金融機関の役割 証券会社の場合

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前回は金融機関としての銀行の役割についてお伝えしました。

金融機関には3大金融機関と呼ばれる場所があります。

  1. 銀行
  2. 証券
  3. 保険

今回はその中で最もなじみの少ないであろう証券会社についてご紹介します。

 

金融機関の役割とはその名前の通り、お「金」を「融」通する役割のある組織のことです。

銀行は預金や融資など我々にとても身近な金融機関ですが、

証券会社はどのような金融を行っているのでしょうか?

 

証券会社の5つの業務

 

証券会社というと株式や投資信託などの投資性商品を売買する仲介業というイメージをお持ちの方が殆どかもしれません。

しかし証券会社には3大金融機関の一つと呼ばれるだけの実に様々な役割があります。

  1. ブローカー
  2. ディーラー
  3. アンダーライティング
  4. セリング
  5. アセットマネジメント

 

1.ブローカー

最も多くの方にイメージしてもらいやすいのがこのブローカーと呼ばれる業務ではないでしょうか。

投資家からの株式などの売買注文を証券取引所に取り次ぐ業務(仲介)で、株式売買の委託手数料を受け取ります。

証券会社にとっては大変大きな収益源となっています。

 

証券会社によって登録(会員)している証券取引所が異なり、

売買したい企業の株の上場されている証券取引所でないと取り扱えません。

 

東京証券取引所(東証)などの大きな取引所であればあまり問題ありませんが、

例えば楽天証券は札幌・福岡証券取引所には登録していませんし、

GMOクリック証券やライブスター証券は名古屋・札幌・福岡証券取引所に登録していません。

地方にある優良企業などの株式を購入したい場合などには証券会社を選ぶ際にも注意したい点です。

 

証券取引所は日本国内の場合、下記6か所あります。

証券取引所

日本取引所グループ

・東京証券取引所

・大阪取引所(デリバティブ取引)

・TOKYO PRO Market(特定投資家向け取引所)

名古屋証券取引所

札幌証券取引所

福岡証券取引所

 

2013年に日本取引所グループによって東証・大証を経営統合したことによって世界第三位の規模の取引所となっている。

TOKYO PRO Marketは特定投資家と呼ばれる機関投資家などプロ専用の取引所で、一般の方は参加できません。

名古屋、札幌、福岡証券取引所は地元の企業が上場する際に使われてきたが、近年では日本取引所が圧倒的なシェアを誇るため、その役割を終えようとしている取引所もある。

2.ディーラー

証券会社は自社の資金で株や債券を売買しています。

資金力のある証券会社が自社の資金で取引をすることで、

株の売買が活性化されるという個人投資かにとってもメリットがあります。

株は需要と供給のバランスで買いたい人と売りたい人が揃った値段で決済されますから、

売買が頻繁に発生していないと売買が成立しません。

証券会社が自社で売買に参加することで、市場の流動性(売買が成約しやすくなる)が高まります。

※あまり市場に干渉しすぎないようにするため自己売買基準という保有できる限度額を証券会社ごとに設定しています。

株の売買で得た利益は証券会社の利益となります。

 

3.アンダーライティング

 

アンダーライティングとは引受・売出という役割で、企業が資金を集めようとした場合に使われる手段です。

一般的には企業が保有している現預金以外にお金が足りない場合には銀行からの融資などで資金を調達する必要があります。

しかし証券会社を活用することで銀行などの金融機関から融資を受けるだけでなく、次のような手段もあります。

 

その最もイメージしやすいのが株式の上場(店頭公開)です。

会社の株式を発行し、市場でその株を売買してもらうのです。

その企業が優良であると判断されれば株価が値上がり、資金調達が可能です。

またこれと非常に似ているのですが株式ではなく債券(社債)を発行することもあります。

株式を発行すると議決権などの経営権まで流出することになりますので、それを敬遠する経営者もいらっしゃいます。

その場合に会社の債券として社債を発行するという方法があります。

発行した株式や債券をアンダーライティングでは証券会社が引き受け、一度買い取ってから市場で売買します。

このため企業からすれば確実に資金を確保でき、証券会社からすれば手元にあるお金を活用して企業の成長の手伝いができる。その会社の株や債券を売買をすることで手数料も稼げるという方法です。

※その企業が大きくなれば投資先である証券会社にとっても保有した株などで大きい利益となる。

全ての証券会社が行っているわけではありませんが、証券会社が大切な業務の一つです。

 

4.セリング

アンダーライティングと似ていますが、株式や債券の買取を証券会社が行わないパターンです。

企業の株式や債券を宣伝して、不特定多数の人に売買してもらう業務です。

別名、ディストリビューター業務とも呼びます。

売れ残ってしまっても買い取ってもらえない点は資金確保を急いでしたい場合には向かないかもしれません。

5.アセットマネジメント

近年、この言葉を聴く機会が増えたと感じる方もいるかもしれません。

アセットとは資産、マネジメントは管理の意味です。

証券会社は顧客の資産運用や資産管理に力を入れ始めています。

 

証券といえば資産運用というイメージをお持ちの方からすると意外に思えるかもしれませんが

これまで証券会社はどちらかといえば短期的な株式の売買で利益を上げることを目指していました。

しかし投資は短期的な売買で収益を上げ続けるのがプロでも非常に困難です。

そこで顧客にとって長期的な収益性を確保できる投資信託を中心とした資産形成・資産運用を目指しています。

この業務変更は実は銀行や保険会社でも同様の動きが起きています。

証券業界も手数料収益で成り立っていますので単発の売買による手数料(スポット収入)よりも、

定期的に入ってくるフロー収入(ストック収入)を得ようというのがあるようです。

 

証券外務員(第1種外務員、第2種外務員など)の資格を持ち、登録している人は2017年現在全国に約9万人います。

業界としては2007年のリーマンショック以後、微減の傾向が続いています。

証券会社が株の売買を仲介している会社というだけでなく、企業へのお金の融資や上場・債券などの手伝いなども

幅広く扱っている金融機関であるということがイメージできたら幸いです。

 

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