投資を始めるなら証券取引所に見学に行こう!

NISAやつみたてNISA、iDeCoなど個人投資家の裾野が広がりつつある中で「投資」という手段をパソコンやスマートフォンの中で行うゲームの類のように感じられている人が増えています。(実感が湧かないという意味で)

一昔前は株式投資などの証券投資は証券外務員と対面で相談をすることが一般的でした。

日本初のインターネットでの株式売買を実現した松井証券

店頭を廃した完全なインターネット証券として最初期に生まれたマネックス証券

 

しかし2000年に松井証券やマネックス証券などのインターネット証券の登場によって外務員と相談しながら投資を検討するシーンは若い方を中心に少なくなって来ています。

理由の一つには外務員を介すると株式売買手数料や投資信託の購入時手数料がインターネット証券での取引よりも割高になるというコスト意識の高い方が増えただけでなく、凡庸な外務員が知っている情報も個人投資家の触れる情報も程度の差こそあれ情報の非対称性がかつてよりも小さくなって来ていることにその遠因はあります。

日本最大級の国産投資信託の1つである「ひふみプラス」(マザーファンドひふみ投信)のファンドマネージャー藤野英人氏はこの点に触れて、会社訪問や工場見学、経営者や従業員などの元を訪ねて多くの人がインターネットなどを通して得ている情報との違いを感じ取る事がファンドマネージャーとして不可欠であるとアクティブファンドの本質を語っています。(カンブリア宮殿2016年2月放送)

 

一方で証券外務員の元には沢山の市場の動向や情報が自然に入って来ますが、個人投資家は自ら情報を取りに行かなければ自分にとって都合のいい情報しか検索しないという偏り(バイアス)があります。

インターネットでの検索は検索窓に検索のための条件を入力しなければ検索はされません。

情報取得の経路と取捨選択を自力で行う必要があります。この点をコストがかかからとコストカットしてしまうことは、自分で情報を好き嫌いを別に広く集めて整理して理解することが困難な人は自ら情報入手経路を制限している事になります。

不足の情報はコストを払ってでも信頼できる証券外務員や店頭を活用して情報を得る必要性があるのではないでしょうか。

投資におけるファイナンスの面だけで語るなら確かにコストがかからない方が嬉しいですが、普段は証券や経済の仕事をしていない人が手っ取り早く必要な情報を得るためにコストを支払うのに何故か日本人は情報は無料であると誤認している人が多いようです。

新聞だって購読料を支払うのに投資における情報はどうして無料だと思い込んでいるのでしょうか。

日本人が頭でっかちで、知識ばかり身につけていますが、投資は情報と知識と教養と想像力(クリエイティビティ)を掛け合わせて用いる必要がある行為ですから、理論やテクニックだけ身につけたのでは如何ともしがたい部分があることは多くの投資経験者が感じている事ではないでしょうか。

投資を始めるなら証券取引所へ見学に行こう

例えば首都圏にお住いの方であれば日本最大の証券取引所である日本証券取引所(通称JPX)は茅場町が最寄駅です。

上記の写真は正面玄関側ですが、見学はこの真裏が入口となります。奥行きがある建物なのでそこそこ歩きます。

入場無料ですが、入口で空港の手荷物検査のようなレントゲン撮影や金属探知機でのチェックが必要です。終わると首から下げる見学者用入館証を受け取れます。

チェックが終わると受付で代表者がタブレット端末で人数などの簡単なアンケートに答えます。

パンフレットを受け取り、あとは自由見学です。

 

資料館は日本の証券の歴史がぎっしり

入口の保安場の右手には日本の証券取引所の資料館になっていて江戸時代や明治時代からの日本の証券取引の歴史を知る事が出来ます。

証券投資というと株式投資をイメージする方が多いかもしれませんが、株式だけでなく債券投資の歴史についても学ぶことができます。

2009年に証券の電子化が進められ、現在では株券や債券そのものを見る機会は殆どなくなりました。

例えば債券投資では利息を毎年などの定期で受け取る事が出来ますが、債券の周りには画像のようなクーポンが付いていて、これをちぎって銀行などへ持っていく事で利息を受け取る仕組みの名残を見ることができます。

