血のバレンタイン・ショック!国税庁沈黙のまま当期決算対策が福利厚生プランになだれ込む

2019年2月14日に金融庁が保険会社を集めて全額損金扱いとなっていた定期保険全般を大手生保を中心に即日販売に追い込んだ話題を「バレンタイン・ショック」と呼ぶらしいですね。

そもそも「バレンタイン・デー」なるものは不吉です。

古くはバレンタインに名の残るヴァレンタイン司祭が皇帝に逆らって若者の結婚を許したことで処刑された日です。

またアメリカの大ギャング、アル・カポネがライバルのギャング七人を文字通り蜂の巣にした日です。(しかも逮捕されなかった)

またネトゲの世界では「血のバレンタイン事件」として記憶されている出来事が起こりました。

 

バレンタイン・デーは恋人たちがクリスマス・イヴに次いできゃっきゃウフフするという世間的に浮かれまくっている日ですので、ざまみろ(爆ぜろリア充)と個人的には言いたい所ですが、保険募集をする立場からすれば「モラルのない輩が市場を荒らしたせいで世の経営者の大切な手段が失われた日」として私の中で記憶されそうです。

逓増定期、終身がん保険に続いて私が保険募集始めてから10年経たずで3度目の通達変更ですよ。本当に皆さん懲りないですね。(決してチョコレートもらえなくて拗ねているのではありません。本命以外のチョコは返すのが面倒なので頂かない主義なだけです)

https://kakuhidou.fumizuki.net

国税庁は3月も半ばだというのに未だに沈黙を守っており、恐らくこの様子だと通達は4月まで持ち越しが濃厚になってきました。決まっていないならやるなよって感じですが、まさにそこが狙いだったとも言えます。

何がバレンタイン・ショックですか。昨年暮れのクリスマス・ショックをもじったのかもしれませんが、全くもってノーサンキューな贈り物をしてくれたものです。

お陰様で保険会社各社はたくましくも次のドル箱を狙いに動き始めています。

保険会社が狙う決算対策、次の一手は…

何しろ三月は日本の企業の過半数が決算を迎える大切な月です。企業経営者の中には決算対策を税理士や会計士と何ヶ月も前から調整をしていた方もいたでしょう。

こうなってくると通達次第ですが、個人契約の解約返戻金がある長期定期保険などを名義変更するとか法人契約の定期保険の中には期間延長するなど日頃から様々なタネを蒔いている会社がこのタネをうまく活かせるかになってきますね。いずれも通達次第ですが。

さて今回の金融庁の要請は定期保険で50%超の返戻率の商品でしたが、保険会社がたくましく狙っている次のドル箱は「福利厚生プラン」。いわゆるハーフタックスと呼ばれる1/2損金・1/2資産計上の商品です。

平たく言えば養老保険で退職金積立しましょう、保険料の半分は損金に出来ますという話です。

福利厚生プランは潰したくても潰せない

ハーフタックスは国税庁が潰したくても潰さない根拠がガチガチです。

第一に「1/2経費参入の要件が面倒くさい”普遍的加入”」です。

同族経営で親族だけだとそもそも1/2のよ損金参入を使わせてもらえません。社長だけとか部課長だけ加入とか、あの人は言う事を聞くからとかはできません。

会社に退職金規定を設けて従業員を分け隔てなく加入させないといけません。先日までの全損祭りのように社長だけ、役員だけのように簡単ではありません。

誰でも使えるわけではないので難易度ハードモードです。

 

