生命保険業界の教育課程と認定資格

保険外交員は非常に高度な研修を受けています。

外資系保険会社ほど教育に力を入れている傾向があるようですが、

支社・支店、営業所、個人間での差も生じますので熱心だからと言って必ずしも

その質が高い水準で定着しているかどうかは別問題であることを留意してください。

 

入社したての外交員を除けば、保険業界には業界共通教育課程(業界資格)というものが存在します。

業界で外交員の質を一定以上に保つために設けられた教育制度で、隣接業界の資格と併せても非常に多岐にわたります。

 

以下は業界の教育課程と認定資格をまとめたものです。

資格者数の統計データが少し古いですが、比率としては現在もさほど変化はないと考えられます。

試験名・制度 合格者呼称 業界資格 取得までの所要目安

(募集人登録~)

資格者数(保有率)

・合格率 

①一般課程 1か月目/毎月実施

(登録前:最低8日間30単位32時間)

(登録後:通算15日間45単位60時間)

223 ,257名(100%)

合格率96~98%

②専門課程※ LC 3~4か月目/年3回実施

(2日間以上12時間以上)

90,418名(40%)
③応用課程 SLC 5~12か月目/年3回実施 34,653名(15%)
④変額保険

販売資格※

取扱会社次第

 

5~12か月目/年3回実施

(2日以上10時間以上)

62,482名(28%)
⑤外貨建保険

販売資格※

取扱会社次第

1~3か月目
⑥生命保険

大学課程

(6科目)

TLC

生保協会認定FP

12~24か月目

※2科目ずつしか受験が出来ない

50,429名(23%)
⑦継続教育制度 12か月目~1年ごと
⑧FP技能検定 3・2・1級

AFP・CFP

⑨生命保険アンダーライティング学院 CLU

認定生命保険士

※FP協会からの推薦要

MDRT MDRT

 

5,165名(2.3%)

※平成29年4月1日現在

保険募集人資格

一般課程は生命保険の募集をする者であれば誰もが取得する試験です。

生命保険の提案・販売(業界では募集と呼ぶ)行為を行う際のモラルなど一般教養のようなものです。

この資格を持っていない人が保険商品の掲載されているパンフレット等を配布・提供すること自体が禁止されています。

自動車で言えば運転免許証のような物という位置づけです。

 

保険提案をする外交員の勤務先や勤続期間にもよりますが、

入社したてでない限り多くの方は①~③程度は資格を保有しています。

資格保有者数223 ,257名(保有率100%) 合格率96~98%※平成14年度

 

LC(ライフコンサルタント)

専門課程は一般課程合格者が次の受験する保険販売に関する専門知識・周辺知識を修得し、顧客ニーズへの基本的対応力を高めることを目的としています。

資格保有者数90,418名(保有率40%)

SLC(シニアライフコンサルタント)

応用課程は専門課程合格者が次に受験する試験で、計算問題などのこれまでに学んできたことを実践・応用できるかを問われる試験です。

資格保有者数34,653名(保有率15%)

④~⑤は保険会社によって対象となる保険商品を扱っている場合に取得する資格となります。

 

変額保険販売資格者

④変額保険販売者資格は今後、取扱会社数が増えてくることに合わせて増加することが予想されます。

取扱会社数は2017年6月現在、3社。夏頃に4社になる予定です。

保有者数62,482名(保有率28%)

外貨建保険販売資格

⑤外貨建保険販売資格は業界資格というよりも社内資格に位置づけされています。

外貨建保険を扱っている保険会社が限られており、近年徐々に増えつつあります。

平準払い(毎月少しずつ払うなど)の外貨建保険を扱っている会社は2017年6月現在、6/41社です。

 

TLC(生保協会認定FP)

⑥生命保険大学課程の資格保有者は名前の通り、大学課程という業界専門職の位置づけとなります。

  1. ファイナンシャルプランニング
  2. 個人保険商品研究
  3. 資産運用設計(金融商品・不動産)
  4. 生命保険と税・相続
  5. 隣接業界の商品と社会保障
  6. 企業保険商品研究

