つみたてNISAの対象商品に潜む7つ目のリスク

私は昨年から「つみたてNISA」には6つのリスクがあると伝えてきましたが、7つ目のリスクが残念ながら判明しました。

 

さりげなく増えている対象商品数ついに144に

2月初旬に金融庁のつみたてNISA対象商品一覧が更新されていました。

実績のないインデックスファンドがまた増えていますね。

次々にインデックス型の対象商品が増えている理由は「つみたてNISA」の認定商品のための条件は手数料の安さ、設定されている運用期間の長さ、金融庁への届出だけだからです。

つまり多くの投資家が期待しているであろう”運用実績のある投資信託”である必要はないので、「ウチの商品もつみたてNISA対象になっています」と言いたいだけの会社が続々と参入しています。

こういった実態のない商品は名指しで晒したいくらいですが、更新されるたびにやっていたらキリがないですし、ご自分で調べる努力をして欲しいと思います。

自分の頭で考えずに始めた投資ほど身にならない捨て金はありません。

投資は常に勉強が必要です。

つみたてNISA”本来”の対象商品は50本だけです。それ以外は後から追加された運用実績の殆どない投資信託です。(DCからの転用も一部ありますが)

 

積立王子が良い事を言った!運用会社が儲からないリスクは投資家に跳ね返る

 

日経マネースタイルで様々な運用会社などの方が週一回くらいコラムを掲載しているのですが、積立王子ことセゾン投信の中野社長がこんな事を書かれていました。

つみたてNISA 低コスト投信への一極集中は危険
積立王子のヤング投資入門(10)
2018/1/11

差別化を図りにくいインデックス型投信においては商品優位性を「コスト」に求めるしかなく、最安では0.16~0.17%という極端に低い信託報酬のインデックス型投信が乱立する、あたかも無間地獄のごときコスト競争が続いています。0.16%では仮に10億円の資産を集めても信託報酬はわずか160万円でしかありません。

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販売する側からしても、運用する側からしても儲からない所か利益なし。

販売する側からすればボランティア。売れば売るほど人件費を捨てるビジネス、それがつみたてNISAです。

しかし中野氏のこのメッセージでつみたてNISAが抱える大きな欠点にもう一つ気づきました。

 

中野氏はつみたてNISAに選ばれた数少ないアクティブ型ファンドの運用会社を経営しています。

また著書「投資信託はこの9本から選びなさい」など近年の積立投資普及において大変大きな役割を果たされている方でもあります。

積立王子…という点は触れないでおきましょう(笑)

 

氏の会社はアクティブ型ファンドのみを運営していますから、当然インデックスに対してはネガティブな傾向があります。

しかし著書の中でも決してインデックス型を否定しているわけでもありません。

インデックス投資は確かに海外では実績のある堅実な長期投資法の一つと言えます。

投資とは投資家の考え方を反映したものですからアクティブが良い、インデックスが良いではなく投資する人の考え方次第です。

 

手数料が安すぎるインデックスファンドの危険性

 

以前、私はお子様(0歳)の教育資金を投資信託で積立運用したいというご相談をお客様からされた事があった際に「辞めておきなさい」と話したことがあります。

そもそも日本で18年もの長期に渡って運用出来ている分類平均以上のまともに運用が出来ている投資信託は国内約6,000本のうちわずか2%でした。

98%は平均リターンにも満たないダメ投信か、運用が途中で終わってしまう短命投信でした。

本来は長期投資するほどに有利になる投資信託が、日本では平均保有期間3〜5年の短命商品と課しているのは運用会社や販売会社の責任ばかりでなく個人投資家の金融に対する教養のなさ(学ぼうとしない姿勢)が招いた結果です。

無間地獄とはまさにその通り。10億円の資産を集めて160万円の利益…会社としてやっていけるでしょうか?

人件費や様々なコストを入れるても採算が取れないのは明らかです。

では採算が合わないと判断した投資信託はどうなるのでしょうか?

