保険選びが変わった2017年改訂後〜外貨建保険が続々登場?

2017年4月の標準予定利率改訂に伴って、歴史上最低水準となった日本の生命保険。

この直接の引き金となったのが2016年2月に発動された日銀のマイナス金利政策でした。

 

生命保険の予定利率は10年国債の利回りを基準に計算される仕組みのため、

円建の貯蓄性保険はモロにこの影響を受けたことになります。

生命保険の仕組み上、契約時固定の予定利率を約束する性質があるので

高利率な時代に契約をした方の貯蓄性商品は、その加入目的や支払い余力が変わらない限り

極力継続された方が良いでしょう。

もちろんライフステージの変化やお仕事などの変化によって支払いが困難な場合には

担当FPとよく相談をして払済保険や延長定期保険などへの変更も可能です。

 

一方でこれから貯蓄や積立、資産形成をしたいという方にとって

円建の貯蓄性保険はかなり難しい状況になりました。

 

そこで保険会社各社が取り組んでいるのが

  1. 保障性を充実させた商品への改訂
  2. 外貨建保険への切り替え
  3. 変額保険への切り替え

以上の3パターンです。

 

前回は1.保障性を充実させた商品への改訂を中心にご紹介しました。

今回は今後益々、取扱会社や商品数が増えてくるであろう

『外貨建保険への切り替え』についてご紹介します。

 

1.外貨建て保険とは

保険商品の取り扱いを円ではなく、外貨ベースで設計した保険を外貨建保険と呼びます。

(円ベースの保険商品は円建保険と呼びます)

保険における様々な数字の面が指定する通貨によって構成されています。

基準となるのはアメリカドル(米ドル)※で、アメリカ国債10年ものの債券利回りを

予定利率の基礎としています。

※オーストラリアドル(豪ドル)建ての場合はオーストラリア国債、

ユーロ建ての場合はドイツ国債を基準にしていますが、ユーロ建は現在殆どの金融機関・保険会社で販売停止しています。

 

特徴としては保険料・保険金額・解約返戻金・契約者貸付・年金受取などが

指定通貨での支払いである点です。

※円で支払ったり、円で受け取ったりすることを可能とするオプション(特約)があります。

 

外貨建保険のメリットは様々ありますが

  1. 相対的に日本の金利よりも高い利回り
  2. 円⇆外貨への両替コストが桁違いに安い
  3. 通貨分散というリスクへの対処

まとめるとこの3つになるでしょう。

それぞれの特徴を確認していきましょう。

※外貨建保険は支払い時や受取時に為替の影響を受けますので、メリットだけではなく

設計書やパンフレット、注意喚起情報・重要事項説明書などに記載のデメリットについても必ずご確認下さい。

投資はすべて自己責任です。当ブログでも責任を負いかねます。

 

 

 

 

 

 

基準となる予定利率が高く設定されている米国債10年を基準としていますので、

保険料や返戻率の基礎となる標準予定利率が総じて高く設定されています。

それらによって次のようなことが特徴があります。

①保障を購入する

下記のような商品があるわけではないですが、説明用として一例を紹介します。

分かりやすく理解するために為替変動がないものとして、

1ドル=100円でずっと支払う場合で考えてみます。

 

20歳の人が60歳まで月々1万円支払うと

500万円の死亡保障のついた終身保険に加入できるとします。

払込総額480万円で500万円の保障が買えることになります。

※実際には現在でももう少し安く加入できるはずです。

 

同じ年齢、同じ性別、同じ健康状態の方が米ドル建で加入しようとすると

5万ドル(1ドル=100円相当で500万円)の死亡保障を、

月々80ドルの支払いで契約することが可能です。

払込総額38,400ドル(1ドル=100円相当で384万円)

