確定拠出年金を始めるなら初心者はどこがいいか?

CMも始まった個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)。

これまで投資をしたことがないという方からのご相談の際に

「どこの金融機関が良いか?」をよく質問されます。

インターネット証券の名前もよく挙がりますが、

私は『素人にはお勧めできない』とお伝えしています。

それは何故かをお伝えしておきます。

投資初心者が陥りがちな5つの落とし穴

iDeCoを取り上げるたくさんのコラムが金融機関選びの大前提に

「運用管理手数料」の安さを基準に選ぶことを推奨している傾向があります。

iDeCoにかかる手数料は大きく6種類あります。

1.初心者が見落としがちな手数料

  1. 加入時手数料
  2. 運用管理手数料(積立時)
  3. 運用管理手数料(停止時)
  4. 信託報酬手数料
  5. 移転時手数料
  6. 受取時手数料(払込毎)

手数料が安いほど同じ拠出額でもより多くの資金を運用に回すことができます。

そのため手数料は安い方が良いと多くのコラムで口をそろえて言っていますが、

手数料の体系について正しく理解しているでしょうか?

手数料の安さをアピールしている会社は主に運用管理手数料の安さをアピールしています。

確定拠出年金は証券の仕組みを利用した公的年金制度です。

運営金融機関は一定のルールに基づいて国の年金管理機関と連携をしながらサービスを提供するため、

どうしても最低限のコストが発生してしまいます。

ボランティアではありませんので、運営機関はその安くした手数料分を別な場所で回収する必要があります。

そこで信託報酬などその他の手数料で帳尻が合うようにしているということを見落とさずに確認してください。

信託報酬は運用している金額の総額にかかるので長く運用するほど運用額がかかってきます。

1万円の拠出額に信託報酬0.1%でしたらわずか10円ですが、

1000万円の運用額には毎年1万円がかかります。

1%ですとその10倍ですから毎年10万円何も運用益を挙げられたとしてもそうでなかったとしても支払われることになります。

一方、安い安いと言われている手数料は毎月の拠出時にかかる手数料です。

運用管理手数料が安いに越したことはありませんが、このどちらも本当に安いかを確認する必要があります。

2.商品ラインナップが豊富は初心者には殆どの場合関係ない

意外に思われますがラインナップの豊富さはあまりiDeCoの運用に関係ありません。

関係があるとすればそれは投資経験をある程度積んでいる方が

より積極的にリスクを負ってリターンを得ようとする場合です。

元本確保型、日本株式・日本債券、外国株式・外国債券、REIT

基本はこの6つがあれば初心者には十分です。

そしてこのうち元本確保型・REITを除く4つの中でそれぞれに

パッシブ型・アクティブ型があれば問題ありません。

(これがない金融機関は確定拠出年金に存在しないのです)

そして数が多いということは商品を選ばなくてはいけないという難しさが加わります。

選択肢が多いことが通常はメリットとしてとらえられることが多いのですが、

投資初心者にとっては運用方針と合わない商品を選びかねないという点でも

ファンドの特性を理解するうえでもラインナップが多いというのは手間が増えていると考えることもできます。

3.有名なファンド会社が運営するバランスファンドがあるは関係ない

某ネット証券2社はそれぞれ投資信託の業界では非常に名の通った

運用会社のバランスファンドをラインナップに追加しています。

セミナーなどでもそのパフォーマンスの良さをアピールしていますが、

各社のホームページを見るとその数字は残念としか言いようのない結果です。

(利回りを表示していない時点で運用パフォーマンスが良くないことを暗に示している上に、

計算できる人にとっては露骨にその数字を良く見せようとしている作りになっていることが分かる内容になっています)

投資信託は基本的に中長期の資産運用の商品です。

5年未満の投資信託(ファンド)はまだ海のものとも山のものともいえません。

運用開始時期を確認し、5年未満はどんなにパフォーマンスが良くても

今選ぶのはリスクが高いと考えて問題ありません。

4.加入者向け金融教育をしていなければ選ぶ価値はない

繰り返しになりますが確定拠出年金は運用結果が自己責任の投資による公的保険です。

確定拠出年金が開始されたときに金融教育をきちんと行いましょうというのが大前提でした。

しかし企業型確定拠出年金の導入時教育を受けている人でさえ、

運用結果は0~1%未満に40%の人がとどまっています。

(この人たちは元本確保型に入れている人たちが殆どだといわれています)

個人型だけを抽出した数字が数年後には出てくるでしょうけれど、

元本確保型にだけ入れていれば所得税が控除され得だと思っている方がいるとしたら

それは勘違いをしている可能性があります。

確かに所得税は控除されますが、必要な時にお金を自由に引き出せる流動性を失わせることになります。

この結果、老後までの間にやりたいと思っていたライフプランが実現できなくなるとしたらそれは本末転倒です。

ライフプランニングを立て、自分がどの年齢までどれくらいのキャッシュフロー(自由に使えるお金)があるのか。

分析をするのには専門の知識と経験が求められます。

某証券会社や確定拠出年金を宣伝するWebで年齢と年収・家族構成だけを入れるだけでライフプランニング表は作成できません。

入力後に修正や調整など細かな作業が必要だからこそ、有料サービスでも多くの人は専門家にライフプランニングを依頼しているのです。

5.分からない時に専門家に相談できるか

初心者が陥りがちな選び方の点に

コールセンターなどによるアフターサービスに対する軽視があります。

A損保 B証券 C証券
平日 9:00~21:00 10:00~19:00 08:00~18:00
土曜 9:00~17:00 9:00~17:00
日曜 9:00~17:00

特定の金融機関の良し悪しをお伝えすることが目的ではありませんので

名前はあえて出していませんが、ネット証券大手2(B証券・C証券)と

普段は名前さえもしかしたら聴くことが少ないかもしれないC損害保険会社の

確定拠出年金のサポートセンターの営業時間です。

B証券、C証券は手数料の安さを売りにしていますがサポート体制はまだまだ不十分です。

お仕事が土日休みという方は相談したいことがあった時にどうするつもりなのでしょうか?

投資の経験がまだそれほどでもないという方はB証券、C証券は選ぶに値しないサポートしか用意していません。

つまりB証券、C証券はそういうサポートを必要としない人を顧客として想定しているということになります。

なお、A損保は手数料の安さではなく加入者の使いやすさを重視しています。

そのためコールセンターのオペレーターの殆どがDCプランナー(確定拠出年金の専門資格)や

証券外務員2種保有者です。投資に対する基本的な知識、DC(確定拠出年金)についての理解をしている

コールセンターを維持するためにはコストがかかります。

多くの消費者は何かを選ぶ際に価格を基準に選ぶことがあります。

これも大切な要素ですが、価格は価値とイコールではありません。

値段が安いということはどこかでそのコスト削減をしなければなりません。

もしあなたが投資初心者だとしたら、アフターフォローや相談できる窓口のある金融機関を選ぶということも

選択肢として持っていただきたいと思います。

※一部のコールセンターはバイリンガル対応の金融機関も存在します。

日本で働き暮らす外国人の方で、厚生年金加入者や国民年金加入者は英語で相談ができる

コールセンターを選ぶことも選択肢に入るでしょう。

また金融教育は残念ながら無料ではありません。

上辺の情報は無料で提供できても、その方に合った運用方針と解決策を提供できるのは

投資・運用とライフプランニングの両方を専門職としているコンサルタントだけです。

また投資教育を行っていくとiDeCoが必要ない方、合わない方も少なからずいます。

そういった意味でライフプランニングをきちんと行うことは

自分の資産全体のバランスを整える上でも定期的に行うことを推奨しています。

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