医療保障・ガン保険の改訂各社続々と発表

4月2日からの保険料改訂を目前に控え、保険会社各社の新しい保険料や新商品が続々と公表されてきています。

特に値上げ幅の大きい分野はがん保険で、各社商品改訂によって値上げ分をより新しい保障でカバーしようと機能向上を打ち出している保険会社もあります。

医療保障の値上げは2種類ある

保険会社が今回のような機会になった時に取れる行動は大きく2種類です。

①保険料の据え置き

②商品の改訂

保険料の改訂にはコストが発生します。去年発売したばかりの商品はともかく、発売から2〜3年経つ商品の場合には保険料改訂は採算が取れない事もあります。

医療保障は凡そ3年前後での新商品へ刷新されることが珍しくなく、保険料据え置きを選択した保険会社は2018年夏から秋などそんなに遠くない時期に新商品への切り替えを計画していると考えることが出来ます。

保険料据え置きはいわば時間稼ぎな訳ですが、競争相手が改訂されるのに変えないというのは競争力の低下と”相対的値上げ”となると私は考えています。

 

相対的値上げによる保険料維持

身近な例で考えるとスマートフォンなどの家電製品が良い例ではないでしょうか。

各メーカーが一年に一度くらいのペースで、次々と新商品が登場しますね。

一つのメーカーではなく、店頭に並ぶ全メーカーと考えるとほぼ毎月新しい商品が新発売されているということもあります。

発売当初は価格が高いとか、そんな機能は不要だとか感じられる最新機種も、別なメーカーが新商品を出したり、発売から時間が経つと値ごろ感が感じられてきます。

家電製品の場合には価格が実際に値下げされていきますし、在庫処分の意味合いもあり発売から3ヶ月、半年と経過すると随分手が出しやすくなることが多いものですが、金融商品、保険商品の場合には保険料は原則として値下げされることがありません。

このため周りの商品がリニューアルされる際に値下げや同じように新商品を出さないこと(保険料据え置き)は実質的な値上げを意味しています。

より多機能、高性能な保険商品が登場してくる訳ですから陳腐化している状態となります。

これは既に加入している契約者にとっても同様の傾向があります。

 

経済学ではモノの価値が高くなり、お金の価値が下がる現象をデフレーション。

モノの価値が下がり、お金の価値が高くなる現象をインフレーションと呼びます。

保険料が固定という事は上がりも下がりもしませんが、比較対象の価値や機能が増えるという事は競争力の低下を意味していますので実質的にモノの価値は下がったと言えるインフレーションと言うことができるのではないでしょうか。

 

価格据え置きによるインフレーションの事例

医療保険A

保険料3,000円

保障機能★★★

 

医療保険B(改訂後)

保険料3,600円

保障機能★★★★

 

上記の医療保険Aは改訂前のものです。

医療保険Bは改訂によって保障機能がより充実したものです。保険料は2割値上がりしていますがその分、保障機能は充実しています。

医療保険Aは保険料の値上げをしないと発表しています。

医療保険Bは4/2以降発売となります。

 

安い方が良いと考える方は医療保険Aで契約をしますが、より機能の充実をしたいという方は医療保険Bで契約をするでしょう。

これは私見ですが、値上がりする事は確かに保険を見直しをする際には重要な問題ですが、比較すべき改訂後の機能や保険料が分からなくては比べようがないというのが実態ではないでしょうか。

 

保障は健康保険の診療点数改訂に合わせて2年ごとに大きく変更がされていきます。

よほど直近1〜2年で契約したものでなければ、保険の見直しは少なくとも2年経過していたら一度は行った方が良いでしょう。

 

商品改訂による値上げと機能拡充

 

