ココが変だよ日本人!タダ働きを強要される日本の証券外務員、米国IFAに学ぶ投資信託手数料体系

日本で資産形成が普及しない理由の多くは金融行政の規制も一因であると考えています。

「◯◯でなければならない」

こういった規制が多すぎて証券会社も、資産運用会社も、証券外務員も身動きが取れず古い商習慣を引きずったまま競争の激しい時代を生きなければなりません。

例えば投資信託を販売した際に金融機関・外務員の得られる手数料について金融庁は実態を鑑みず、販売手数料ゼロを推し進めています。

話し合いの際には証券会社や資産運用会社は猛反対をしましたが、金融庁は聞く耳を持たず「つみたてNISA」における販売手数料ゼロを断行しました。

結果、金融庁の前でこそ各証券会社は「ウチは全社員一丸となってつみたてNISAやりますよ!」と調子の良いことを言っておきながら蓋を開けてみると本当に真剣につみたてNISAに取り組んでいる金融機関は皆無という状態になっています。

つみたてNISA普及に面従腹背のメガバンク、金融庁の怒り

 

何しろ扇の要である証券外務員に投資家の資産を増やすためにタダ働きをしろと強制されたのと変わらないわけですから、どんなに理念が素晴らしくとも顧客につみたてNISAを勧める証券外務員・IFAは詐欺師

 

自殺志願者か偽善者のどちらかでしょう。

どんなに顧客の役に立つとしてもリスクを伴う投資について知的専門職であるプロがボランティアで仕事をするということがありえるでしょうか?

今回はアメリカの投資信託販売の報酬体系から学び、日本の資産形成がちーっとも進まない原因について考察していきたいと思います。

題して…

取り敢えず結論としては日本の金融庁は無能ということでを前提にお話を進めていきます。

投資信託が売れないのはコストが高いからだ!という金融庁のお門違いな理屈

日本の投資信託が売れていないのは販売手数料や信託報酬が高いことも一因であるというのが金融庁の言い分でした。

※販売手数料と購入時手数料は同義の言葉。証券会社から見ると販売手数料、投資家からすれば購入時手数料と呼ぶ。

そのため金融庁主導の「つみたてNISA」では対象商品は販売手数料ゼロ、信託報酬が一定率以下の投資信託だけに限定されていますが、日本の投資信託の手数料は果たして本当に高いのでしょうか?

まずは前提となる投資信託にかかるコストについて確認してみましょう。

日本の投資信託には大きく3つの手数料がかかっています。

 

第一に「販売手数料」。販売窓口に支払う仲介料です。

国内の投資信託で現在主流となっている販売手数料は税込3.24%(税抜3.00%)です。

近年は販売手数料の安い投資信託も増えてきており1%台、2%台のファンドも増えています。

カテゴリーごとに販売手数料は異なる傾向があります。

 

販売手数料は安いものだとゼロのもの(ノーロード)もあります。

※ロードとは費用という意味。

「つみたてNISA」や確定拠出年金などの優遇制度を活用する際に販売手数料は原則としてかかりません。

確定拠出年金は販売手数料がかからない代わりに運用管理手数料が毎月発生していますので実質的には完全な手数料ゼロというわけではありませんが、名目が異なるため販売手数料をゼロと見る投資家も少なくありませんが、実態としてかかっているので私は類似の手数料と考えています。

またインデックス型投資信託では多くのファンドで手数料ゼロが基本です。

一方でアクティブ型投資信託では原則的に販売手数料がかかります。

販売手数料は2018年4月末時点で、DC向けファンド、ラップ、マネープール、財形、ミリオンを除外して一般の方が通常購入できる投資信託4,529本のうち404本がノーロード・ファンドです。投資信託全体の8.92%がノーロード・ファンドとされています。

アクティブ型では206/4,107本(5.02%)、インデックス型では198本/422本(46.92%)となります。

私が投資を始めたばかりの頃はネット証券にノーロードの投資信託がようやくちらほら出始めた頃でした。良い良いと様々な本で言われて購入しましたが結果、思うような運用成果は得られませんでした。

理屈上では確かに販売手数料はコストですからかからないに越したことはありません。しかしノーロードだから良いファンドという訳でもなく、かと言って販売手数料があるから良いファンドなのかといえばそうでもないというのが私の考えです。

