個人型確定拠出年金の利回りを計算する

個人型確定拠出年金を検討されている方は自分が検討している、

または申し込んだ金融機関で選べる投資信託を選ぶ際にどのようにして選んでいるでしょうか。

アセットアロケーションを作り、そのバランスを見ながら運用商品を選ぶ方法を私はお勧めしていますが、

商品を選ぶ際に重視しているのは次の3点です。

①運用期間5年以上の投資信託であること(できれば10年以上)

②信託報酬がパッシブ型0.5%未満、アクティブ型1.5%未満であること

③運用利回りが年複利3. 5%以上

①運用期間5年以上の投資信託であること

日本で売られている個人が購入できる投資信託は2011年時点で2,621本と言われています。

長期の資産形成を目的として設計されている投資信託と毎月積立型の拠出方法は相性が最適です。

しかし日本の平均保有年数はわずか2.3年、調査のたびに短くなっている状況が起きています。

確定拠出年金で購入ができる投資信託は比較的運用を長くしてくれる場合が多いのですが、

ここ最近は個人型確定拠出年金の開始に合わせて新しい商品が次々に誕生しています。

一方、始まってからまだ間もない投資信託は運用結果がベンチマークとする指標と比べてどうなのかを

判断することができません。

長く運用をしている投資信託は指標であるベンチマークの浮き沈みに対してどのような値動きをしてきたかを見ることができます。

日経平均が大きく落ち込んだ時期に下げ止まったのか、上がったのか、日経平均よりは落ち込まなかったのか。

これらの情報はその商品のリスクを判断するうえで欠かせない情報です。

しかし新しく設定された投資信託はそれを判断することができません。

5年という時間を一つの目安にしているのは上がり続ける相場はあり得ないと考えているためです。

5年の間には大小の浮き沈みがあり、その時にどれくらい耐えられたのか。

つまり今後も同じくらいの株価などの下落時にどれくらいまでの損失になりそうなのかを知ることができます。

長ければ長いほどその参考になる情報は大きく、2000年代(2000~2009年)でいえば2000年にITバブル崩壊、2007年にサブプライムローンショック、2008年にリーマンショックがありました。

最近であれば中国バブルの崩壊、イギリスのEU離脱、アメリカ大統領選挙(トランプ氏の逆転劇)などがありました。

国内のニュースでもオリンパスの粉飾決算、東日本大震災、鴻海によるシャープ買収、

パナソニック・ソニーなど日本の電機メーカーの凋落、東芝の解体・・・

これらは大きな判断材料となり、失敗しないための貴重な情報となります。

②信託報酬がパッシブ型0.5%未満、アクティブ型1.5%未満であること

信託報酬については様々なところで説明をされているので、改めて今回は詳細を割愛します。

0.5%/1.5%という数字も人によって異なるでしょう。

しかし投資信託は初心者が長期で資産形成・運用をする目的の商品ですから、

ただ安ければ良いというものでもないと考えています。

手数料が激安、但し運用結果はマイナスではお話にならないからです。

運用利回りを出すためには適度な売り買いが必要です。

毎月の拠出でこれまでに買った投資信託を時には売却をして、

別な投資信託へ移し替える、または利益を確定させることも大切です。

これを積極的に自動でやってくれるのが本来のアクティブ型ですが、

運用手数料以上のパフォーマンスを長い期間にわたって出せているアクティブ型は国内で5商品もないのが実情です。

③運用利回りが年複利3.5%以上

3.5%は手数料や特別法人税など諸々を加味すると確定拠出年金で最低限上げなければ

採算が取れないパフォーマンスだと考えています。

ではそのパフォーマンスを測る利回り、年換算複利の計算を確定拠出年金や投資信託を

はじめようという皆さんはご理解されていますでしょうか?

投資信託の商品ページを見に行くと様々な数字が並んでいます。

下の図はある楽天証券の投資信託の商品のページから抜粋したものです。

次に別なネット証券会社(仮にB証券とします)のある投資信託の商品ページです。

なんだか数字がたくさん並んでいますが、どこを見たらよいのでしょう?

数字を比較する際には同じ数字で比べなければ正しい比較ができません。

同じ数字を比較するために楽天証券の場合だと

リターン(年率)というところの5年の数字を見ると「18.15」と書かれています。

B証券の商品の場合だと基準価額騰落率の設定来の数字を見ます。「9.62」と書かれています。

ここの表記の仕方で金融機関の顧客に対する姿勢が垣間見れます。

楽天証券はまず商品画面の中に設定来という指標がありません。

設定来はこの投資信託が始まってから現在までの運用期間でのパフォーマンスを測るうえで極めて重要な情報です。

3年、5年などの数字は今から3年、5年前からの数字でしかないので

その投資信託の資産運用が全期間でどうなのかを判断できません。

決して表示することが難しいものではなく、常識的な証券会社であればほぼ必ず表示しています。

隠すというのは開始当初の数字が良くなかったのでしょうか?

それを隠して自己責任の投資・運用である確定拠出年金の加入者を募るのは

証券会社の姿勢として疑問を感じざるを得ません。

また派手な数字にも疑問を感じます。

6か月「41.57」は年換算の利回り(複利)ではありません。

これらは騰落率と呼ばれる証券会社独自の表記方法です。

※騰落率はその投資信託の基準価格がその期間にどれくらい変化したかを表す指標です。

そもそも年換算利回りは年換算なので1年未満では表記のしようがありません。

(0.5年で計算もできますがそれは既に年ではないので正確な比較には使えません)

このことを知らずに「41.57」だから年複利41.57%だと認識しているとしたら投資はしない方が良いでしょう。

商品としての比較をする場合にはこの2社だと楽天証券の方の5年18.15%の部分の数字と、

B証券9.62%(設定来)でそれぞれを年換算複利の利回りを計算します。

どのように計算するのかは次回、改めてご説明しますが、

設定来で比較する場合に用意するのは商品ページに記載の設定日です。

このB証券の商品の場合は『2007.03.15』でした。今月でちょうど10年ということになります。

あれ?この商品もおかしいですね?

10年の騰落率が出ていないのは計算に時間がかかるので2~3か月後だとしても5年の騰落率は何故表示していないのでしょう?

間で何か表示できない事情でもあったのでしょうか?

それについての説明さえありません。

このように証券・投資の世界では不透明でわかりづらいことがたくさんあります。

分かりやすく一律の表記にしようとすると商品の粗に気づかれてしまう。

出来るだけ自分のところの商品は優れていると見せたい、そんな証券会社の姿勢が透けてきそうです。

私はこの二社は確定拠出年金で最も手数料が安い!と宣伝している会社だと認識しています。

運用管理手数料が安いこと、信託報酬が安いことはとても大切です。

ですがこのような加入者にとってミスリードを誘うような表記方法をしている会社は

長くお金を預けるべき場所ではないと考えています。

それであればもっと利回りや運用結果、流動性の高い金融商品は世の中にあるのですから、そちらで良いと考えます。

あなたにとって確定拠出年金を手数料の安いところでしているメリットは何ですか?

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