外貨建保険の為替変動リスクと両替コストはどう考えることができるのか

前回、『今更聞けない外貨建保険のおさらい』で

外貨建保険の基本的な考え方をご紹介しました。

今回はそこでは紹介しきれなかった為替変動と両替コストについての考え方のご紹介です。

 

 

為替レートと日米の金利差は連動する!?

 

金利差は為替と連動するように動き、米国の金利が高い時に為替も円安で推移する傾向にあります。

この事から契約者は高い利回りを得る対価として、保険料負担も増えることが考えられます。

つまり支払時・受取時の為替変動リスクは円での資産運用よりも高い利回りで運用をする対価であり、

外貨建保険がレンジ相場での値動きに留まる傾向の高い商品であることが理解できます。

 

日米の金利差が為替にどのような影響を与えるのか、その相関関係については

下記ページをご参照ください。

日米実質金利差からみたドル円相場

 

固定型?それとも最低保証付き利率変動型?

生命保険会社によってその傾向は異なりますが、予定利率の最低保証というものが

生命保険には標準的に備わっています。

会社によって契約時固定利率のままの運用をする会社と、

積立率変動または積立利率更改型と呼ばれる状況に応じて上下するタイプがあります。

多くは前者の固定タイプ(最低保証=通常運用)ですが、

メットライフ生命やマニュライフ生命は後者の運用方法(最低保証+毎月の債券利回りから各社が判断して変動)を採用しています。

 

いわば住宅ローンにおける固定金利、変動金利のようなものです。

但し住宅ローンと大きく異なるのが借金ではなく、資産運用だという点です。

 

金利の鉄則

借入は固定運用は変動

 

金利の鉄則として「借入は固定、運用は変動。」というのがあります。

資産を増やそうとしての運用の場合、変動型の後者を選ぶことが一般的です。

しかし外貨建保険を資産防衛として考える場合には固定型を選ぶのもありです。

資産防衛として考えるというのは、別にアクティブな投資を同規模またはそれ以上に行なっている場合です。

 

ここで私がご紹介するのはあくまで定石ですので、

様々な考えに基づいて組み合わせることが可能です。

基準となる考え方(哲学)をもつことはとても大切です。

 

為替の変動をどう考える?

昨今の日米のように金利差が広がると、為替は円安傾向に動きます
円安とは通貨(円)の価値が安いということで、
金利がつかない通貨の価値は低いと考えることができるためです。
金利が低いことは同時にお金の流れにも影響します。
金利がたくさんつく通貨と、殆ど付かない通貨でしたら
あなたはどちらの通貨を持ちたいと思いますか?
多くの方は金利がよりたくさん付く通貨にお金を預けようと考えます。
すると金利の高い通貨にお金は流れやすくなり、
お金が出て行ってしまった元の通貨の価値そのものが希薄になっていきます。
この状態も円安傾向となります。
円高になるというのはこの逆で、日本の金利の方が高い場合や
日本にお金を預けていた方がお得と考える人が多い場合に起こります。
 例えばアメリカや世界の様々な場所でテロや戦争、またそれに準じる不安な動きが
起こる際に為替は円高に動きやすい傾向にあります。
このように金利差と為替は連動しますので、
米国債の金利が下落する際というのは総じて為替変動が円高になっている時となります。
つまり最低保証の返戻率を見る場合には、
円高が最大いくらまで進めばその投資がマイナスとなるのかを把握できることになります。

為替レートの留意点

為替レートには大きくTTS・TTM(仲値または基準値)・TTBの3種類があり、

保険料や契約者貸付・自動契約者貸付の返済など契約者が

支払う場合のレートは高い方(金融機関が利用者に売る販売レートTTS)、

保険金や契約者貸付など保険会社からお金が出る場合には

低い方(金融機関が利用者に対する買い取りレートTTB)が適用されます。

 

TTS(-) TTM(±) TTB(+)
・保険料

・契約者貸付の返済

・自動契約者貸付の返済

指標とする為替レート

国内の殆どの保険会社は三菱東京UFJ銀行の

レートを基準している。

・保険金

・契約者貸付

・自動契約者貸付

 

会社による為替手数料の差

 