第二に法人税基本通達9-3-“4”です。

バレンタイン・ショックでは9-3-“5”への変更がされる事になりましたが、別な通達に明記されている通達のため今回の定期販売停止とは異なります。

以下、通達の抜粋です。

養老保険に係る保険料
9-3-4 法人が、自己を契約者とし、役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)を被保険者とする養老保険(被保険者の死亡又 は生存を保険事故とする生命保険をいい、傷害特約等の特約が付されているものを含むが、9-3-6 に定める定期付養老保 険を含まない。以下 9-3-7 までにおいて同じ。)に加入してその保険料(令第 135 条《確定給付企業年金等の掛金等の損金算 入》の規定の適用があるものを除く。以下 9-3-4 において同じ。)を支払った場合には、その支払った保険料の額(傷害特約 等の特約に係る保険料の額を除く。)については、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次により取り扱うものとする。
(1)死亡保険金(被保険者が死亡した場合に支払われる保険金をいう。以下 9-3-5 までにおいて同じ。)及び生存保険金(被 保険者が保険期間の満了の日その他一定の時期に生存している場合に支払われる保険金をいう。以下 9-3-4 において 同じ。)の受取人が当該法人である場合 その支払った保険料の額は、保険事故の発生又は保険契約の解除若しくは 失効により当該保険契約が終了する時までは資産に計上するものとする。
(2)死亡保険金及び生存保険金の受取人が被保険者又はその遺族である場合 その支払った保険料の額は、当該役員又 は使用人に対する給与とする。
(3)死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が当該法人である場合 その支払った保険料の額のうち、 その 2 分の 1 に相当する金額は(1)により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入する。ただし、役員 又は部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者としている場合には、当該残額は、当該役 員又は使用人に対する給与とする。

https://www.nissay.co.jp/hojin/senyo/help/keyzei/pdf/part_03.pdf

バレンタイン・ショックの引き金を引いた黒幕は…

第三に福利厚生プランで市場を独占しているのはかんぽ生命様です。このマーケットで約80%近いシェアを占めている圧倒的王者です。一般の民間生保各社はミジンコかゾウリムシです。残り20%以下のシェアを奪い合っているだけです。

さて、かんぽ生命様の親玉は誰でしょうか?

かんぽ生命、ゆうちょ銀行、日本郵便の株を未だ大量に保有している大株主が日本の省庁にはおわせになられています。

「総務省」…そういえばNHKも携帯電話会社もここの管轄ですね。がっぽがっぽですね。

もしかんぽ生命の法人保険が売り止めになったらかんぽ生命で法人契約できる商品は無くなりますので、断固死守するのではないでしょうか。

ちなみに金融庁は内閣府の管轄ですが、菅内閣官房長官(沖縄基地負担軽減担当大臣、拉致問題担当大臣を兼任)は多忙なため現在は財務大臣様が金融担当大臣を兼ねています。

財務大臣って…ジャパニーズ・マフィアとの呼び声も高い麻生太郎元総理(現副総理)です。

財務相の管轄である国税庁のトップと金融庁のドンを兼ねているために本来であれば各大臣のところで牽制があるはずなのに現在は太郎様のご意向のままに動きます。

結果、”血のバレンタインデーの惨劇”が起きたとも言われています。

財務省は旧大蔵省の流れを組む国のお財布を握るとっても権力の強い立場です。消費増税もここが牛耳っています。消費税1%増税で約2兆円の税収が増えるとの試算ですが、節税保険(全損プラチナ系)を潰して約4,000億円市場×33%=1,320億円の税収増ですか。まだ増税延期にはバランスが合わないですね。

四月の統一地方選後に衆参同時解散による総選挙で消費増税凍結の切り札を切ってくるのではないでしょうか。日本に今必要なのは税収を増やすことではなく、個人の消費者が豊かさを享受できる実感です。

しかし、やりたい放題ですね。誰も逆らえません。スターを取ったマリオってこんな感じなんでしょうか。クリボーやパタパタたちの気持ちが今ならわかりそうです。

民間の生命保険会社はこの総務省が死守するかんぽ生命の牙城へ総務省を盾にこの年度末に向けて一気になだれ込んでいます。

何故、保険各社は二番目のドジョウを狙いに行くのか

かんぽ生命は告知枠1,300万までしか社長も役員も従業員も入れないためです。

従業員の退職金にしても少ないですね。勤続38年なら企業規模にもよりますが2,000万円以上は欲しい所です。

役員ならその5倍までは社会通念上は許容される範囲とされています。

 

民間生保各社は同じ養老保険でも告知枠で従業員でも数千万円まで通算で加入できます。

既に導入している企業であればハーフタックスプランのメリットは既に理解しています。しかも法人税を半損で圧縮できます。

税引後の利益から積み立てるのと、税引前の資金から半分経費参入で積立できるのでは効率と合理性が決定的です。

民間生保各社を扱う代理店の募集人は上乗せ福利厚生も狙っていますし、ぶっちゃけかんぽ生命の養老保険にスペック的な魅力はありませんので乗り換えさえ狙っています。(あまり派手にやるなよー、また目立ちすぎると太郎様が潰しに来るぞー!)