赤字を垂れ流してでも20年間しがみついてでも運用を続けるのでしょうか?経営判断として行くも地獄、引き返すも地獄です。

98%の投資信託がこれまでやってきた事と同じ結末、繰り上げ償還という運用の強制終了を迎えるのではないでしょうか。

98%って殆どという確率です。

投資商品が繰り上げ償還されるリスク

ドルコスト平均法の売却価値は「価格×口数(量)」で決まりますから売却時の基準価格が強制的に決められるのは非常に危険なリスクです。

投資額を回収するよりも下回る基準価格だった時に強制売却されると損失が確定します。

特定口座での投資のように3年間の損益通算もNISAやつみたてNISAでは認められていません。

また繰り上げ償還がNISAやつみたてNISAでされる事ほど怖いことはありません。

何故なら繰り上げ償還されたとしてもNISAやつみたてNISAでは売却したものとして扱われるため各制度が非課税として設けている5年や20年の期間内で起きたとしても買い直しは買い直した年の新たな拠出枠としてカウントされるためです。

 

つみたてNISAは机上の空論

その他、諸々の露呈していたリスクと合わせると20年という長期投資は日本では机上の空論だと言えます。

つみたてNISAは金融庁が手数料是正やインデックスファンド普及のために仕組んだ制度で、本当の投資家の資産形成を考えて作られた制度ではないと断言できます。

もし本当に個人投資家の資産形成を考えるならNISA口座やつみたてNISA口座でそれぞれの非課税期間に売却しても再投資が出来る仕組みにするはずです。

日本での投資信託での運用は長くて5年、長くても10年が限界でしょう。

そういえば…そんな事が日本でも出来る運用益非課税の制度や商品があと2つだけありますね。

 

インデックスファンドでのつみたてNISAを良い制度だと流布する人は投資経験のない人か、金融庁の回し者か、よほどこの国をダメにしたい人のどれかでしょう。

雑誌やメディアの言うことなど信じるだけ損をします。

ご存知でしょうか?アメリカで投資信託でのインデックス運用が流行したのは1990年代、インターネットが普及する以前の時代です。

インターネットの普及が様々なものの変化をもたらした事は知っての通りですが、投資においてもコンピュータとインターネットの普及は大きな変化をもたらしました。

それに伴って投資方法も既に変化しています。

日本は一周か二周遅れて今更な事をまるで必勝法のように制度として取り入れようとしています。

本当に個人投資家はそこに「非課税」というエサに釣られてホイホイ乗っかって始めて大丈夫でしょうか?

某iDeC◯のような特別法人税を投資に埋め込んだらしないでしょうか?

 

私はつみたてNISAはやりたくない

つみたてNISAのインデックス型は商品のバリエーションも選べません。

アメリカで株価が下落すれば、日本株も下落する。アメリカで株価が上昇すれば、日本でも上昇する。

連動しすぎていて、もはや外国株と国内株を分けて投資するくらいではリスク分散にならないのは自明の理でしょう。

株式のリスクを本来カバーする債券投資信託はつみたてNISAの対象外です。

つみたてNISAで無理矢理やろうとすればバランス型(4指数とか8指数とか)ですが、絶対に今始めると損をすると分かっている国内債券が強制的に高い比率で組み入れられています。

その分、運用効率も落ちるのでバランス型は選択肢に入るはずもありません。

でもでもどうしてもNISAでなく、つみたてNISAでやろうと思ったらアクティブ型しか選択肢に残らないと言うのは何とも皮肉です。

 

そんなに販売手数料3.24%支払うの嫌ですか?

販売に携わる人がいるという事はその人の人件費が発生します。

投資信託の説明や手続きには資格も知識も経験も必要です。

販売窓口からすれば3.24%なんて安すぎるくらいです。なので私は個別相談では別途5,000円いただいています。

投資の仕組みやリスクや考え方まで全部説明して、その人に合ったものを提案する。

それでもほぼボランティアだと思っています。

 

つみたてNISAを始めるというのは販売手数料をけちってこんな危険を冒して、販売窓口と運用会社の経営体力を奪って投資するということです。

 

意味ありますか?

やるなら誰にも相談もせず、一から十まで完全自己責任で勝手にやればいいのでは?

証券販売に関わる外務員の説明コストや事務手続きをボランティアでさせて…それでこの国の投資環境が良くなりますか?

誰もまともな運用提案などしなくなりますよ。

 

もしあなたが日本の将来のことを考えるならつみたてNISAでインデックス型に投資しないことが大切です。

選挙は投票に行く事で民意を反映しますが、投資はNISA口座を開設しない事が反対の意思を表明することになります。

投資はこんな制約や制限を受ける仕組みで行うものではありません。もっと自由であるはずです。

これは個人顧客の資産形成の現場で感じているIFAの1人としての切実な意見(Voice)です。

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