知らなきゃマズい!健康保険があれば医療保険は必要ないは嘘?本当?

こんにちは。皆さんは健康保険制度についてどの程度ご存知でしょうか?

『世界で最も優れた医療保険制度』、

『世界でも類を見ない国民皆保険(全員加入)』と称される日本の健康保険制度について

今回は改めて振り返ってみたいと思います。

その中で健康保険があれば、民間の医療保険は本当に必要ないのかを考えてみたいと思います。

1 日本の健康保険制度 誕生と3つの健康保険

日本では長らく病気は個人の責任であり、日々の生活の結果として病気が起こるものという考え方が根を深く張っていました。何しろ死因の8割は病気というほど人生と医療は密接です。

日本の健康保険制度は1922年(大正11年)に健康保険法が施行され企業雇用者向けの職域健康保険制度として誕生しました。しかし企業勤めではない農業従事者や自営業者はこの制度に加入することができませんでした。

急速に発展していく資本主義の流れに、第一次産業(農業従事者)から第二次産業(製造業など)の給与所得者が増えていった時期であり、貧富の差が拡大していく中でお金がないために医療を受けられない人が続出したことから、地域による健康保険制度の必要性が叫ばれ、1935年(昭和10年)に現在の越谷順正会(現在の埼玉県越谷市)によって地域健康保険制度が誕生しました。越谷市の市役所敷地内にはこの順正会の功績を讃え「国民健康保険制度発祥の地」の記念碑が建てられています。

この背景から日本では現在でも「健康保険」と言っても次のように働き方によって適用される保険組合と制度が微妙に異なります。

また協会けんぽ、組合健保のそれぞれ会社が所属する健康保険によっては

医療費等がかかった場合の保障内容に上乗せ給付がされる場合があります。※別な機会にご紹介します。

2健康保険証があれば民間の医療保険はいらない?

保険証を受付で提出すれば健康保険適用の医療を3割負担で治療が受けられるという仕組みはどの健康保険に所属していても共通して受けられる仕組みです。

また共通している仕組みとしては『高額療養費制度』があります。

これは健康保険の自己負担に上限を設ける制度で、1973年から存在する優良制度です。

自己負担の上限は次の通りです。

80,100+(医療費―267,000)×1%

この計算式に当てはめると100万円の治療費がかかったとしても

80,100+(1,000,000-267,000)×1%

=80,100+7,330

=87,430

最終的な自己負担は87,430円で100万円の治療が受けられるということになります。

※精算時には3割負担をする必要がありますが、高額療養費制度の申請をすることで

3か月ほどで差額が還付される仕組みとなっています。

また『限度額適用認定証』を予め加入している健康保険窓口へ申請しておくと

この高額療養費の自己負担額のみで申請が可能です。

よくよく振り返ってみれば大きな病院には必ずと言って良いほど銀行のATMがあります。

また最近ではクレジットカードでの精算も多くの病院で可能となっています。

それは病院は意外とお金にシビアで、とりっぱぐれないようにこれらを整備しているとも言えます。

3健康保険が使えない場合がある

高額療養費制度という仕組みがあるならしばらくの立て替えがあるとはいえ十分だと考えるのは早計です。

次のようなケースでは健康保険を適用することができません。

  1. 食事代・テレビ代・パジャマ代・シーツ代など
  2. 差額ベッド代
  3. 先進医療
  4. 自由診療

1.食事代・テレビ代・パジャマ代・シーツ代など

まず治療にかかわらない入院中の食事やベッド・病室に備え付けのテレビ、着替であるパジャマや枕カバー・シーツ代(200~300円)などはそもそも健康保険適用ではありません。

病院食は材料費など最低限の費用しか取ることができないルールになっているため、長らく1食260円でした。

しかし残念ながら近年の物価高騰の流れを受けて2016年4月より値上げをしました(*_*;

360円!!

安っ!!

なんだ、それくらいか・・・と思ったアナタ!

この値上げは一度だけではありません。

なんと2018年には460円に!( ;∀;)えっ!?

2021年には660円にまで値上げが予定されています(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガク

今までが安すぎたとはいえ、負担が増えることが決定済み。

入院中で収入が途絶えている中でも食事をしなければいけないということは入院にセットでかかる費用となります。

食費は健康であってもかかるものですが、1食660円ともなると病院食も少しは美味しい料理も出るのでしょうか(期待してはいけないのですが)

2.差額ベッド代

多くの方が誤解している、または正しく認識していないのが『差額ベッド代』です。

これは入院料とは厳密には異なり、次の要件を満たす場合には健康保険適用となります。

  1. 治療上の都合
  2. 病院側の都合
  3. 書面での同意がない

i.治療上の都合

治療の必要があり個室や特別療養室(少人数部屋や集中治療室など)へ入院をする場合には健康保険が適用されます。

え!?( ;゚Д゚)そうなの!?

