“運命に抗おう“ーアクティブファンドの宿命を乗り越えたキャピタルシステムとは

今回の記事とは直接関係ありませんが、あなたはアニメや漫画は好きですか?

人によって嗜好はそれぞれですが、私はガンダムやエヴァンゲリヲンよりもブレイクブレイドが好きです。

この世界観で最も象徴的なのが古代騎兵デルフィングに刻まれた古代文字”運命に抗おう”です。

主人公ライガットとヒロインのシギュン(親友であり現国王の妃)のいちゃラブもニヤニヤしてしまいますが、

この物語を語る上でこの一言は漫画やアニメに限らず現代を生きる我々にも心を揺さぶる強いメッセージ性があります。

 

投資の世界においても宿命ともジンクスとも呼ばれるものがいくつもあります。

 

“殆どのアクティブファンドはインデックスには長期的には勝てない”

1970年代に投資哲学の大家チャールズ・エリスが指摘したこの一言はその後、バンガードという世界初のインデックスファンドを運用する資産運用会社の誕生と共に現在では半ば定説として多くの個人投資家にも認識されています。

しかし彼らはそこにいくつかの例外があることを認めています。

以下は”殆どの”と断った例外が何かを私なりに考えてみた推察です。

①数は少ないが卓越したファンドマネージャーが運用するアクティブファンドは例外

②預かり資産が過度に巨大化していない低コストのアクティブファンドは例外

③ファンドマネージャーを一個人の才能ではなく、組織として構成し継承できればそれは例外

そんなファンドは果たしてあるのでしょうか?

 

 

世界の株式市場の指標として多くの投資家が目安にしているのがMSCI ACWI(All Country World Index)です。

日本も先進国も新興国も全てを含むこの指標を発表しているのはMSCI(Morgan Stanley Capital International)、米国の投資銀行の名門モルガン・スタンレー証券と米国のアクティブ型投資信託で最大の資産運用会社キャピタル・インターナショナルによる合弁会社によって発表されています。

キャピタル・インターナショナルは1929年の世界恐慌を教訓として1931年にジョナサン・ラブラス氏によって創設されます。

世界の経済危機の時でも個人の投資家が安心して資産運用を任せることのできる資産運用会社—インデックス投資の提唱者であるチャールズ・エリスを持ってして例外と言わしめたキャピタルにはどんな秘密があるのでしょうか?

 

45年の運用実績で5年運用なら何処で受け取っても投資額に対して100%超

1973年に運用が開始されたニューパースペクティブファンド(日本名:キャピタル世界株式ファンド)は45年という世界的にみても超長期の運用実績(トラックレコード)を誇り、5年運用であればどの年に始めたとしても投資額に対して100%超を実現しています。

世界株式ファンドでの

運用評価額(万円)

ACWIでの

運用評価額(万円)

投資額 100 100
運用開始時点 97 100
1973年 106 88
1974年 91 71
1975年 130 95
1976年 143 104
1977年 119 86
1978年 118 81
1979年 183 111
1980年 193 118
1981年 211 121
1982年 271 142
1983年 328 171
1984年 353 194
1985年 375 218
1986年 375 247
1987年 319 218
1988年 360 277
1989年 516 371
1990年 472 291
1991年 528 316
1992年 544 299
1993年 612 328
1994年 558 308
1995年 689 384
1996年 902 491
1997年 1,152 636
1998年 1,272 687
1999年 1,602 778
2000年 1,643 754
2001年 1,713 720
2002年 1,289 522
2003年 1,578 628
2004年 1,709 688
2005年 2,170 868
2006年 2,601 1,052
2007年 2,802 1,076
2008年 1,397 517
2009年 1,954 691
2010年 1,902 673
2011年 1,652 600
2012年 2,221 784
2013年 3,393 1,170
2014年 3,959 1,390
2015年 4,145 1,361
2016年 4,054 1,424
2017年 4,999 1,705
年率 9.082% 6.506%

 

指標であるインデックスには購入時手数料はかからず、信託報酬もかかりません。

つまり明らかに不利な比較をしていても、このアクティブファンドは45年間インデックスに負けなし。

むしろ多くの年ではプラス運用…一体どんな運用をすればこんなことが可能なのでしょうか?