後述しますが販売手数料とはそのファンドをきちんと自分に合ったファンドとして紹介してくれた人が受け取る紹介料・仲介料と考えることが出来、証券会社や外務員、IFAの報酬となります。

自分で勝手に選んで勝手に投資をする場合には本来は不要なコストと言えますが、ネット証券にとっては虎の子の手数料収入ですから値下げやゼロ化にはなかなか動こうとしません。

ネット証券での投資信託販売が株式の時のようになかなかシェアを取れていないのはこれを手放したくないからでしょう。

 

第二に「信託報酬」。ファンドマネージャーの報酬や資産運用会社の経費、資産管理会社が受け取る管理手数料と販売した外務員が受け取る運用成果に応じて支払われる手数料です。

販売手数料や信託報酬が高い投資信託だからと言って運用成績が良いファンドとは限らないという指摘を金融庁は行っており、これについては私も一応の同意をしています。

その一方でこの信託報酬とリターンの分布については一面的な見方もできないとも考えており、これだけを持ち出して議論をすることについては疑問を感じています。

また日本では信託報酬と大分類でくくられていますが、本来はもっと細かく分類されるべきコストです。これについても後述をしていきます。

 

第三にCDSC(Contingent Deferred Sales Charge)。

日本では現在、信託財産留保額と呼ばれている解約時手数料に相当する手数料もこれに分類されますが、正確には解約時手数料(携帯電話の2年縛りの長い奴)と考えた方が理解は早いかもしれません。

証券投資の良い点でもありますが、短期で解約をしても解約控除や解約違約金が発生しない点は資産形成においてはデメリットでもあります。

これらを解消した理想的な金融商品が日本人の大嫌いな保険商品というのですから何とも皮肉なものです。

日本の貯蓄性の生命保険は素晴らしいものが多いというのが私の中の結論です。

詳しくは後述していきます。

 

販売手数料は本当に悪なのか?

日本では全体として販売手数料のある投資信託の方が多いと考えられます。

上のように細かな数字を出すまでもなく約6,100本ある投資信託のうち、約半分はアクティブ型投資信託ですから、販売手数料がかかるファンドが大多数という結果は容易に想像ができます。

原則、販売手数料のかからないインデックス型投資信託はまだ400本を超えたばかり。

日本では投資信託を買う際に販売手数料を支払うのが多数派と言えるでしょう。

しかし、そもそも販売手数料とは何に対して支払う手数料なのでしょうか?

 

投資信託の購入に際して、証券会社経由で自分でネット証券へ注文を出す場合でも、対面販売の証券窓口や訪問で外務員やIFA経由で注文をするにしても同じように販売手数料は発生します。

いわば賃貸物件を不動産屋さん経由で借りる際に発生する仲介手数料のような位置付けと私は考えています。

もし「うちは仲介手数料をいただきません」と聞いたら皆さんはどう思いますか?

なんていい不動産屋さんなんだ!と感心するのでしょうか?

なんだか怪しい、どうやってこの不動産屋さんは収益を上げているのかと疑問に思うことでしょう。

販売手数料はコストの一環ではありますが、証券会社・資産運用会社・証券外務員にとっては顧客の開拓から商品説明、パンフレット(目論見書など)の印刷などの様々なコストがかかっています。

これらを補填するのも販売手数料です。また証券販売窓口の売上であり、外務員やIFAにとっての報酬もこの販売手数料から支払われます。

証券販売における必要経費ですから、あまり悪者扱いするのもおかしな話です。

 

投資は自己責任なのですから一から十までネットで全て自己完結できる投資家ばかりなら販売手数料は現実問題として不要と考えています。

事実、ネット証券の中にはネット証券オリジナルの投資信託というのがあり、販売手数料がゼロのファンドというものも存在します。

但し、世の中には人に相談をしながら投資をしたい。証券外務員やIFAに説明をしてもらいながら投資をしたいという人が一定数います。

また証券外務員が説明しなければ今後成長する可能性のあるまだ投資家の気づいていないファンドを提案されることもありますし、外務員の説明によってそのファンドの価値に気付くこともあります。