契約をする会社によって為替への両替手数料が異なります。

一般的な都市銀行で円を外貨に両替する場合、およそ3%が手数料とされています。

外為法改正前まで外国取引の中心であった三菱東京UFJ銀行の交換レートは1ドル=2円(TTB-TTS)、

円をドルに両替する片道レートは1円となります。

 

また、ただ手元に外貨を置いておくだけでは増えません。

両替した外貨を金融商品に投資をすることで、初めて利息や運用益がついてきます。

しかし両替だけでなく金融商品に資金を入れる(送金)には別途、送金手数料がかかります。

下記は三菱東京UFJ銀行の外貨送金手数料です。

同じ三菱東京UFJ銀行内での送金でも2,500円がかかり、更に外貨取扱手数料も最低2,500円~かかります。

例え100ドルだけを送金しようとしても手数料で5,000円以上発生するのは、

個人の資産形成にとっては痛すぎる支出です。

一括で資金を入れる投資でない限り投資に100ドル(1ドル=100円として1万円)、

外貨両替手数料100円、送金手数料5,000円と意味の分からない浪費をしてしまいます。

これではもはや運用どころの話ではありません。

 

そこで外貨資産の運用の場合には金融商品の取扱金融機関に直接、

支払と外貨交換をしてもらうという選択肢があります。

すると最も大きなコストである送金手数料が発生せず、外貨への両替コストだけで済みます。

 

保険料の支払方法は3種類

支払方法には

  1. 円での口座振替
  2. 外貨での振込
  3. クレジットカード

支払の大きく3つがあります。

しかしⅱ.外貨での振込は振込手数料が契約者負担のため前述と同じコストが発生します。

既に何らかの事情によって外貨建の資産を持っていて

両替コストよりもそのまま送金したほうが安い場合以外は使う機会がなさそうです。

 

一般的な方法は円で銀行口座からの振替(ⅰ)です。

以下は保険会社ごとの両替コストの比較です。

最も多く支払う「二回目以降保険料」に注目をして比べてみると各社様々な違いがあります。

 

(ⅰ)口座振替の場合 (ⅱ)外貨入金 (ⅲ)クレカ払
初回保険料(TTS) 二回目以降保険料(TTS) 保険金等の支払い(TTB) 送金手数料は契約者負担 カード会社の

レート適用

メットライフ生命 TTM+0.5円 TTM+1円 TTM-0.5円 JCB(1.6%)
マニュライフ生命 TTM+0.5円 TTM+0.5円 TTM-0.01円(米ドル)

TTM-0.03円(豪ドル)

ー/

こだわり個人年金は

円固定支払いのため不可。

こだわり外貨建終身は

外貨入金可

VISA

MasterCard

JCB

AMEX

ジブラルタ生命 TTM+0.5円 TTM+0.5円 TTM-0.01円 × 初回のみ
プルデンシャル生命 TTM+0.25円 TTM+0.25円 TTM-0.25円 初回のみ
ソニー生命 TTM+0.01円 TTM+0.01円 TTM-0.01円

契約時に全期前納一括のみ取扱可

×

ポイントやマイルを効率よく貯めるならクレカ払

クレジットカード払いが選べ、ご自身でカードを持っているまたはそのカードを新たに発行する場合には

ポイントやマイルなどクレジットカードそれぞれの付帯する特典が利用できます。

またポイントやマイルの還元率はカードごとに異なりますので、一概にはどれがお得か比較する必要があります。

その一方で還元率が高いクレジットカードもありますので、両替手数料(為替事務手数料)とのバランスを見極める必要があります。

 

2017年秋登場予定の外貨建保険

 

2017年10月初旬よりソニー生命が春から噂されていたあのドル建終身をいよいよ発売開始します。

予定利率3%固定、保障範囲を業界最大水準まで広げたLB(リビングベネフィット)のドル建終身です。

返戻率重視ではなく、保障性を重視したい方向けの外貨としては決定版となるでしょう。

以下は一般の生命保険(終身保険)と比べた場合の保障範囲の違いです。

死亡 高度障害 介護

公的介護保険要介護2以上

障害状態

障害手帳3級以上

三大疾病
従来の保険
LB

長生きの時代、多くの方が心配している働けないリスクへの備えをカバーしつつ、

外貨建資産の運用が出来る商品の登場は円建にも波及していくのではないでしょうか。

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