 

チームで投資をするアクティブファンド、キャピタルシステム

多くのアクティブ型ファンドには運用責任者であるファンドマネージャーが一人います。そしてその他大勢のそれを支えるアナリストたちがファンドマネージャーへ情報を届けて、ファンドマネージャーが売買の判断と指示を出します。

好成績のアクティブファンドは一人のカリスマ・ファンドマネージャーの目利きと手腕によって成り立っていることが殆どです。

しかしこの仕組みではファンドマネージャーも歳をとれば引退の時期が来るし、休暇も取れば、判断ミスもします。

長期でアクティブファンドが勝てないという理由の一つは実に人間的な事情によります。

キャピタルシステムではジャンルごと、エリアごとにファンドマネージャーに代わるポートフォリオマネージャーを配置し、北米の製造業への投資担当、IT業界担当とジャンルも細かく分けて運用をしています。

様々な経歴のポートフォリオマネージャーが自分の得意なジャンルの運用を担当し、意見を交わしながら運用方針を決めます。

 

また一つの運用に対してはチームとなっており、退職年齢が近づいたポートフォリオマネージャーがいると後継者をチームに加えて数年がかりで運用を継承していきます。

そしてポートフォリオマネージャー同士で保有する株式を売却しようという際には交換し合うことも出来るという独自の仕組みを持っています。市場で売買をしなくても社内で交換をするので非常にスムーズにトレードが可能です。

キャピタルグループのポートフォリオマネージャーは平均在籍年数21年、運用経験の平均は27年。

一つの投資戦略に業界では6.3年担当をするところ、キャピタルグループでは9年担当させるなどポートフォリオマネージャーへの絶大な信頼と個性を発揮する文化が根ざしています。

50年前から地道な積み重ねによって築き上げられてきた組織としてのアクティブファンド運用は言い換えれば究極の資産運用の形です。そしてキャピタルインターナショナルは世界最長クラスの長期運用を実現しています。

 

この仕組み、キャピタルシステムは同社独自の仕組みです。他のアクティブファンドにはこの仕組みがなく、同社が50年という時間をかけて熟成させてきたとも言えます。

キャピタルシステム誕生は逆境から生まれた

1931〜1958年までキャピタルは他のアクティブファンドと同じようなファンドマネージャーによる運用をしてきました。

しかし1953年に創業者のジョナサン・ラブレスが病に倒れます。

1年の療養の後に復職しますが、この間の運用責任者をどうするかでキャピタルは混乱をしました。

そしてジョナサン・ラブレスは試験的に運用責任者を複数人設けて、意見を出し合い運用をする事を試験的に行ってみたところ思いがけない相乗効果が生まれたとされています。

一人の価値観で運用をするよりも議論が活発になり、それぞれが得意な投資先で高い成果を発揮したのです。

これを機会に1958年から対象を地域、ジャンルに更に細分化してキャピタルシステムは洗練されてきました。

独特とも呼べるキャピタルシステム、チームで運用するアクティブファンドはピンチからの創意工夫によって誕生し、アクティブファンドの宿命とも言うべきファンドマネージャーの加齢や引退を乗り越えました。

 

前述ニューパースペクティブファンドはまだ全世界投資という概念のない時代、1973年に運用が開始されました。(また日本を除く全世界投資のファンドがかなり世の中にはある)

 

限りなくインデックスに近く、インデックスを先行するアクティブファンド

 

“殆どのアクティブファンドはインデックスには長期的には勝てない”

インデックスを公表している会社が自らそのインデックスを上回るアクティブファンドを運営しているというのも面白いですが、インデックスファンドは対象の市場全体に幅広く投資をする手法です。

1970年代はエネルギー・資源関連株式へ、1980年代は日本の製造業株式、1990年代は米国IT企業、2000年代前半は中国・インド、2000年代後半は米国への投資回帰でITと金融株式…地域、ジャンルを時代の変化に合わせて比率を変えながら運用をする手法はまさにアクティブファンドです。

同時に世界のインデックスも時代の変化に合わせてその構成を変えていきます。

全世界投資のインデックスファンドと全世界投資のアクティブファンドでは究極のところかなり近い運用になるのではないでしょうか。

また下落時にはより柔軟な対応が可能であるアクティブファンドに有利な面があります。指標を上回る運用を目指すことがアクティブファンドの命題ですから、下落時ほどのチャンスはありません。

インデックスは一緒に下落するだけですから。(指標が下落時に下落しなかったらそれはインデックスファンドではない)

販売手数料3.24%(税抜3%)、信託報酬1.6632%(税抜1.54%)

これは運用の対価として高いのでしょうか?

自分ができない事をプロに依頼するのに、銀行振込よりも廉価な費用を目の敵のように「コストが安い方が良い」と理屈の上で言うのは簡単です。

上記は三菱UFJ銀行のATMを利用した振込手数料です。仮に1万円の振込だと2.7%の手数料がかかることになります。

ただ振り込むだけなのに超高くないですか?

こんな馬鹿げた議論をしていた結果、このファンドはつみたてNISA対象ファンドには選ばれていません。

つみたてNISAってそんなに良い制度でしょうか?(私は世紀の大失策だと考えていますが。)

 

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