ⅱ.病院側の都合

「相部屋に空きがない」「個室しか空いていない」など患者の意思ではなく、病院側の都合により個室や少人数部屋しか空いていない場合は健康保険が適用され入院代も保険適用となります。

やったー!(*’▽’)じゃあ殆どの場合、健康保険適用ですね?

ⅲ.書面での同意がない

この上記2つすべてを覆すのが『同意書』という魔法の紙です。

看護師などから状況を説明を受け、同意書に署名をすると同意したものとして差額ベッド代は患者の全額自己負担となります。

ガクガク(((((((( ;゚Д゚)))))))なんじゃーそりゃー!?

これは後で説明をする自由診療とも連動する考え方のため、詳細は割愛します。

差額ベッド代は地域差がかなりあり、全国平均では一般的な4人病室だと2,485円~

少人数になるほど差額ベッド代は高くなります。

全国平均は5,829

民間の医療保険の日額5,000円の根拠となっている金額です。

しかしこれが大都市圏だと状況が変わってきます。

東京都内(主に23区内)の差額ベッド代の相場は15,000円です。

えー!!?ちょっとしたホテル並みじゃない!(*_*;

限られた土地で建物も人もひしめき合っている都会では病院に入院するのにも

お金が余計にかかります。

ⅲ.先進医療

民間の保険会社がさんざんCMをやっていたのでもうお馴染みの方も多いのでは?

ジュース一本分、120円前後の少ない保険料で1,000~2,000万円と大きな保険金額まで通算で保障してくれる!

特に注目を集めているのが放射線治療を応用した陽子線治療や重粒子線治療。

従来の放射線治療ではガンなどの悪化している部分の細胞をやっつけるために照射しても

正常な周囲の細胞まで放射線を浴びてしまいダメージを受けてしまうという欠点がありました。

このため正常な細胞が傷ついたりすることでガン化するなどのリスクもありました。

ところが世界で最先端の科学技術と日本の最先端の医療技術を組み合わせたのが群馬大学病院によって生み出されました。それが重粒子線治療(アメリカが先行している陽子線治療よりも鋭く治療期間も短いとされている)

(*´▽`*)すごーい!さすが日本の技術!

治療費は1サイクル320万円前後

( ゚Д゚)・・・高くない?

そもそも日本では健康保険適用の治療と、自由診療を組み合わせることが法律上できない制約があります。しかし先進医療だけは厚労省が認可した病院などでの所定の治療に関しては混合診療が可能となっています。先進医療が例外扱いということをお忘れなく。

一方、選択肢があるのに払えないという経済的な悩みを解消するために民間の医療保険ではその高額になりかねない治療費負担を加入者同士で補い合っているという仕組みになります。

しかし某保険会社の調査によると2010年以降に民間の医療保険に加入した方の殆どがこの特約を付加しているのに対し、それ以降見直しをされていない方の半分近くの加入者が先進医療特約に未加入とのこと。

(;・∀・)保険を見直すのって面倒でよくわからないし、

すぐに必要になるものかどうかわからないからつい後回しにしてしまいますもんね・・・

その気持ちもわかるのですが、医療制度や社会の環境の変化によっても医療保険ほど頻繁に改訂や見直しが求められる領域は他にありません。

特に2010年以降は入院日額から一時金、給付範囲や自己負担など各社様々な新商品を発売していて自分に合った保険を選ぶのが自力では困難なほど。

契約の内容の確認だけでもどんなに少なくとも2~3年に1度は行う必要があります。

また1社だけではなく、複数の保険会社で同様の商品や自分が求めている保障内容の商品がないかの比較も大切です。

信頼できるFPによる分析やアドバイスが必要な方は是非、お問い合わせください。

4.自由診療

健康保険が適用になるからと油断をしてはいけないのがこの『自由診療』です。

何が怖いって日本の健康保険制度上、これが最大の問題点です。

繰り返しになりますが健康保険と自由診療を組み合わせて行うこと(混合診療)ができないという制約が日本の健康保険制度にはあります。

その数少ない例外が前述の『先進医療』です。

治療の前後の診察等には健康保険が適用でき、治療そのものは自由診療。

そのため自由診療部分は全額自己負担となります。

自由診療とは古くは歯医者さんの治療で多く使われていた病院が自由に治療代を決められるものです。

(現在、歯科治療の多くも健康保険が適用になっていますが)

このため交通事故などで運ばれての治療などは自由診療扱いとなっています。

( ゚Д゚)え!?事故は自由診療扱いなの!?

詳しくは某有名な医療コミック(全巻無料。新は有料)をご覧ください。

日本の医療制度などの問題点が実によく指摘されています。

来週末は今回割愛した『自由診療』について掘り下げたお話をお伝えします(*’▽’)

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