生命保険の必要性

生命保険とはそもそも何か?

生命保険は人類が生み出した金融商品の中でも特異な仕組みを持つ商品です。

世の中には銀行預金や住宅ローン、株式投資や投資信託など様々な金融商品が存在しますが、

万が一という人生上のリスクに対する経済的な備えを保障する商品は『生命保険』だけです。

日本に生命保険を最初に紹介したとされている福沢諭吉は著書「西洋旅案内」の中で

西洋の保険制度を紹介し、その後「民間経済録」の中で

「保険は人間の持つ知性と気品の根源である」と日本における保険の必要性を訴えました。

その後、1881年に明治生命が日本最初の生命保険会社として誕生しました。

本コラムでは生命保険の本質的な仕組みを今回はご紹介していきます。

保険が持つ保障という機能の意味

私たちの多くは人生において様々な経済活動を行っています。
社会人であれば会社へ行き、仕事の対価として収入を稼ぎ、
私生活において様々な消費活動を行います。

既に退職をしている方でも年金を受け取ったり、貯金を取り崩しながら、生活をしています。

公務員、役員・正社員、契約社員・派遣社員、個人事業主・フリーターなど
働き方が多様化の進む現代においてもこの基本的な構図は変わりません。
私たちは稼いだ収入を通して、生計を立てています。

これを図にすると下記のようになります。

労働力の提供の対価として給与を得、その収入を基に家族が生活を営みます。

生命保険は経済活動を行っている人に万が一のことが発生した際に、

その経済的な損失を補う役割(機能)を持っています。この機能を「保障」と呼びます。

生命保険には様々な機能がありますが、その主たる機能で唯一と呼べるものが保障です。

生命保険が保障する万が一とは、会社ごとに提供する保障範囲が異なりますが

一般的な言葉で表現すると次の8つに分類されます。

  1. 死亡
  2. 余命6か月以内
  3. 高度障害
  4. 就業不能障害(障害手帳)
  5. 三大疾病
  6. 自宅療養・通院
  7. 入院・手術
  8. 資産形成(年金・学資保険など)

ここでは生命保険の一般的な役割である「死亡」を代表例に説明します。

例:夫(サラリーマン)・妻(専業主婦)・子の三人家族。

一家の大黒柱である世帯主(夫)が現役のうちに亡くなった時、

労働力を提供できないため給与が支払われなくなり家計は収入が途絶えてしまいます。

しかし生活には一定のお金が必要です。

遺族を支える様々な社会保障(遺族年金や生活保護)がありますが、

社会保障の目的は『健康で文化的な最低限の生活』(日本国憲法第25条)に基づき提供されているものです。

これらのお陰で日本において食うに困ることはないかもしれませんが、

夫が元気だった時には出来た旅行や外食、妻子が一緒にいられる時間を

十分に確保するには不足する部分が生じる場合があります。

これを補填(ほてん)し、収入や資産形成など経済的バランスを整えるのが生命保険の「保障」機能です。

生命保険会社と外交員・FPの存在意義は?

このお金の補てんするお金のプールを創り管理するのが生命保険会社の存在意義です。

また多くの方にとって目に見えない、触れることもできない保険という商品の

必要性を十分に感じることは稀です。

独身の人でも親へ仕送りをしている人、していない人。

同じ年齢・性別でも独身の人、結婚している人、子どもがいる人・いない人。

家族の人数や家族での役割も人それぞれです。

夫婦共働きの方、専業主婦(主夫)の方。

60歳で退職を検討している人、70歳で引退を考えている人、

サラリーマンか公務員か、個人事業主か。

住居に関しても持ち家か賃貸か。

将来どんな生活をしたいと思っているのか、いざという時に家族には

どんな生活をして欲しいと考えているのか。

多様な価値観と生き方の現在において、ライフプランニングの分析を行うことではじめて

どれくらいの金額(保障額)が、どれくらいの期間(保障期間)必要となるのか。

どのような状態になった時に必要となるのか(保障内容が見えてきます。

 

経済的な問題(リスク)の分析と、その問題を解決するのが保険外交員や

ファイナンシャルプランナー(FP)の役割です。

時代の変化、変化するの保障内容

生命保険は時代の変化と共に変化してきました。

戦後間もない頃の生命保険は原則として死亡と入院・手術だけを保障としていました。

高度経済成長期を迎えると自動車事故の増加により「高度障害」(寝たきりや車いす状態など)でも

死亡時と同額の保障額を提供(1969年~)するようになりました。

1970年代に入るとがん患者が増え続け、がん治療のために「がん保険」が発売されます。

1980年代後半には欧米でHIV(エイズ)による余命宣告が社会問題となり、

1990年に米国でリビング・ニーズ特約が誕生しました。(日本では1992年に登場)

2000年に少子高齢社会を迎え公的介護保険制度が始まると、

「介護保険」が民間の保険会社からも提供が始まりました。

国の施策で入院日数の短期化が推し進められると、

従来の入院日額方式から一時金方式や通院保障へとその範囲を拡大しつつあります。

保険金・給付金の不払問題(2008年以後)は手術給付金の要件などを従来の会社所定から

公的健康保険に連動へと切り替えてきました。

日本人の死因の25%ほどを占める三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)に特化した収入保障保険や、

保険料の払込免除の対象範囲も従来は会社所定の障害状態だったものから

三大疾病や介護・障害手帳を免除の条件とするなど

分かりやすさを基準にする取り組みが業界全体で取り組まれています。

近年ではこれまでに保険会社が担保していた保障領域(死亡・入院・手術)との空白領域を

カバーする「就業不能」状態となった場合の保障に各社取り組んでいます。

※同じ「就業不能」という名前でも会社により保障内容や保障領域が異なり、十分内容を精査することが大切です。

生命保険会社が提供するのはその時代の要請によって求められている人が増えている保障内容です。

その保障内容が自分にとって本当に必要なものか、必要だと感じるのであれば何故それが必要なのか。

情報を自ら集め、理解し、必要であれば取り入れる姿勢を契約者(消費者)は持つ必要があります。

(保険会社や代理店などの外交員・FPはそれを理解できるよう伝える消費者教育を行っていくことが求められています)

定期的に見直しの機会を

このような変化は多くの生命保険を契約している人にはなかなかわかりづらい部分も少なくありません。

何故ならその問題によって起こり得る経済的な深刻さを普段、多くの方は想像さえしないからです。

加えて生命保険契約は「目に見えない」ため、理解することが困難な商品と位置付けられています。

そのため保険会社や保険の外交員、ファイナンシャルプランナー(FP) は

少なくとも2~3年に一度、保障内容の確認を推奨しています。

またこの期間を待たなくともライフステージ*の変化を迎えた方に保障内容の過不足がないか、

都度点検をするよう促しています。

加入したら終わり、加入しているから大丈夫ではなく、時代の変化とご自身の状況の変化に合わせて

都度修正をしていきながら必要な保障内容をもつことが大切です。

*ライフステージの変化とは、就職・昇進・結婚・出産・進学・卒業・就職・独立・転職・退職などの節目や

20歳・25歳・30歳・35歳・40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳・75歳などの年齢ごとの節目を示します。

家族構成や夫婦・家族での役割の変化なども節目となります。

何故、この時期や節目を迎える方に保障の見直しや確認が必要かは改めて書きたいと思います。

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