私は今回の保険料値上げで素晴らしい対応を取っていると感じる会社がいくつかあります。

これらの会社は4月2日から保険料の値上げを行う保険会社ですが、同時に商品改訂も行います。

朝日生命は主力商品の「スマイルセブンα」を「スマイルセブンスーパー」へ改訂します。

これによって保険料は若干高くなりますが、2年に一度だったがんまたは6疾病での保険金がなんと!一年に一度となり大幅に魅力がアップします。

しかも多くの保険会社で給付対象外だったり、10%だけ給付としている早期発見によって増えている上皮内がんも◯◯となり、競合するメディケア生命(保険料値上げ・改訂見送り)とがっぷり四つとなります。

 

チューリッヒ生命の「がん治療保険プレミアム」は「がん治療保険プレミアムDX」となります。

これによって保険料は確かに割高にはなりますが、なんと抗がん剤治療が国内未承認薬(海外では承認されているもの)の適用まで対象となり治療保険としては非常に強力な内容となります。

 

また商品改訂こそしないものの加入要件の緩和を大幅に進めるのが損保ジャパン日本興亜ひまわり生命です。

ひまわり生命は昨年春の改訂でも三大疾病保険料払込免除特約の要件拡大を既契約者にまで広げるという素晴らしい対応をしました。

今年の改訂では加入要件の緩和を進める事で、同社の保険商品の強みであるメンテナンス性の高さが一層強化されることになります。

またひまわり生命は収入保障保険を近々改訂するとしています。いよいよ就業不能保障を発売するとされており、期待が集まっています。

 

引受緩和型医療保険で増える削減期間廃止タイプ

 

昨年夏にメットライフ生命が日本初の削減期間なしの引受緩和型医療保険Flexi S Goldを発売しました。

引受緩和型医療保険で今では当たり前となっている加入から1年間の保険金額・給付金額50%削減期間を廃止。

加入直後の入院でも満額で保険金・給付金を支払う改訂が話題となりましたが、第一生命グループのネオファースト生命も「ネオdeいりょう 健康プロモート」を削減なしに改訂しました。

しかもネオdeいりょう 健康プロモートは最初の5年間で5日未満の入院だと保険料が大幅に割り引かれるという特徴もあります。

引受緩和型医療保険は持病や既往症などがある健康に不安のある方でも所定の告知事項に該当しなければ加入ができるタイプの保険です。

通常の医療保険より保険料が割高な傾向にあり、特約ご限られていたり、保険料払込免除の付加要件が厳しかったりと制限がありますが、徐々に緩和されてきており、保障内容の充実度は一昔前の医療保険より優れているものもあります。

適時、見直しが出来ないか検討をすることが大切です。

医療保険・ガン保険シェアNo.1アフラックも商品改訂

 

緩和型医療保険で「がん」罹患経験者でも加入が出来る数少ない医療保険・がん保険を提供しているアフラック。

この4月よりついに日本法人化することになります。

これと合わせてがん保険の改訂を行うそうですが、加入要件を緩くする代わりに特別保険料を導入するそうです。

 

特別保険料とは、無条件引受のできる健康状態ではない被保険者を、特別条件付きとしてリスクに応じた上乗せ保険料の負担を求めて保険の引受を認めることです。

死亡保障では特別保険料は返戻金に積み増しされることもあるのですが、昨今の医療保険は掛け捨てタイプが主流となっており、特別保険料も掛け捨てとなるようです。

肝心の特別保険料は標準保険料の最大3倍までと規定されており、そこまでして加入する方がいるのかは疑問です。(法人契約ではあり得なくはないが)

 

またアフラックの医療保険やガン保険は通販や職場での回覧板営業で現在でも国内医療保険・がん保険で根強いシェアを持っています。

特約の追加などメンテナンス性の高さなどには優れていますが、死ぬまで払い続ける終身払での加入者が多く、保障内容が複雑で細かく、わかりづらいのは保険金を支払う気がないと捉えられかねません。実際、給付金請求時のトラブルの温床ともなっています。

日本法人化によって本当の意味で日本に根付くかが問われる一年目を迎えます。

 

健康状態の悪化している方は見直しがしづらいため続けるしか選択肢がありませんが、健康に自信のある方はきちんと比較をしてもっと自分に合ったプランへ変更することも視野に入れて良いでしょう。

 

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