なんでもネットで完結できると考える人には関係のない話ですが、証券外務員やIFAはそういった相談したい人のために存在しているとも言えます。

特にネットでの口コミやランキングなどは既に値上がりの旬を過ぎており、初心者が投資を始めるには高値で買ってしまうという問題も懸念されます。これらを考えるとネットでの口コミやランキングを参考にするのも良し悪しと言えるのではないでしょうか。

またこうした点を考えて証券外務員やIFAからファンドの説明を受け、証券外務員やIFAが提携をしていないネット証券で投資信託を購入をするというのは乞食のような行為をする人がいます。

人数的にも貴重な証券外務員やIFAの時間を奪う時間泥棒です。万引きと一緒ですから、モラルの向上が求められます。

こういったモラルの低いデビューしたての投資家が多く、証券外務員・IFAは証券業務が軌道に乗るまでに顧客を第一に選別するという実に無駄な過程を乗り越えなければいけません。

 

私は幸いにも保険の乗合代理店やFPとして幾つかの収入源があります。

保険の契約者には顧客サービス(保全)の一環として、証券の提案はしますが、保険契約も何もない方からつみたてNISAの説明を聞きたい人には相談料5,000円をいただいて現在の資産とのバランスを考えたつみたてNISAを提案しています。

相談料を払ってでもきちんと理解したいという人でなければ基本的には投資はやるべきではないと考えていますし、相談料も私自身の1時間当たりの生産性を考えれば一回5,000円は安いくらいだと考えていますが。

 

さて販売手数料についての話に戻ります。販売手数料は資産運用会社が上限を設定し、販売会社(証券会社)がその範囲内で設定をします。

販売会社は原則として販売手数料を上限に設定をするのですが、よく売れる投資信託(他の証券会社でもよく売れている)などは販売手数料を下げることで競争力を維持しようとします。

投資家からすれば販売手数料は投資元金から差し引かれるコストですからコストは安い方が喜ばしいのは当然です。

 

自分で投資信託を選定して自分でどのように買って、売ってという判断が出来る投資家からすれば販売手数料は無駄に思えるかもしれませんが、これをゼロにするという事は投資家自身が供託金を預けて認可を受けて証券会社になるしかありません。

不動産屋さんが仲介手数料を取るのは不動産売買や賃貸契約の取次などの業務を担う免許とその資格を持っているからです。

証券仲介の資格を持っていない投資家は証券会社という既に第三者が作ってくれた仕組みを使って投資を行うのですから販売手数料という手数料が発生するのは世の中の仕組みとして自然な話です。

私自身15年ほどの投資経験がありますが、ノーロードの投資信託だからリターンを早く得られた事はありませんし、販売手数料が3.24%の投資信託でも早ければ数日で、遅くとも数ヶ月でペイできてしまうことが多いので販売手数料を悪しき習慣だと考えたことがありません。

販売手数料が高い、悪だという金融庁の方針は投資のことを何も理解していない素人がただ駄々をこねて自分の投資の仕方やファンドの選び方が間違っていることを認めず他責で資産運用業界を困らせているようにも見えます。

投資は自己責任なのに、その自己責任である投資がうまく行かないのは販売手数料のせいでしょうか。

そんなことになっているのは選んでいる投資信託のパフォーマンスがただ悪いだけという風に感じているのですがいかがでしょうか。

投資家の立場としてノーロードの投資信託が選択肢にあるのは良いとしても、原則的に運用成果が期待できる良いファンドには販売手数料がかかるものというのが私の持論です。

販売手数料ゼロを推進したがるということは投資信託の販売をボランティアでやれといっているようなことと同義ですからこれをブラック労働環境と呼ばずになんと呼べばよいのでしょうか。

「働き方改革」などの綺麗事を言う一方で金融機関の業務に対してどんどん締め付けが厳しくブラック化している逆行状態を改善することの方が遥かに世の中の為になるのではないでしょうか。

アメリカの投資信託に学ぶ手数料制度

アメリカではIFAによる投資信託販売に複数の方式があり、IFAが指定する場合もあれば顧客が選ぶ場合もあります。

上の表のように日本よりも細かな手数料が細分化されていることが分かります。また今回は特別触れませんが、日本が憧れ大好きなアメリカの投資信託は厳密には日本と同じではありません。

