日本の投資業界の問題はインデックス型とアクティブ型の問題ではない

金融庁森長官のアナウンスによって金融業界は戦後最大の変革が求められています。

その中でも震源地となっているのは証券業界です。

 

森長官のアナウンスの中にはインデックス型ファンドでの

長期・積立・分散投資が推奨されていると解釈できます。

その一方で森長官のアナウンスでは日本のアクティブ型が痛烈に批判されています。

 

日本の投信運用会社の多くは販売会社等の系列会社となっています。

投信の運用資産額でみると、実に82%が、販売会社系列の投信運用会社により組成・運用されています。

系列の投信運用会社は、販売会社のために、売れやすくかつ手数料を稼ぎやすい商品を作っているのではないかと思います。

これまでの売れ筋商品の例を見ても、ダブルデッカー等のテーマ型で複雑な投信が多く、

長期保有に適さないものがほとんどです。

こうした投信は、自ずと売買の回転率が高くなり、そのたびに販売手数料が金融機関に入る仕組みになっています。

このような、我が国において一般的に行われている投信の組成・販売の仕組みは、顧客の資産形成にいかなる効果があったでしょうか?

日本で売れ筋商品となっているテーマ型投信は、売買のタイミングが重要な金融商品と言えます。

当然、安く買って高く売ることが基本となりますが、

継続的に適切な売買のタイミングを見極めることが出来る投資家は、プロの中にも少ないはずです。

先ほど申し上げたアクティヴ型投信のパフォーマンスが、このことを裏付けています。

個人が買う株式投信の売れ行きを過去に遡ってみても、株価のピークで株式投信が最も売れる傾向にあります。

しかし積立NISAにアクティブ型が少数とはいえ選定されていることからも、

決して金融庁がアクティヴ型を全否定しているわけではないことが読み取れます。

 

問題になっているのは「なんちゃってアクティブ型」です。

投資信託には既に挙げているインデックス型、アクティブ型があります。

市場の指標(日経平均や東証株価指数など)と連動するインデックス型、

指標を上回るパフォーマンスを狙いに行くアクティブ型の大きく二種類です。

投資の業界では市場の指標をβ、それを上回る価格をαと呼びます。

 

インデックス型の運用に大きなコストはかかりません。

何故なら、日経平均や東証株価指数などはその構成が公表されていますので、

同じ比率でファンドを構成すれば連動するファンドは容易に作ることが可能です。

 

一方のアクティブ型は市場の値動きを上回るために様々な調査や頻繁なファンドの入れ替え、売買が行われています。

このため手数料がインデックス型と比べて大変かかるのがデメリットともされています。

個人投資家などから資金を集め、その資金をこれから伸びるであろう企業へ投資(融資)する。

市場の平均を上回るパフォーマンスを目指す、これらはまさに投資の基本です。

しかし日本では残念なことに手数料だけはアクティブ型なのに、パフォーマンスはインデックス型の投資信託や

パフォーマンスはインデックス型を下回るひどい投資信託が『アクティブ型』として売られています。

 

金融庁はこの点を痛烈に批判しています。

また既に多くの投資家がこの点に気づき、

証券会社も低コストや販売手数料のかからないノーロードファンドが増えています。

低コスト志向強まる、「コストの見える化」を実現した新指標を有効活用

 

しかしそれでも現時点ではまだまだ日本の投資環境ではアクティヴ型が主流と言わざるを得ません。

日本で数少ない優良アクティブ型ファンドを運営しているレオス・キャピタルの藤野氏が

本当のアクティブ型ファンドを見極めるためにはある指標(アクティブシェア)を利用することを提言しています。

アクティブに「真偽」あり 見極めが重要

 

日本ではつい昨今の金融庁の動向などからアクティブ型を悪いファンドととらえてしまいがちな傾向にあります。

しかし本当の問題は日本の証券業界などのモラルの問題です。

アクティブ型ではないのにアクティブ型と称して手数料を徴収し、運用をロクにしない・・・

こんなことが殆どである実態は明らかにモラルの問題です。

 

インデックス型には市場の株価が長期的には上昇を続けることや

ドルコスト平均法が活きるような下がり続けても長期では少し回復するなどの相場であることが求められます。

アクティブ型は市場のそれらの動きとは連動せず、市場が下がるような局面でも値上がりをしたり

価格が一定水準よりも下がりづらいなどの効果が本来は期待されます。

厳選された本来のアクティブ型にはそれらが期待できます。

 

 

世論に流されるだけでなく、インデックス型とアクティブ型。

それぞれの特徴を活かした運用を組み合わせることで

自分に合った資産形成のバランスで運用が出来ることが大切ではないでしょうか。

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