今更聞けない「保険料控除」の仕組みと計算

 

今年も年末調整の時期がやってきましたね。

9月に入ると保険会社各社が生命保険料控除の証明書を発送する準備を始めます。

多くの場合、契約者の元に届くのは10月中頃ですからちょうど先週から

今週明けにかけて届くという方も多いのではないでしょうか。

 

給与所得者は年末調整で行いますし、

個人事業主や退職者・フリーターなどは確定申告を行うことで

払いすぎた税金を取り戻すことができます。

また来年の住民税が安くなったりします。

ん?税金を取り戻す?安くなる?

…というか保険料控除の対象ってそもそも

よく考えるとどういう仕組みになっているの?と疑問に思ったけど、

今更聞けない方向けのページです。

 

生命保険には様々な目的によって種類がある

 

民間の保険会社が提供する様々な保険のうち、

『目的が限定されるもの』の中でも

『自助努力による経済的な備えを行う場合』に保険料控除が適用されます。

 

生命保険会社が提供する保障のうち、

介護や医療の経済的備えと判断される保険に加入すると『介護医療保険料控除』、

加入期間や受取期間・受取人が所定の範囲内の老後の年金積立を『個人年金保険料控除』、

その他の生命保険契約を『一般生命保険料控除』という3区分に分けます。

※身体の傷害のみを保障する保険は保険料控除の対象となりません。

 

個人年金保険控除は10年縛りで受け取り方も制限あり

貯蓄性の高い保険の中には上記の画像のような

個人年金保険料控除(適格年金税制控除)の条件を満たさない場合があります。

いわば携帯電話における「2年縛り」のようなものです。

個人年金保険料控除は「10年縛り」が設定されているものだけ所得税・住民税が安くなると考えることができます。

 

 

ライフプランによっては一括受取や10年未満の受け取り方を希望する場合、

保険料の払い込み期間が10年未満ということもありますが、

この場合は一般生命保険料控除となります。

 

加入時期によって異なる新旧保険料控除?

平成23年(2011年)までの契約を『旧生命保険料控除区分』、

平成24年(2012年)以降の新契約や特約付加や特約解約を『新生命保険料控除』と分けています。

 

旧生命保険料控除は一般生命保険料控除・個人年金保険料控除の2種類しかありませんでした。

控除額も満額の場合には5万円と、2制度を合わせて10万円でした。

しかし少子高齢に伴う国の将来の財政不安から

介護や医療への自助努力での備えを推奨する目的のため、

新生命保険料控除では一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、

個人年金保険料控除の3種類となりました。

控除の上限は分散されましたが総額では12万円(4万円×3)と増え、

介護保障や医療保障を契約する際のひとつの判断材料にもなっています。

 

控除とはそもそもどういう仕組み?

 

 

日本の税金(所得税)は給与所得者の場合、毎年4〜6月の給与所得を

みなし標準報酬月額として税率を7月に暫定的に決めます。

標準報酬月額とは所得税、厚生年金、健康保険、公的介護保険などの

所得に応じての異なる税金の基礎計算に基づく報酬区分(テーブル)です。

→ 厚生年金保険料と健康保険料のテーブル

 

 

しかし実際には4〜6月と毎月全く同じ給与ということは稀で、

給与は残業や業績給、ボーナスなどアップダウンがあります。

これを年末(12月)の報酬(1月支給の給与)を決定する際に調整します。

これを年末調整と呼びます。

→ 給与所得控除の計算

今回ご紹介の生命保険料控除の他にも、

一定所得以下の配偶者のいる方には配偶者控除、

地震保険に加入の方向けの料控除などの所得控除。

 

 

また近年、この時期には何かと話題のふるさと納税※や、

個人型確定拠出年金(iDeCo)などの所得控除もここで行えます。

(※2016年からはワンストップ特例控除となり、5ヶ所未満の場合は年末調整・確定申告を省略)

 

 

還付されるお金はいくら?住民税はいくら安くなる?

 

新旧それぞれどちらに当てはまるかを確認し、

それぞれの控除額を計算します。

(この計算結果が年末調整に書く金額になります)

 

所得税控除の計算

月払6,000円×12ヶ月=72,000円

(72,000÷1/4)+25,000=43,000円

 

住民税控除の計算

上限55,000円超のため

28,000円が控除

 

この他に介護医療、個人年金保険料控除など他の区分の契約があれば同様に計算式に当てはめて計算します。

 

年末調整の提出にあたっては一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3つを

年末調整の用紙に書いて、証明書を添付して提出します。

 

年末調整の用紙はこのようにそれぞれの場所にそれぞれの控除枠があります。

是非正しい税金と社会保険の仕組みを理解して適切な還付や自己負担の軽減を行いましょう。

保険料控除って結局、いくら節約になるの?

 

生命保険料控除は所得控除のため、その他の控除によって還付・軽減される額が変動します。

具体的には単身者・配偶者のいる方、配偶者と扶養親族(子や親)の人数です。

以下は生命保険料控除いずれか一つだけ満額の年8万円控除枠を利用した場合の試算です。

3種類の控除を全て満額で利用するとこの3倍の額が軽減されることになります。

 

家族構成 年間収入 所得税軽減額 住民税軽減額 軽減額合計
独身 300万 2,000円   2,800円  4,800円
500万 4,100円  6,900円
600万 4,100円  6,900円
700万 8,200円  11,000円
配偶者あり 400万 2,000円  4,800円
600万 4,100円  6,900円
800万 8,100円  10,900円
1000万 8,100円  10,900円
配偶者と扶養親族1名  500万 2,000円  4,800円
 700万  4,100円  6,900円
 1000万  8,100円  10,900円
 1500万  13,500円  16,300円
配偶者と扶養親族2名  600万  2,100円  4,900円
 800万  4,100円  6,900円
 1000万  8,200円  11,000円
 1500万  13,500円  16,300円

 

おまけ 計算が合っているかどうしても確認をしたい方へ

 

自分で計算しないと税金の仕組みが身につかないので、

個人的にはお勧めしていませんが、計算間違いなどがないか

チェックするのに活用するのであれば住友生命が公開している

自動計算ツールが便利です。

 

控除証明書を用意して数字を入れて計算ボタンを押すだけ!

住友生命 生命保険料控除申告サポートツール

 

年末調整の保険料控除部分の書き方や最終確認にご活用されると良いと思いますよ。

 

 

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