同じ保障が総額100万円ほども安く購入できたことになります。

②外貨資産としてみる

保険には資産として考えることが出来る部分が存在します。

解約返戻金(キャッシュバリュー)と呼ばれる保険金の原資となる積立金の部分です。

契約当初は殆どないこの解約返戻金(緑のカーブ)が、経過年数を追うごとに増えていきます。

商品によってこの推移が異なり、商品選定のポイントとなることもあります。

払込満了から5~7年ほど経過すると払込総額よりも増えて行き、

払込総額と解約返戻金の割合(返戻率)は110%、120%と年数を経るごとに増えて行きます。

契約年齢が若いほど、また払込期間が短く払込満了からの年数が経過するほどに

解約返戻金は増え続けていき複利の効果で200%を超えることもあります。

※終身保険の解約返戻金は保険金額と同額が上限に設定されています。

105歳を終身と定義し、105歳になると解約返戻金は必ず保険金額と同額になる。

※変額保険などの運用商品の場合は増加保険金額があり、この原則から外れる。

 

即座に外貨を必要とするわけではないという長期の資産形成の場合には、

外貨建保険を活用することは積立時のライフステージ上のリスクを取り覗き、

老後などの資産設計に非常に有利に活用ができます。

 

③払方/受取方の自由度が高くコストが安い

保険料の支払方法は会社によって詳細は異なる場合がありますが、

口座振替やクレジットカード払などが選べます。

また支払回数も月払、半年払、年払など資産状況に応じて選べます。

 

保険会社によってこの支払方にも様々な特徴があり、たとえば為替が円高に振れた際に

将来の保険料をその時点でのまとめて払い込む前納を取り扱う保険会社も存在します。

前納をすると毎月または毎年など払方に応じて充当されていきます。

※前納保険料は途中で引き出すためには解約をするしかなくなりますので、余剰資金で行うようにする必要があります。

 

保険の解約返戻金も様々な受取方が選べ、会社によって選択肢が変わってくる場合があります。

一時金または年金形式で円に両替して契約者が受け取る場合の振込手数料は原則として保険会社負担となります。

証券などで運用を行った場合、資産を分割して受け取る際には振込手数料を都度請求されることがあります。

また外貨への交換(両替)手数料は銀行窓口では1ドルあたり2円ほどかかりますが、

保険を活用すると1ドルあたり1円~0.01円と非常に低コストとなります。

 

解約返戻金を年金受取する際に、外貨または円での受取方法を受取開始時に選びます。

また年金受取の設定をすることで何年間に分けての確定年金受取、

存命の間ずっと受け取り続けられる終身年金などを選べます。

年金の受取も年一括、毎月払いなど多様です。

④保険料免除特約など資産形成をする世代のリスクに対応

3大疾病(ガンと診断、急性心筋梗塞・脳卒中などで会社所定の状態)となると

保険料の払込免除となる商品など特徴ある商品が増えています。

 

または会社所定の3大疾病に該当すると保険金が受け取れる特約、

介護状態になると保険金が支払われるなど多様なリスクに対する備えを兼ねている商品も登場しています。

 

資産形成を進めていく現役世代にとって最大のリスクは何らかの事情によってその積立ができなくなってしまうことです。

三大疾病や介護、障害状態などその原因は人によって異なりますが、

保険を活用することでこれらのリスクについても補いながら資産形成ができる点はとても合理的と言えます。

 

⑤通貨分散を資産形成と併せて出来る

日本人の多くの方は資産を円だけに偏って持っています。

しかし食料・エネルギー・資源などの多くを輸入に頼っている日本では、

為替が円安になることで輸入価格が上昇し、物価が上昇するリスクがあります。

賃金が年々、それ以上に上昇しているインフレの時代であれば円のままでも良かったかもしれません。

また近年のように物価が上昇し、賃金が上昇しない状況(スタグフレーション)の場合には、

エネルギー資源や食料など生活にかかるコストが為替の影響で大きく膨らむことになります。

外貨資産を保有することはこれらのリスクから資産の目減りを抑える効果があります。

現在の日本の現状を考えると円だけで資産を持つことはかえってリスクと言えます。

 

また国の財政状況などを考えると利回りが良いというだけではなく、

様々な国の通貨に分散して資産を持つというのはとても大切なリスク分散です。

 

外貨資産を保有する重要性は私主催のセミナーでもご紹介していますので、

詳しく知りたい方は是非ご参加ください。

 

2.百花繚乱の外貨建保険商品

 

