給付金が出ないことも!医療保険の見直しで気を付ける落とし穴「日型」「○日ルール」

最近の医療保険は「60日型」が主流と言われています。

私がFPの仕事を始めた2010年頃は120日型または180日型が主流でした。

今では保険会社によっては「30日型」なんてタイプを発売している会社もあります。

 

一般的には医療の進歩によって入院日数は年々短くなっていて長い入院はしづらいとされています。

 

 

それに合わせて医療保険の基本的な考え方の一つである「日型」もどんどん短くなっています。

また一方では365日型や720日型、1000日型などの保険商品を出している会社もあります。

一部の医療が短期化される傾向にある中で、一部の医療は長期化が進んでいるためです。

 

「日型」は見直しの重要なポイントでもあり、給付金が受け取れない落とし穴でもあります。

皆さんはきちんと理解しているでしょうか。

 

日型ってそもそも何?

 

誰もが健康でいたいと願いつつも、いつケガや病気などで病院のお世話になるとも限りません。

いざという入院の際の医療費や入院費用を補填するための経済的な備えとして

「医療保険」に加入している方も大勢いらっしゃいます。

しかし医療保険を検討する際に誰もが迷うのが

「果たしてどれくらいの給付金がもらえたらきちんと治療ができるのか?」です。

これに明確な答えはありません。

 

何故なら罹る病気の種類、程度によって治療方法も入院期間もまちまちで、

それを予め予測することは事実上不可能だからです。

 

このいくらかかるか分からない不安を保険会社は提供する保障で解消し、

対価として契約者から支払ってもらう保険料を確率(統計)的に、

かつ保険会社が損をすることがないように幾つかの型を設けています。

その一つが「日型」と呼ばれる考え方、そして「〇日ルール」という支払いに対する制限です。

 

上の図は近年主流となっている「60日型」の例です。

一回の入院で支払う限度期間を60日以内と設定しています。

”一回の入院”というと一般の方の感覚では入院~退院の1サイクルをイメージすると思いますが、

民間の医療保険の場合は同じ病気が原因で入院~再発を含めた再入院からの退院も1入院と定義しています。

日型を箱(容れ物)、1日の入院を一つのボールと仮定すると

同じ原因の病気に対してこの箱がいっぱいになるまでは給付金を支払う、

これが「日型」の基本的な考え方です。

 

 

ここまでは多くの方が理解されている範囲かと思いますが、

この「日型」と組み合わせて保険会社が決して給付金を支払いすぎて

採算が合わなくならないために加入できる人を一定の健康状態の方に限定するほかにもいくつかの条件を設けています。

 

その1「1095日ルール」

入院日額の給付上限は通算1095日以内と定められています。

これは医療保険ほぼ全社共通の考え方です。

保険会社や保険商品によっては1000日ルールに簡略化している保険会社もありますが、

1095日とは365日×3年の意味です。

通算とはいえ、こんなに何度も入院するとかなり健康状態としてはマズい状態ですね。

 

その2「90日ルール」

 

これは多くの方が契約時の重要事項説明などでも説明を受けることになっているお話なので、

ご理解されていることが多いかと思うのですが念のため少し説明すると、

がんについての保障や、保険料払込免除については90日間の不担保期間があるというものです。

この90日以内には検査日も含まれ、例えばこの90日以内に受けた検査でガンが見つかった場合、

そのガンと医師から告げられた日が90日を超えていても、検査日時点でガンがあったとなるために

保険金や給付金、保険料免除の対象とはならないという制限です。

 

 

その3「5日ルール」「20日ルール」

(10年以上前から医療保険を見直していない場合)

 

2010年以降に医療保険に加入した方は

ほぼこのような医療保険に加入していることは稀だと思うのですが、

それ以前に加入した医療保険を継続している場合にはこのタイプで契約しているかもしれません。

とくに1990年代~2000年代などに契約をした医療保険には多い傾向にあります。

 

20日以上入院しないと入院給付金が支払われないという医療保険です。

今考えるととんでもないように感じられますが、当時は割と普通でした。

何故なら入院というのは30日くらいするのが珍しくない時代がかつて日本にはあったからです。

こういった意味でも医療保険は適時、医療制度に合わせて見直しをしていくことが求められています。

(診療報酬は2年毎に改訂されています)