あまつさえ、福利厚生プラン未導入企業を開拓しようとい商魂たくましい募集人までいます。

 

福利厚生プランは勤勉な勤労者への正当な対価

福利厚生プランは経費参入の条件が厳しいためだけでなく、普遍的加入要件があるために労使の同意が必要です。

またかんぽ生命という国にとって巨大なお財布の後ろ盾もあり、3匹の子ブタ的に言えば簡単には吹き飛ばない煉瓦の家です。

しかしそれだけでなく、優秀な人材を確保したい企業からすれば福利厚生プランの導入は企業ロイヤリティの向上にもつながります。

企業の有効求人倍率は2017年時点でバブル最盛期を上回る空前の売り手市場に入っています。

2018年は通年を通して1.61倍だったとされていますが、仕事を探している人は仕事が選べる(但し若者に限る)状況です。

これから日本人の労働力はどんどん少なくなっていきますから、企業は良い人を囲い込みたいのです。

しかし賃金を上げると企業が負担する社会保険料も増えてしまうため賃上げはなかなか体力のある企業でないとできません。

そこで離職率などを考慮した合理的な理由によって例えば勤続3年以上や5年以上などの線引きで従業員全員へ法人契約の養老保険(福利厚生プラン)を加入させることで勤続年数が長い従業員へ退職金などのインセンティブを与える。

またいざという時には遺族へ死亡退職金を支払える。かつ企業は求人欄に「社保完備」以外に「退職金あり」や「保養施設あり」などを書くことができます。

そう、保険会社によっては会社契約の福利厚生プランに映画館やテーマパークの割引券、温泉やホテルなどの優待価格で泊まれるなどの付帯サービスが無料で付いてくるところもあります。

そもそも社保完備って法律で定められた雇用をする側のルールですから、これしか書いていないことはブラック企業と自ら露呈していることと思われても仕方ありません。

わざわざ代替できない人生の大切な時間、しかも二十代とかの若さと可能性に満ちた時間をその企業に提供する訳ですから給与で差が付けられないなら勤続年数が長い従業員には差をつけてあげるというのは他の職場との明確な差となります。

会社に対する帰属意識も、経営者に対する感謝も高まりますし、離職率の低下や勤続年数の改善にもきちんと説明して導入すれば効果的です。

24ヶ月全損で返戻率100%の中退共との違い

一方で中小企業退職金共済や企業型確定拠出年金なども福利厚生の制度として並存します。

いずれも拠出金(掛け金)は全額損金扱いですから、一見すると税制面で言えばこちらの方が利点があると言えます。

一方で中退共や確定拠出年金は拠出した時点で従業員に権利が移譲されてしまいます。昨今のようなバイトテロではありませんが、企業や株価などに損失や打撃を与えたとしても「既に支払ったもの」ですので没収も支払停止も出来ません。

福利厚生プランは保険契約者である法人が権利を持っています。従業員の身体を使って資産を形成しながら、その従業員が保険金支払事由に該当した場合には企業はその労働力を失った経済的損失を保険金で補うこと、また遺族には退職金規定に基づき死亡退職金を支払えます。

例え積立金が死亡退職金で期待する額に満たなくても保険は契約してすぐに保険金額を確保してくれるため少ない掛け金で、掛け金以上の大きな保障額を得られます。

そして勇退時には半分にしか課税されなかった資産に対してもう半分の課税されなかった資産を簿外から支払い、退職金として経理処理できます。ここでも半分は課税されないまま、退職金として支払えてしまうので非常に優遇されていると言えます。

受け取る従業員は勤続年数に応じた退職所得控除が規定する手続きをすれば受けられますし、懲戒解雇などの損失を与えた従業員に対して退職金の没収や減額もできます。

企業の経営が苦しい時には契約者貸付や払済保険への変更・減額・復旧や満期の繰り上げ繰り下げなどもプランによって様々できる選択肢があります。

法人保険としては王道の福利厚生プランですが、今回のことを機にまともな提案とまともな法人保険契約が進むことになれば良いですね。

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