利息がいくら受け取れる…頭の上では理解している事でも歴史を知る事でその仕組みの本質に触れることができるようになります。

また株式の証券についても日本を代表する大手企業の昔の証券を見ることが出来ます。

サンリオの証券にはキティちゃんが描かれているが、電子化された今日ではこういった事に触れることも少なくなりつつあります。

この資料館には日本における資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏の功績についても触れる事が出来ます。

第一国立銀行(現みずほ銀行)を始め、七十七国立銀行(現在の宮城県の七十七銀行の前身)など数々の銀行を設立。

東京海上火災保険(現在の日本最大の損害保険会社である東京海上日動火災の前身)、王子製紙、田園都市(現在の東京急行電鉄)、京阪電気鉄道、帝国ホテル、キリンビール、サッポロビールなど多種多様な500以上の企業の設立に携わりました。

この東京証券取引所も渋沢栄一によって設立された会社の1つです。

日本証券取引所がある日本橋兜町は日本の金融発祥の地であり、証券取引所の隣は旧渋沢栄一邸があります。

3階に上がるとテレビで観たことがあるあの場所へ

シリンダー状のここは”東証アローズ”のマーケットセンター。

株価を発信したり、売買に不正がないかを監視する監査業務の人たちが働いています。

上部を走る電光掲示板は売買が成立した物から順に表示される仕組みで、売買が活発に成立すると流れが速くなります。

マーケットセンターのすぐ横では特別セミナーや講演会などが催されることも。

マーケットセンターには一階や二階に吹き抜けの小部屋が設けられています。

大手通信社などの部屋で、ここから中継をしたりしているメディアセンターと呼ばれています。

吹き抜けというかカーテンも壁もないので中で寝そべっている待機中の人などが見えます(笑)

またマーケットセンターの横(2階)では上場セレモニーなどイベントが開催されます。

1年の取引の始まりの日を大発会、1年の最後の取引を大納会と呼びますが、これらのイベントもここで行われています。

イベントがなければこんなに近づいて見学もできます。

経済の脈動を感じられるかも。

 

ちなみに上場セレモニーが終わるとシリンダーを挟んで反対側(証券取引所正面3階)にある上場の鐘があります。

これを鳴らすのは企業の経営者にとって1つの目標という方もいるのではないでしょうか。

日程が合えば、鐘を鳴らすシーンに立ち会えるかもしれませんね。

 

マーケットセンターの中には三菱電機による巨大取引ボードが掲示されていて、日経平均株価やTOPIXなど各種指標がリアルタイムで一覧表示されています。

またマーケットセンターを囲む3階の廻廊には日本証券取引所の歴史がパネル展示されていて、機械化されるまでの様子や立ち会いが廃止されて姿を変えていく様子などの記録を見ることもできます。

建物を再利用したのでマーケットセンター以外は殆ど昔のままなんですよね。

予約をしていけばバーチャル取引を体験できる

開館時間の毎時00分からは予約制で株式投資をバーチャル体験出来る「マーケット・エクスペリエンス・コーナー」があります。

誰が一番資産を増やせるか競えます。子どもが小学校中学年くらいからだといい勝負が出来そうです。

※予約なしでも二台だけ体験できる機械が設置されていますが、ハマっていつまでもやり続ける人がいるとね…(;´д`)

とうしに会える?

実は日本証券取引所にもゆるキャラがいます。

投資にちなんで「とうし」と言う名前です。雄牛ではありませんが、多分オスっぽいです。名前の響きではなんとなく強そうですが、結構デザインはゆるめのキャラクターっですね。

最後に

株式や債券、投資信託など多様な金融商品がある中でiDeCoもNISAもつみたてNISAも選択肢の一つに過ぎません。

金融の基本を学び、投資が私たちの生活に身近なものだと感じる機会はなかなかありません。

頭でっかちになる前に、投資に関心を持ったらまずは証券取引所へ見学に行ってみてはいかがでしょうか。

日本には現在五箇所の証券取引所があります。かつては広島にもあったのですが段々とJPXの勢力が大きくなり東証と大証まで統合されました。その内、全て統廃合されそうな感じですので地方の証券取引所は行ける時に見学されておくことをお勧めしますよ。

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