 

 

また上記「20日ルール」と同様に入院してから最初の4日目までは

入院給付金が支払われないという医療保険もありました。

2010年頃にはほぼなくなったようですが、今でもこれを根強く販売している会社があります。

(この医療保険は今でもこのタイプ)

 

保険会社の言い分としてはこうです。

「短い入院で済むんだったら重病ではなかったんだから良かったね」

「その分、保険料は割安です」

 

うーん、確かにそうなんですが実際に入院した時に数日で退院というのは

現在珍しくないので保障として考えるとやはり懸念というか折角加入していたのに…となりませんか?

(この保険は法人契約向けで損金計上しつつ…という特殊な使い方をする目的で使うことがある)

 

 

その4「180日ルール」

 

入院から退院までではなく、同じ原因の病気による入院を通算するというのが

「日型」という考え方のため、長引く入院だけでなく再入院などを繰り返すと

日型を満タンまで使ってしまうことが考えられます。

 

何度も入院をしてしまい、60日型の箱に入院日数がいっぱいになってしまった図。

そこで退院から180日が経過するとリセットをするという救済措置があります。

これが通称”180日ルール”と呼ばれるものです。

ざっくり言ってしまうと退院から180日経過すると、

この日型の箱に入った入院日数をリセットしてくれるルールです。

 

言い換えればこの退院から180日が経過する前に何度も同じ原因で入院をすると

60日型の場合、日型の上限を超えてしうと入院日額は支払われなくなります。

長引く入院の原因となる病気だけでなく、再発や転移などが心配な病気に関しては特に注意が必要です。

 

 

三大疾病入院日数無制限特約の重要性

 

日本人が最も命を落とす病気三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中※)

※正確には肺炎が第三位。脳卒中は第四位に後退しています。

 

ガンは日本人の2人に1人が罹患し、3人に1人は命を落とす病気です。

また再発や転移などをする場合もあり、入院日数に制限があると給付を受けられないことが考えられます。

 

急性心筋梗塞や脳卒中も同様で、一度やった方は二度三度とやってしまう

危険性の高い病気と言われています。

血管が心臓で詰まれば心筋梗塞、脳で詰まれば脳梗塞(脳卒中の一種)です。

有名な俳優さんでは星野源さんは若い年齢のように思えますが、

2012年12月、2013年6月と二回くも膜下出血(脳卒中の一種)をしています。

今から4年、5年前くらいですから20代で二度もというのは病気の怖さを物語っています。

 

幸いにも回復され現在では元気な姿を見ることができますが、

このようにタイミングがもし前回の退院から近かった場合には

給付金が受け取れないことが考えられます。

上図は三大疾病に限った一回の入院日数の平均値です。

短期化をしている、10日以内が半数以上となった現在でも三大疾病の入院日数は

比較的長い傾向にあります。

また既にあげたように再発・転移による再入院・再手術の可能性があります。

 

三大疾病時の入院日数無制限特約は可能であれば付加することをお勧めします。

また保険会社によっては三大疾病から5疾病、6疾病、7疾病へと日数拡大や延長をしている会社もあります。

全ての病気、すべての保障に手厚くというのは保険料も膨大になってしまいますが、

特に気になる病気や家系でなりやすい傾向のある病気などがある場合には

重点的に保障を手厚くしておくのが大切だと私は考えています。

 

このブログが保険の見直しについて、皆様のご参考になれば幸いです。

関連記事

  1. 教育資金に外貨建保険はあり?なし?

  2. 保険を解約・見直したい時に知っておきたい担当者へのホウレンソウ。担当者にとっても足枷の36ヶ月ルール

  3. ソニー生命のLB(リビング・ベネフィット)と生活保障特則14付家族収入保険

  4. 変額保険にあんしん生命が新規参入~マーケットリンクってどんな商品?

  5. 患者申出療養とは何か?

  6. 変額年金、久々の参入会社に初のアジア系生保FWD富士生命か?

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA