市場価格調整MVAは何故あるのか?正しいリスクについて知る

資産形成機能を持つ保険商品(外貨建終身保険や外貨建養老保険、個人年金保険など)を契約する際に

市場価格調整(MVA)という仕組みを取り入れているものがあります。

しかしこの仕組み、デメリットを前提として説明されることは多くても

メリットにもなり得る点を多くの方はご存知でしょうか?

MVAとはそもそも何か?

市場価格調整(Market Value Adjustment)は解約をした際に適用になる控除額の一つです。

外貨建保険商品の場合には外国債券での運用(市場金利)を前提に商品設計がされています。

しかし金利というのは日々変動しているもので、安全資産とされる債券でも長い年数で見て

契約時と解約時・満期時では変動があります。

契約時に10年後に満期保険金を受け取れる資産運用商品を契約した場合、

保険会社は同じタイミングで契約をした契約者の契約期間に応じて、

保険料を基に長期国債を購入します。

 

この場合10年が満期ですので、10年国債を買えばちょうど満期の時まで

利息が毎年入ってきて保険会社はその利息を保険の解約返戻金に充当していきます。

契約者が満期まで持ち続けてくれるのであれば複雑なことは何もありません。

 

しかし途中で資金が必要になったなどの理由で満期を待たずに解約をする場合には、

少し事情が変わってきます。

契約時の国債の利率と、解約請求があった時点の国債の利率にギャップが生じていることが一般的です。

 

国債金利は変動する

上図をご覧の通り、先進国の金利はアップダウンがあるのですが、

長期的には徐々に低下している傾向にあることが分かります。

 

金利は「経済の体温計」と呼ばれ、経済成長が鈍化していくほど金利は低く設定されていきます。

長期国債は10年ものの国債を指し、その国の預金や貸出金利にも反映されていきます。

最近はアメリカ経済の復活に伴い、アメリカの中央銀行FRBの利上げが度々ニュースになりますが

かつての6%超という高利回りは日本も含め、先進国ではなかなか期待しづらい面があります。

 

債券価格と金利の関係性

 

もし契約者が満期まで契約を続けてくれたとしたら保険会社は

長期国債からの利息を安定的に受け取ることができます。

その一部を契約者の解約返戻金として返しているので、

人のお金を預かって運用をして、しかも増やせる…

資産運用ができるというのは金融機関にとって非常に強い武器になっています。

しかし契約者が途中解約を申出た場合にはその債券で運用している

資産を取り崩さなくてはなりません。

そこで適用されるのがMVA(市場価格調整)です。

 

 

仮に契約時に1.5%の国債を買っていたとして、解約時に3%の金利になっていると

債券の売却価格はこの2つのギャップ分だけ値下がりしています。

(債券価格は金利が上がると価格が下がり、金利が下がると価格が上がる原則がある)

解約ということは債券を現金化する必要があるので、わざわざ安い価格で

保険会社は債券を売却をしなくてはなりません。

 

一方で契約時に1.5%の金利だった国債を保険会社が購入し、

金利0%にまで低下していた場合には

債券価格は上昇していますので売却をすると金利変動がなかった場合よりも

多くの資金が現金化されてしまいます。

このお金は契約者にお金によってもたらされたものですから、

契約者の解約返戻金に上乗せして分配されます。

 

株式と債券の相関性

 

債券はその国の株式市場が活性化している時に、ブレーキをかける役割があります。

株価が値上がりしている時に、債券金利は下落(債券価格は上昇)します。

株価が値下がっている時に、債券金利は上昇(債券価格は下落)します。

 

経済の仕組みである株と債券の関係性を理解していると市場価格調整を

導入している金融商品は決して悪い商品ではありません。

市場価格調整の仕組みは株式や投資信託だけをやってきた個人投資家にはなじみの薄い、

債券投資の仕組みだからです。(日本では債券投資はメジャーではないので)

わかりづらいだけです。

 

MVAに加えて解約控除が設定されているのが一般的

 

また市場価格調整(MVA)は利回りという運用面での早期解約による損益リスクを

契約者と分担する仕組みでしたが、契約の中では解約そのものに対するペナルティーとして

解約控除を設けていることが一般的です。

 

この解約控除は私たちの生活の身近なところでは

携帯電話の2年縛りなどが代表的です。

 

保険商品の場合、ここまでご紹介してきたように10年という期間で

この解約控除を設けていることが殆どです。

早期解約による損失(得られたはずの利益)を契約者の解約返戻金から控除する仕組みです。

 

これによって変額保険や外貨建て保険商品の殆どは解約控除が設定されています。

もっとも平準払い保険の場合には解約返戻金と払込保険料とには契約当初そもそもギャップが

それなりにありますので、当たり前のように感じられている方もいますが。

MVAのない外貨建保険商品

例外1)ジブラルタ生命ドル建養老保険

 

米国資本プルデンシャル・ファイナンシャルの日本法人の一つジブラルタ生命の

平準払い外貨建保険の中に「米国ドル建養老保険」という商品があります。

同社はドル建年金支払型特殊養老保険、通称リタイアメント・インカム(ドルRI)などで有名ですが、

最近代理店に解禁になった商品でこのドル建養老保険は一般的な養老保険と同じ四角い保障のタイプです。

あまり知られていませんが、本来は法人契約向けの損金対策商品だったようですが

代理店向けには個人保険でも契約ができる様になりました。

(直販の保険募集人は取り扱えないという点も珍しい)

 

この商品の何が珍しいかといえばMVAのない外貨建て商品という点です。

解約控除と銘打っていませんが、払込保険料と解約返戻金のギャップはあります。

保険商品では当然といえば当然なのですが。

 

例外2)ソニー生命ドル建一時払終身保険(無告知型)

 

こちらも今年新発売になった一時払い商品ですが、

解約控除やMVAを設けていない点では非常に珍しいタイプです。

また契約者貸付も利用できるのでアメリカ国債の対日本との金利差を考えると

時間をかけて資産を増やしたい、中途解約もありえるという場合には

非常に良い選択肢と言えます。

(最低保険金額1万米ドルからなので100万円前後から始められます。1$=100円として)

加入年齢に制限があり50~90歳未満…若い人にも解禁してほしいですねorz

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