日本人の半数以上が個人投資家?始めるまでのハードル”株式投資の壁”について考える

東京証券取引所の2017年調査によると日本人の個人投資家は5,219万人いるとされています。

え!?日本人の総人口は1億2680万人(2017)、14歳までの子どもの数(12%)を除けば15歳以上の総人口は1億1115万人。

各年代が約90〜100万人だから15〜22歳までの学生を除けば日本人の半分以上が個人投資家?

と思ってしまいますが、この数字は証券取引所(東京・名古屋・福岡・札幌)が上場企業の個人株主を単に足しただけの数字です。

一人で一社にしか投資をしないのであれば実数になりますが、現実は一社にしか投資をしないなんて事は稀ですので重複している数がかなりあるとは言え、やや過大な公表値です。

日本証券業協会の7,000人アンケートによると預貯金以外に株式や投資信託を保有している人の割合は約22%。

個人投資家って何人いるの?割合と投資人口と推移を調べてみた。

こちらの方がかなり実数に近いように思えますが、非常に微妙な数字ですね。

2〜3割、やっていない人の方が多いけれどやっている人はやっていると言ったところです。

これ、アレに似ていますね。高校生くらいの時に気になっていたアレです。

サンプルセレクションバイアス…こういう調査に協力する人の傾向が反映されるという話です。

日本証券業協会の調査って、何らか投資に関わっている人の方が多く答えていないでしょうか。

つまりアンケートや◯◯調査というのも一定の偏りがあると考えるのが自然です。

 

日経CNBCというチャンネルがあります。(Amazon Primeで有料コンテンツとして視聴も可能です。)

経済の様々な番組を観れるのですが、その中のスペシャルトークでは個人投資家について先日次のように触れていましたのでご紹介したいと思います。

日本人投資家の属性

10代1%、20代14%、30代22%、40代29%、50代19%、60代13%、70代5%

投資ってシニア世代が多いイメージが私はあったのですが、この調査では40代が多いですね。若い世代が全体的に少ない傾向にあるとは言え、ちょっと意外でした。これもサンプルセレクションバイアスですね。

しかし、投資をしていない人も3割強いるみたいですね。投資をしている人(現在投資をしている)と、していた人(現在は投資をしていない)をまとめてしまうのは何かあるのでしょうか。(している人が少なすぎるとか?)

投資を始めたきっかけについてのアンケートでは少し意外な結果が出ていました。

最も多かったのが、「面白そう、勉強になるとおもった」38%

株式投資の知識や経験は一面で確かに就職活動や業界研究の役に立ちますからね。

 

次いで「将来のことを考えて、株式等を対象とした資産形成が必要と考えた」30%

私が株式投資を始めたのと同じ「短期間でお金をもうけたいと思った」は8%と少数派です。

コレが一番ではない点になんとも日本人特有の生真面目さをそこはかとなく感じてしまうのは私だけでしょうか。(そしてそれが一番ハードルが高い)

その次に「余裕資金が出来た」17%

20代や30代などの若い投資家の割合が少ない傾向にあるのはまさにここに原因があると考えられます。

仕事を始めて間もない人ほど様々なコストがかかります。

収入も少なく、一人暮らしにかかる家賃や家電製品や車や…様々なものを買い揃えます。実家が裕福で様々な援助でもなければこれを揃えていくだけでも一苦労です。

ご実家の経済状況によっては家電製品や引っ越し費用は貸してやるが必ず返せということも決して近年は珍しくありません。

すると少ない手取りはさらに少なくなります。また奨学金を借りていれば返済も始まります。

賃貸物件であれば2年ごとの更新費用で1ヶ月分プラス火災保険などに費用もかかります。

月々少しずつでも貯められる資金が一定水準を超えると、そろそろ自分も投資を始めようかとなります。

この水準は人それぞれですが、サラリーマンであれば私は6ヶ月分の生活支出※を上回る預貯金以上からが投資を考え始めるタイミングの目安としています。

※傷病手当金などの社会保障で補填されるのは休業前所得の2/3かつ1年半まで。

1/3の所得を18ヶ月の間で補うためには6ヶ月分の貯えがすぐに使える資金としては必要。

その他、冠婚葬祭や急な出費なども一度に発生する事はほぼないため手元に置いておかなければならない資金は6ヶ月分と考えている。

医療保険や生命保険、就業不能保険などに加入していればこれはもっと少なくても済む。

 

「応援したい企業があり、その株式を買いたいと思った」4%

意外と多いかもしれませんね。こういう考え方はとても大切だと思います。愛着やこうした想いで始めると長く保有できるので是非頑張ってほしいですね。

日本人はどんなタイミングで投資を考え始めるのか

上の画像は主に男性だそうですが、最も多いのが「退職金」301件、「就職して定期的な収入を得られるようになったから」291件…

一方で女性はこのタイミングの他に結婚や出産などライフイベントの節目に投資を検討するそうです。

収入に幾ばくかでも余裕がないとすぐに解約をして取り崩すことになってしまいますから就業したタイミングやまとまった資金である退職金が入ったタイミングで検討するのは確かに一つの節目と言えます。

しかし就職と退職って下手したら一生でそれぞれ一回ずつくらいしかありません。

時間は有限ですからうかうかしていたらなんにもないまま退職時期を迎えてしまいます。

豊かな老後のために投資をしようというのであればまとまった資金の運用に限らず毎月預貯金へ積み立てるそれを積立投資する事が求められています。

ジ・カ・ンですよ、ジ・カ・ン!

時間を味方に、投資をするという考え方が若い人ほど武器になります。

 

何故、投資をしていないのですか?

うーん、調査によって随分乖離があってどれが日本の実態なのでしょうか。

「よく分からない、難しそう」53%

「株式投資等に回すお金がない」16%

「面倒、時間がかかりそう」14%

「関心がない」8%

数字は調査対象によって多少変動するでしょうけれどここまでは金融リテラシーの欠落によって出されていると考えられます。

「悪いイメージがある」3%

「投資したい商品や応援したい企業がない」2%

悪いイメージってどんなイメージでしょうか。

投資詐欺のような話でしょうか?

それとも目減りすることでしょうか。

だとすればここの数字は実際にはもう少し大きいような気もします。

投資を始める上で何が解決したら投資をしますか?

多くの投資をしていない人が自覚している最も多いのが「知識や情報」39%、

「どこから手をつけて良いか分からない」22%、

「身近に相談できる人がいない」14%、

「勉強しようと思ったが難しかった」13%、

「情報が多すぎて何を信じて良いか分からなかった」12%

 

これは面白いアンケート結果が出ましたね。

始めるにあたり「知識や情報」が欲しいと多くの方が思っているのに「難しかった」と断念していたり、「何を信じればいいのか分からない」と回答している人も結構いる結果です。

ではそこで諦めるのか?と考えた時に「相談できる人がいない」が一つの大きな課題になっていることが分かります。

日本人はお金の話を家族や友人でしたがりません。

「資産がいくらある」というような額については私も抵抗がありますが、「どんな投資・運用をしている」とか「老後にこれだけお金がかかるらしいよ」などの情報の共有はもっとされても良いと思います。

誰にも共有されていないのでオレオレ詐偽や振り込め詐欺に引っかかってしまう面もありますね。

また最低限の「知識や情報」は必要ですが、日本人は教科書や取扱説明書(マニュアル)が好きです。

投資の世界に正解はありません。結果論でしか本当に何が正しかったか分からないために様々な理論が跋扈(ばっこ)しています。

正解が分かっているなら誰もが投資は「自己責任」とは言わずに元本保証※してくれます。

※元本保証をしてくれるのは預貯金と所定期間まで持ち続けた時の保険くらいです。

外貨預金は預金ですが破綻時の預金保護の対象外、保険は払込期間等の条件付き。また近年は外貨建保険や変額保険などの運用リスクの伴う商品も多いが証券に比べればかなり良心的。

だからこそ経済や金融など多方面に渡る知識が求められるのですが、どうしてか投資をしていないのに理論・理屈にがんじがらめになっている投資家もどきが日本には多いですね。

車を走らせるのに最低限の交通ルールやマナーは学びますが、それだけでは運転出来るようになりません。

運転技術はハンドルとアクセル、ブレーキ、クラッチとシフトレバーをいじってなんぼでしょう。

投資を実際にやらなきゃ理屈をこねくり回しても運用のノウハウもコツも身につきません。

投資で大切なのは行動力、そして自分を変えられる決断力と意志力です。理屈や理論は最低限だけで十分です。IQ3くらいがちょうどいい程です。

行動を起こさない人は自分の中の世界を変えることさえ出来ません。

自分が立つ位置が変わらなければ、世界の見える景色も変わりません。やった者勝ちです。

投資を始めた人は何が後押ししましたか?

投資を始めた人が回答した始めたきっかけですが、第1位が「余裕資金の増加」23%…退職金かもしれませんし、相続や贈与などかもしれませんね。先立つお金がなければ投資はできませんので至極当然の考え方です。

次いで「信頼できる相談先」18%…投資について前述の回答にもありましたが、勉強したが分からなかった、難しいなどで諦めるのではなく、その先に相談先を得られるかどうかが第2位に来ました。探す努力も必要ですね。日本のIFAは数が少なすぎる現状があり、出会えたらラッキーくらいの水準です。

「生活環境の変化」15%…子どもの学校卒業や就職、自身の昇進や給与のアップなどの変化が第3位に来ました。ライフステージの変化に投資を始めるというのは保険の見直し・加入と似ていますね。

「魅力的な商品」14%…投資したい、または投資しても良いと思える運用先などが第4位でした。

国内に投資信託だけで6,200本以上…顧客ニーズと合った商品を見つけるのは大変です。というか、商品の選び方・比較の仕方さえ分かっていない人が9割かと思いますが。

これは知識が求められるジャンルですが、ここにお金をかけて学んでいないのではないでしょうか。

というか、日本の投資家はお金をかけて投資について学ぶことに意識が向いていない人が多い傾向にあります。情報は無料が当然と誤解しています。だから変な詐欺とかに引っかかって損をする人もいるわけですが。

投資の世界は正解のない世界です。繰り返しになりますが、結果論でしか本当の最適解は分かりません。常に参考書や模擬試験の答えばかりを見ながら問題を解いても、実戦で問題を解く際には参考書を片手にとはいきません。だから傾向から出題されるであろう問題を想定して数をこなすのです。仮説と検証を繰り返す。これが唯一の解へたどり着く方法です。

 

「制度変更等」「株式投資等について知識を得る機会の充実」「株式投資等を始めるにあたり、勉強する時間の確保」各8%…新しい制度(NISAやつみたてNISA、iDeCoなど)が始まったのをきっかけに、またセミナー等をきっかけとした投資の知識を学ぶ機会が増えた事から投資を始める人も一部いるようです。日本人らしいですね。

 

「株価の上昇」「インサイダー取引の対象・非対象となる範囲の明確化」各2%…株価の上昇局面にうまく始められた、または投資の懸念が明確になったからという投資家は少ないようですね。

 

投資を始めるために必要なこと

投資を始める上で大切なことは人によって異なります。しかし共通する事があります。

“投資が何故、必要なのか?”

これをきちんと投資家自身の動機と結び付けられるかどうかです。

知識や方法などは後から付いてきます。人を動かすのはいつも「何故」です。

この”何故”を見つけるために、セミナーに参加したり、本を読んだり、自分にとっての動機を探していくのです。

世の中の投資について学ぶセミナーは何かの商品を買うためのものが殆どです。知識やノウハウを提供するものが大多数です。

“何故”が分からないうちに、知識やノウハウばかりを集めるコレクターにならないように気をつけていきたいものですね。

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