この6科目を全て終えると生命保険協会認定FP(ファイナンシャルプランナー)である

TLC(トータル・ライフ・コンサルタント)として認定されます。

保険に関する知識・理解だけでなくファイナンシャルプランニングに求められる多岐にわたる理解と、

隣接業界(損害保険・少額短期保険)や銀行・証券、不動産と税・社会保障、企業向けの保険などについて

一定水準の理解が求められる高度な内容となっています。

FP技能検定1~3級以上に実践的専門性に特化した試験がTLC認定と言えるでしょう。

FPの中にはTLCを軽視する傾向がある方もいるようですが、保険とファイナンシャルプランニングをよく理解する上で押さえておきたい資格です。

※外資系保険会社は2年の研修でTLC取得が必須となっている会社もある。

保有資格者数50,429名(保有率23%)

 

 

MDRT(ミリオンダラーラウンドテーブル)

 

知識や技能ではなく、毎年1月~12月までの販売実績によって入会資格が得られる

世界共通の保険業界のトップ販売員の団体です。

いわば保険業界のオリンピック出場者という位置づけになります。

日本では保険募集人の凡そ2~3%と非常に限られた人だけが入会できます。

 

入会者数5,165名(2.3%)※平成29年4月1日現在

その他の業界研修について

またこれらとは別に保険会社や保険業界(JAIFAなど)が独自に行っている研修などで生命保険が役に立ったシーンや、

保険金・給付金を受け取った契約者・家族の声、保険を活用した様々な方法などを自主的に積極的に学ぶ文化があります。

 

これほど共通課程の多い業界はなかなかあるものではありません。

また世界共通でそのような資格が認定されるのも恐らくは生命保険業界くらいでしょう。

 

生命保険を検討する際にはその提案内容・加入内容が加入者に合っているかどうかがとても大切です。

保険の外交員は多様なニーズに応えられるよう実に様々な研修や資格を学んでいます。

商品パンフレットに載っているだけで十分な比較と判断ができる内容であれば、わざわざこのように複雑で高度な業界課程は必要ではありません。

資格を持っていることが全てではありませんが、学んだことを骨に筋肉にして、顧客への提案のバックボーンとしている外交員も大勢います。

 

この契約者と外交員の埋めることが出来ない”情報の非対称性”は、モラルと使命感という薄氷の上に成り立っていることを忘れてはいけません。

契約者は外交員をただの営業マンとして捉えるのではなく、人生における自分の知らないことを学んでいる人として、自分の人生の経済的問題を解決するために時間を割いている人として真剣に向き合っていただけたら、日本における保険募集人の地位がもっと向上するのではないでしょうか。

 

また外交員も自分の職業と扱っている商品にプライドを持つことが大切です。

決しておごることなく、自分のモラルと向き合い、顧客が知らない・理解していないために起こりえる経済的問題、ライフプランニングとファイナンシャルプランニングの重要性、情報の提供を真摯に行い続けていくことを忘れてはいけません。

保険外交員は社会に役立つ仕事をしています。

 

【生命保険エージェント】

I can think of no more effective agent in advancing our freedom to live as we choose than the insurance sales person.

This person knows the economic and human pulse of the country as few people may, for they walk all streets of American life and they sit down and talk with the youth and mature and the aged.

They know our wants.

They help in times of need.

They build, for they help others to build.

They insure the future.

They are respected, and they are our friends.

– John F. Kennedy.

生命保険のエージェントほど自由を求め、

自分の意志で生きている人を知らない。

彼らは、アメリカの多くの街を歩き、

若い人から年老いた人、

あらゆる人と話をすることによって、

国の経済と人の鼓動を知りつくしている。

彼らは人々が何を求めているのかを知っている。

彼らは自分の時間が許す限り、人々を助けようとする。

彼らは他の人々が築き上げるのを助けることによって、

自らを築くのである。

彼らは未来を保障する。

彼らは尊敬され、そして彼らは友人である。

ジョン・F・ケネディ

 

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