く改訂を発表すると他社に追随されるリスクがあるため、改訂は時期やタイミングをはかってギリギリまで開示されることがありません。

発表から早ければ1週間ほどで新しい保険料が適用となり、年始から保険会社間の水面下での心理戦が展開されています。

今回の保険料値上げのきっかけとなったのが標準生命表を作成している日本アクチュアリー会です。

アクチュアリーとは確率と統計学を用いた数学のプロフェッショナルです。

生命保険や損害保険、企業年金や公的年金などの保険商品を作るために必要な年齢ごとの確率を計算する職業です。

 

優秀なアクチュアリーがいる保険会社は保険料の競争力や独自の保険商品の開発ができ、販売面で優位に立てます。

日本の保険会社の歴史を振り返るとアクチュアリー自身が保険会社の創業者であることも少なくありません。(第一生命の創業者:矢野恒太は日本アクチュアリー会初代会長、日本におけるプルデンシャル生命の創業者:坂口陽史は日本人初の米国アクチュアリーを取得した人物)

 

日本アクチュアリー会が11年ぶりに改訂をした標準生命表とはどんなものでしょうか。

そこにはどんなことが書かれているのでしょうか。

 

日本アクチュアリー会のWebページにアクセスしたところ、なんとPDFで置いてありました。

2018年改訂の標準生命表!

この中身がヤバいと、FPの間ではざわざわしています。

死亡保障は平均寿命の延びを加味

前回の標準生命表は2007年に改訂されました。

当時の男性の死亡数は生命表では33.5万件だったものが26.3万件と大幅に減少しています。

2018年標準生命表 別表3より

この数字を基礎として補正されているため、死亡保障は若い世代を中心に値下げが進むと考えられます。

第3分野(医療・がん・介護保険)は最大50%超の値上げが想定される事も

その一方で亡くならないという事は一命を取り留め、病気や介護などにさらされている人が増えているとも言えます。

単純に寿命が延びるだけでなく、病気と付き合う人が増えている。

この部分は第三分野(死亡保障は第一分野、損害保険は第二分野、生損保両方にまたがる医療・がん・介護を第三分野)と呼ばれていて各社が最も競っている分野でもあります。

2007年の標準生命表では男性81.15歳だった想定平均寿命が、今回の改訂では83.47歳とされ日本人の寿命がまだまだ延びる事を示唆しています。

ちなみに10万人あたり1人以下になる年齢を最大年齢としていますが、こちらも男性109歳から116歳とより長生きを想定しています。

 

ちなみにこれらが反映されると最も影響を受けるのは今のところ『がん保険』のようです。

日本人の罹患率が未だに高く、現役世代のうちの罹患率も上昇しているためです。(早期発見によって治療ができる一方で、患者数は増えている)

20代20%台前半、30代で20%台後半の値上げと続き、最大で70代の50%台前半という値上げにのる会社もあるようです。

現在は値上げ前の保険料で契約できるのですから値上げ前後で比べると凄く値上がりした感じを受けていますが、この値上げがどの会社でも同様の傾向になるのか。

それともこの会社だけがこんなに値上げをしているのかはもう少し情報が出揃うのを待つしかありません。

 

また近年、各社が力を入れている「就業不能保険」は死亡保障のあるものとないもの、がんでの保険金支払いや介護での支払いが商品ごとに入り組んでいます。

よって値上げになる部分と値下げになる部分が相殺され、新しい保険料が設定される事になりそうです。

 

年金保険はほぼ据え置きだが、想定されている長寿がやばい…

年金の標準生命表は2007年から据え置かれることになりました。しかし昨年春の標準予定利率が引き下げられているために実質的には若干の値上げをする会社も出てきそうです。

しかし年金に関しては値上がりよりも驚くべき事態が判明しました。

日本アクチュアリー会は存命中は受け取り続けられる終身年金の受給年齢のピークを2007年に男性113歳、女性114歳(いずれも10万人に1人以下になる年齢)としていましたが、今回の改訂で男性122歳、女性126歳としました。

世代ごとの出生率は異なりますが、概ね現在の20代以下は年間100万人前後の同級生がいます。

という事は同級生の世代に10人くらいは120歳を超えて超長生きということになります。

アクチュアリーのこれらの統計は死亡リスクは早い時期に支払うことになることを前提に、病気や介護・年金は長々と支払うことになるを前提としています。

しかし、それにしても長生き…国連による2007年生まれの日本人の平均寿命107歳というのは本当に実現しそうな数字なのだと改めて実感しました。

 

 

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