日本の国内で生命保険会社が扱う外貨建て保険は現在、非常に増えています。

保険には一時払という一括で保険料を支払う場合、

平準払と呼ばれる月々、または毎年など分割で支払う方法のものがあります。

毎月または毎年少しずつ保険料を支払う(平準払にする)ことでドルへの両替による為替リスクを分散できる

保険会社になるとその数はずっと少なく6社ほどになります。

 

下記は私が手元の資料で把握している外貨建平準払の保険を扱ってる保険会社の一覧です。

 

保険会社名 商品名 特徴 死亡 高度障害 介護
①メットライフ生命 ドルスマート

(積立利率変動型終身保険

米国通貨建2002)

最低3%予定利率保証

3大疾病保険料払込免除(範囲広め)

クレカ払(JCB)

米国ドル建IS養老保険

(利率変動型養老保険

貯蓄重視型米国通貨建)

最低3%予定利率保証
②マニュライフ生命 こだわり個人年金(外貨建)

米ドル/豪ドル

最低1.5%予定利率保証

円固定払込

クレカ払(VISA/Master/JCB/Amex)

個人年金保険料控除対象

こだわり外貨建終身

米ドル/豪ドル

最低1.5%予定利率保証

3大疾病保険料払込免除

+解約返戻金立ち上がり

クレカ払(VISA/Master/JCB/Amex)

③ジブラルタ生命 米国ドル建終身保険 予定利率2.75%固定

払込時円固定前納

米国ドル建終身保険

(低解約返戻金型)

予定利率2.75%固定

払込時円固定前納

 ○
米国ドル建介護保障付終身保険

100%/50%(低解約返戻金型)

 払込時円固定前納

※50%プランのみ3大疾病保障を

特約付加で保障可能。

米国ドル建養老保険  払込時円固定前納
米国ドル建リタイアメント・インカム

(米国ドル建特殊養老保険)

 払込時円固定前納

確定年金受取時 予定利率固定

リタイアメント・インカム プラス

(豪ドル建年金支払型積立保険

積立利率市場連動期間付)

販売停止中
どるフィン

(生存給付金特則付米国ドル建終身保険)

契約後3年ごとに

生存給付金を計5回受け取れる。

 〇
ドリーム・ゲート

(生存給付金特則付米国ドル建終身保険)

17歳時に保険金の

15%・5%・5%・5%を

生存給付金として受け取る。

 〇
④ソニー生命 米国ドル建終身保険  払込時円固定前納

両替コスト安い

米国ドル建養老保険 払込時円固定前納

両替コスト安い

米国ドル建特殊養老保険 払込時円固定前納

両替コスト安い

米国ドル建生前給付終身保険(生活保障型) 払込時円固定前納

両替コスト安い

 ○  ○
⑤三井生命 ドリームクルーズワイド

(無配当外貨建終身保険016

予定利率更改型)

米ドル/豪ドル

円固定払込

3大疾病、要介護、

身体障がい状態時の保障を

特約付加で保障可能(外貨建)。

(特約)

ドリームクルーズ

(無配当外貨建終身保険予定利率更改型)

豪ドル

3年ごと合計5回生存給付金

 

⑥プルデンシャル生命※ 米国ドル建終身保険 予定利率固定3.2%(2017年8月時点)
ドルRI(米国ドル建特殊養老保険) 終身年金受取時の予定利率固定
米国ドル建介護終身保険(認知症加算型) 介護終身年金として給付

所定の認知症該当時に倍額加算。

米国ドル建特別終身保険(無告知型)

生存給付金特則付

17/18歳時、生存給付金(30%)

以降は終身の死亡保障が立ち上がる

※同社既契約があることが条件

※他、死亡保障の同時申込でも可

 

※紹介営業だけのため、代理店などで提案・比較されることが殆どありません。

2017/10/17 ジブラルタ生命の2商品がソニー生命の行と入れ替わっていたのを修正しました。

またソニー生命の米国ドル建生前給付終身保険(生活保障型)を追加しました。

 

こうして並べてみただけでもかなりたくさんある印象ですが、それぞれに特徴があり、

この商品さえ選んでいれば間違いないということはありません。

大切なことは自分のライフプランに合ったプランを選ぶことです。

FPはそのためのナビゲーターでもあります。

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