値上げ目前!医療保障の優先順位は高いのか?低いのか?

先日、医療保険の考え方について当ブログで書いて欲しいと問い合わせがあり、少し時間が空きましたが今回は医療保障について触れていきたいと考えています。

2018年、標準生命表が11年ぶりに改訂されたことで生命保険の基礎である確率が大幅に見直されます。

定期保障などの掛け捨ての保険が割安になる一方で、医療・がん・介護は大幅に値上げとなります。

年齢や保険会社にもよりますが20代で20%前半、30代で20%後半、40代で30%前半、50代で30%後半、60代で40%前半、70代で50%超の値上げになるものもあります。(最大の値上げはがん保障になりそう)

医療保障の必要性や考え方は様々ですが、私は以下のように考えています。

健康保険があるから医療保障は不要論は目先だけしか見ていない

日本という国は国民皆保険と呼ばれ、国民全員が何らかの健康保険に加入している世界的にも珍しい国です。

健康保険料の負担こそあれ自己負担は3割で済み、75歳以上の高齢者は1割負担で済むというのは大変貴重でありがたい国に私たちは暮らしています。

またサラリーマンの場合には有給休暇と健康保険組合から最大一年半の傷病手当もあり、基本給の2/3は事実上保証されている事になります。

つまりサラリーマンは治療にかかるお金と収入減の1/3をどう考えるかによって医療保障の備え方を検討することになります。

働く世代の概ね70%の方は会社員ですし、健康診断を定期的に行う健康管理にも力を入れています。35歳以上は人間ドック、40歳以上は胃カメラなどのがん検診が2年に一度実施されていますし、発見が遅れることで莫大な治療費がかかるケースは基本的には稀です。

健康なうちはあまり意識する機会が少ないですが、健康保険などの社会保障は社会全体で構築しているセーフティネットと言えます。

また自営業であれ、給与所得者であれ日本の健康保険には高額療養費制度があり、一般所得の方であれば1月あたり1レセプトあたりの自己負担は凡そ9万円以内です。4ヶ月続いた場合には44,000円となり健康保険の中で治療を受ける場合において、治療費で実際に困る事は少ないのが実態です。

このため「健康保険制度が優秀だから医療保険は不要」という考え方はサラリーマンの場合は確かに一応の説得力があります。

自営業者の場合には有給や傷病手当がありませんので治療費などに加えて休業時の収入減少に備える保障をサラリーマン以上にきちんと考えることが大切となります。

 

優先順位は人によっても男女でも異なる

事実、私は相談に来られた若い独身男性には資産形成>就業不能保険>医療保険>死亡保障という順番で検討いただくことが多いです。

しかし優先順位が変わる方もいます。ここでは私の考える一般論を挙げさせていただきますので、個別の事情やその方に合わせて優先順位は変わる事を断っておきます。

例えば女性は男性より長生きだし、健康な方も多い印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、若い女性ほど医療保険に早く加入する事が大切な人たちはいないと私は考えています。

会社の婦人科検診で要経過観察や要再検査などの指摘をされたり、生理が辛くて自ら婦人科を受診したところ子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸管ポリープ、乳がん検診などさまざまな病気と指摘される方が近年後を絶ちません。

早期発見のための受診ですから、何かが見つかってから慌てることがないように日頃からの備えを考えることをお勧めしています。

私のFPとしての印象は男性の20代で20%、30代で30%くらいの方が既に何らか持病や既往症(医師から終診を告げられていないが治療や通院を辞めた)を抱えていると感じています。

女性は男性より1.5倍ほど多いのではないでしょうか。

健康な人しか自由に保険を選ぶ事は出来ませんから、医師の診察一つで加入が断られたら、病名が確定していないと保険加入は殆どの保険会社で見送られます。

妊娠や出産などで妊娠中毒症と診断されると糖尿病患者扱いで加入は困難になりますし、帝王切開で出産をされると子宮に関しての保障が多くの保険会社で数年間の不担保となります。

また若い女性は同世代の男性と比してがんの罹患率が高く、進行も早いため働き始めたら医療保険をまずは備える事が私は必要だと考えています。

一歳でも若いということは保険料が割安である事の恩恵が受けられますし、医療保険は入院や手術などシンプルなプランであれば65歳払込終了などでも3,000円前後と経済的負担も少なく備えることができます。

男性と異なり、若い女性の場合は医療保険>資産形成>就業不能保険の順で検討して欲しいと考えています。

また結婚をしている場合でもこの検討すべき優先順位は基本的に変わりません。

標準生命表が今年改訂され、65歳未満で亡くなる人の数は11年前より大幅に減少しています。

早死にリスクは全く起こらない問題ではありませんから備えることの大切さはかわりませんが、それ以上に長生きに対する意識、資産形成にもっと若い方は考える必要があるのではないでしょうか。

また男性の場合、歳を取るほどに病気になりやすくガンなどの重篤な病気は加齢と共に増えていきます。

女性が若いうちに病気になりやすいのとは対称的な傾向にあります。

このため利用頻度の高い順でかつ、加入資格を失いやすいものから備えることを考えるとこのようになるのではないかと考えています。

男性

資産形成>就業不能>医療保障>死亡保障

女性

医療保障>資産形成>就業不能>死亡保障

 

死亡保障が最も最後なのを見ると保険会社の方などの中には怒り出す人種がいますが無視です。相手にしてはいけません。彼らは死亡保障ほど実入りの良い商品はないのですから。死亡保障は余程の事情がない限り一番最後です。

亡くなる確率はゼロではありませんが65歳までに男性であれば100名中11人、女性であれば100名中6人です。

決して少ない数というわけではありませんが、この数字は0歳など幼く生まれて間もなく病気や事故などで亡くなった人を含んでいます。

今、元気な働いている方が実際に亡くなる確率は実態として更に低いのです。

そして前述の余程のこととは結婚や出産などで守りたい人が出来た時です。自分が万が一先に亡くなったとしても「妻は自分でなんとかするだろう」と考えるのであれば死亡保障は必要ないでしょう。先立ってしまう不幸の後で、せめて妻や子には今までと変わらない暮らし(収入)を守りたいという想いがなければ死亡保障は優先順位の低いのが普通です。

 

私が言いたいのは死亡保障が必要ないという事ではありません。死亡保障は必要です。

しかしその前に資産形成や就業不能保険を検討してみてください。早くに亡くなる確率よりも長生きの確率が高いのに、長生きに対する備えをせずに早死にの備えをすることの矛盾はいびつではないでしょうか。

場合によっては独身であっても合理的な選び方をしていくといつの間にか死亡保障も沢山付いてきてしまう状況になる事も決して珍しくありません。

生命保険は大変優れた金融商品です。預貯金や証券にはない独自の進歩を遂げ、資産形成手段としても、保障としても優れています。勿論、預貯金や証券にはそれぞれ保険よりも優れた点があります。大切なのは優先順位を見誤らないことです。

 

長生きを見据えた医療保障の備え

さて資産形成の方が優先順位も高く大切というお話をしましたが、医療保障への備えはそれでは全く必要ないのかと言えば私の答えはノーです。

医療保障への備えの考え方にについては次回改めて書きたいと思います。

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