投資信託には会社型と契約型があり、アメリカは会社型投資信託(ミーチュアル・ファンド)で投資家は投資会社の株式に投資をします。

一方で日本の投資信託は契約型で投資家は投資をするだけでは資産運用会社の株主にはなれません。

この点も日米の投資信託の在り方を考える際には大きな相違点である事は念頭に置いておく必要がある事を断っておきます。

 

以下は代表的な販売手数料の例です。

この中から更に代表的な手数料体系を抜き出したのが下表です。

主にクラスA,B,Cの3つがあり、販売手数料を5.75%先に支払う代わりに解約時手数料(CDSC)のかからないクラスA。

販売手数料がかからない代わりに解約時手数料のかかるクラスB、クラスBと似ていますが解約時手数料が低いクラスCといったパターンです。

「日本は販売手数料が高い」と金融庁はよく言い手数料を値下げ方向へ持っていこうとしていますが、アメリカにおける投資信託の販売手数料は日本よりむしろ高い傾向にあります。

上の図に現れるようにアメリカでは5%前後の販売手数料が一般的です。

当たり前ですが先に紹介したように販売手数料は証券会社や証券外務員の報酬となります。

投資信託が普及しているアメリカにおいて投資信託を取り次いだ証券会社や証券外務員(IFA)が報酬を受け取るのは当たり前のことです。

また販売手数料を受け取らないクラスを選択した場合も、解約時手数料や信託報酬がそれに応じて支払われる点は証券会社や外務員のビジネスを理解しており、尊重した形態と言えます。

 

販売手数料がないクラスBやクラスCでもIFAが投資信託販売を勧める理由

アメリカでIFAによる投資信託の販売が知的専門職である理由はクラスBまたはクラスCの手数料形態にあります。

クラスAではセールスという色が濃い面がありますが、クラスBやクラスCでは販売手数料が設けられておらず、解約時手数料(CDSC)が外務員に支払われるという仕組みがあるためです。

クラスBやクラスCで購入した場合でも資産運用会社は証券外務員やIFAに販売手数料を立て替えて支払います。

クラスBであれば4%、クラスCであれば1%といった事実上の販売手数料です。

資産運用会社はこの立て替えた手数料を回収するためにCDSCという解約時手数料を設けています。

証券会社が投資家の資産から徴収をし、販売手数料に相当する手数料に補填していきます。

日本における解約時手数料である信託財産留保額は資産から徴収された資金を投資信託の中にプールされる性質のもので、証券会社や資産運用会社に支払われる手数料ではありません。

販売手数料を徴収しないことで投資家の運用原資はそのまま投資へ回り、解約時にその手数料が資産運用会社に支払われる仕組みは日本とアメリカにおいて似て非なる点と言えます。

(これなら投資家によっては投資資金は100%投資へ回せて、IFAは手数料を取りっぱぐれることもない)

 

なお、CDSCはずっと定額ではなく次のように逓減していくことが一般的です。

この図はクラスBの場合ですが、7年運用をすれば解約手数料が取られなくなるわけですから日本よりも長期投資が浸透する理由もうなずけます。※日本の投資信託の平均保有期間は3.2年。米国では7年な理由はCDSCによる長期投資が仕組み化されているためでもある。

尚、CDSCが無くなる8年目に自動的にクラスAへの移行がされるプランも多く、昨今の日本で問題になっている携帯電話の2年縛りや4年縛りの問題の解決策としてもプラン移行という制度は有効な選択肢だと言えるなではないでしょうか。

 

またこの運用期間中、証券会社やIFAは信託報酬の一つである”12b-1”を受け取ります。

これは日本には現在存在しない手数料体系の一つでアメリカではクラスBなどで一般的な手数料です。

12b-1は信託報酬の一種で、顧客の預り資産が増えれば増えるほど証券外務員やIFAが受け取れる額は増える仕組みになっています。

12b-1があるお陰でアメリカのIFAは利益相反(販売手数料で儲ける為に顧客に投資信託を勧める行為)を防ぎ、真剣に資産を増やした成果として収入を得ることができます。

またこれとは別に資産運用会社が経費として徴収する信託報酬があるため、販売手数料が安いと表面上の数字だけを抜き出して日本の資産運用会社に信託報酬の値下げを要求するのは金融庁の怠慢であると言えます。

結果として日本の投資信託の販売現場では販売手数料はゼロ、信託報酬はアメリカよりも更に安い、12b-1もない、CDSCもない…はっきり言って誰も得しない資産運用商品になってしまいつつあります。

 

理想と現実の違いに区別のない金融庁の指導で日本の資産運用業界は衰退する

「行政改革」という言葉は行政・監督省庁に無駄が多いかを自分たちで認めている言葉ですが、省庁の中にいる人が旗を振る行政改革ほど無駄な改革もないでしょう。

自分たちで自分たちの改革をすることほど難しいことはありません。

自分たちに痛みを伴う改革をそこにいる人たちにできるはずがない。ましてや給与も安定の立場にいるサラリーマン的な公務員に自らの立場を脅かすような痛みを伴う改革など出来るでしょうか。

結局は利権や天下りなどの仕組みを残して、姿を変え、形を変えるだけの「仕事しています」アピールで終わってしまいます。

 

日本で販売手数料を減らす方向に動くことは日本の資産運用業界を衰退に導くでしょう。何故ならただでさえ販売手数料の少ない日本で、販売手数料をゼロにすることに加えて、信託報酬を下げろと圧力をかけ、解約時手数料はファンドにお金が入り…投資信託を提案するIFAにはちっともお金が入りません。

これではどんなに良いファンドがあったとしてもIFAがビジネスとしてIFAを継続することは難しく、やがて衰退していくしかありません。

アメリカのようなCDSCやその他、運用成果に応じて得られる成果報酬などの仕組みを並行して導入することがせめてやるべきことではないでしょうか。

 

平成が終わる今になっても黄門様の紋所にひれ伏す国民性

投資信託の優れている点は投資・運用期間に年数の縛りがないことです。これは資産形成において日本で株式や投資信託の倍以上のシェアを持つ保険商品との決定的な違いと言えます。

しかしあまりに商品数が多く、適切な組み合わせが初心者には難しい場合にその多くの運用成績は保険商品の資産運用に及ばないというのが現実です。

またいつでも解約ができるというのはメリットでもありますが、長期投資という点では明らかなデメリットです。

対して日本の保険業界は大変優秀で、そもそも10年超の長期にわたる資産運用を前提としている点は投資の世界において大変優秀といえます。

これは一時払だけでなく、積立投資でも同様の傾向にあります。

日本の投資信託の弱点はこの長期運用を拘束する仕組みがない点です。

たとえばNISAやつみたてNISAなどは5年や20年などの非課税の運用期間を設けており、それ以上の長期での資産形成を構造上推奨してはいません。

これは投資において長期投資を勧めていながら矛盾する運用期間の設定と言えます。

もし国民の資産形成を本当に推奨しようというのであれば非課税制度の在り方としてCDSCのような制度を取り入れるとか12b-1のような運用成果に応じる報酬をきちんと運用したIFAに支払うなどの様々な議論をすることが可能です。

しかしそれがそういう方向で話し合いさえされていないということは金融庁の国民の資産形成についての向き合い方は行き当たりばったりで本気ではないということです。

国のいうことなど何一つ信じる必要がないのに、今でも黄門様の紋所に威光を感じる時代劇と同じ御上のいうことは素晴らしいと感じられる国民性なのですから、これでは自立した資産形成などできるはずがありません。

 

投資において自立した考えを持つことは何よりも大切な心構えです。

心構えのない金融庁や国民が何をやってもきちんとした資産は築けません。

誰かがこういった、ああいった。

インデックス型が良い、アクティブ型が悪い。

一体いつまで振り回されてまともな資産形成ができるようになるまでに何十年かける気なのでしょうか。

投資において日本はそういった意味でも後進国であり、それを助長しているのが金融庁という存在と規制ではないでしょうか。

上から押し付けられたルールなど守るに値しない。

自分たちで考え、自分たちで浄化作用のあるルールを現場から生み出していくことこそ価値があると私は考えています。

金融庁も新体制となり、長官も交代した今、金融庁は黙ってスルガ銀行や仮想通貨の交換所の監視やルール整備にきちんと取り掛かって再発防止に努め、証券業界や資産運用業界は独自に先行する欧米の証券業務を参考に日本の資産運用業界の在り方を真剣に考えなければならないステージに立っていると私は考えています。

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