銀行でしか加入できない円定額払込のドル建終身保険の魅力とリスク

前回、前々回とトンチン年金(保険)を中心にお話をしてきましたが、今回は外貨建保険の払込保険料が為替変動を受けてしまう弱点を解消した保険商品がありましたのでご紹介していきます。

紹介するのは三菱UFJ銀行、三井住友銀行や一部の地銀などに銀行専業として生命保険を提供している日本で今のところ唯一の銀行窓販専業の生命保険会社PGF生命です。

PGF生命は正式名をプルデンシャル・ジブラルタ・ファイナンシャル生命保険と言い、大和生命が経営破綻した際にジブラルタ生命が救済して子会社化した保険会社です。

銀行窓販という銀行に来店した人の生命保険相談や預金の満期などを迎えた方への提案で三菱UFJ銀行を中心に販売がされています。

ちなみに同じと思われる商品ですが、銀行ごとに商品名を変えているようです(何故…?)

三菱UFJ銀行では『円払込定額型米国ドル建終身保険Neo』

三井住友銀行などでは『円ぴた終身US』となっています。

違いがもしかしたら何かあるのかもしれませんが、パンフレットからは名前の違い以外を発見できませんでした。

為替の両替コストはどちらも同じでした。

 

ひとのやらないことをやる

こんな名言を遺したのはソニーの創業者の一人、盛田昭夫だったと思いますが、プルデンシャル・グループはソニー生命と日本での出発は一緒でしたからそんなフロンティア・スピリットがPGF生命にも受け継がれているのかもしれません。

 

ついに出た!円払込保険料固定のドル建終身保険

北海道銀行など地銀版のパンフレットもある。

 

PGF生命のドル建商品の驚くべき点は米ドル建終身保険特有の払込時の保険料変動を固定化し、円定額払とした点です。

為替は日々変動をしていますので、円固定で払込をするということは保障額が円高になると増え、

円安になると減るということになります。

こんなことを保障性の商品でやったのは旧アリコジャパン以来ですし、現存する保険商品を探してもマニュライフ生命の「こだわり個人年金(外貨建)」のような保障ではなく年金タイプ以来の登場です(((o(*゚▽゚*)o)))

 

一定額の保険料を払い込んで保障が増える分にはあまり困る人はいませんが、保障が減ってしまうといざという時に困ってしまいます。

そこでPGF生命は円換算保険金額を算出する為替レートを+20円ほど円安に設定しています。

すると急激な円安が進んでも20円まではさすがに一気には進まないでしょうということで保障額があまり減らない工夫をしています。

またあまりに為替が円安に進み、保障が減ってしまう場合には追加払込保険料を支払うことでその分を補ってくれるそうです。

これらによって保障額を極端に減らしてしまうということを避け、支払いは円定額で支払うことでドルコスト平均法(定時定額購入法)によって為替のアップダウンを平準化することができます。

 

また保障には通常の「死亡・高度障害」を軸とした基本タイプと、

公的介護保険における要介護2以上で保険金を支払う介護タイプを選べます。

保障領域が徐々に拡大しているという背景には、我々の抱えているリスクの種類が変化してきているということの表れでもあります。

 

円定額で保険料を積み立てるメリットとデメリット

保険料の払込が定額であることは払込期間中の大きなメリットです。

何しろ定額なのですから最終的にいくら払うかの計画が立てやすく、特に預貯金に十分な貯えがないけれど、将来に向けて資産を増やしたいという方にとってこれまでの外貨建保険は払込満了まで払いきれないリスクの高い商品でした。(このため預貯金からの移し替えができる人、貯蓄のできる人にしかFPも外貨建て保険は提案がしづらかった)

アメリカの対円における高い金利を味方につけつつ、ドルコスト平均法を活用した保障も積立もできる画期的な商品と言えます。

またそれでいて為替の両替コストは1ドルにつき0.5円とジブラルタ生命の他の外貨建て保険と同水準。かなり頑張っています。

 

ではデメリットとしてはどのような点があるかと言えば解約返戻金を受け取る際の為替リスクが一般的な外貨建保険と変わらないという点です。

あくまでも積立をしているのはドルのため、アメリカの金利が日本と比べて高い利率で運用されていても受取時には通常の外貨建保険と同様のリスクがあります。

マトリックスにすると次のようになります。

契約時の為替レートは1ドル=100円として

円高1ドル=80円

円安1ドル=120円として考えてみます。

払込時/受取時 円高 円安
円高

(保険料固定)

受取額が増える 受取額が凄く増える
円安

(保険料固定)

受取額がかなり減る 受取額が増える

 

これが一般的な外貨建保険の場合

払込時/受取額 円高 円安
円高

(保険料が安く)

受取額が増える 受取額が凄く増える
円安

(保険料が高く)

受取額が減る 受取額が増える

当たり前ですが、円固定の払込は払込保険料について固定しただけで、積立額のレートを固定した訳ではありません。つまり将来いくら受け取れるかはその時までの積立総額と受取時の為替レート次第というリスクは変わりません。

一方で払込中の保険料が変動するこれまでの一般的な外貨建保険はドル建での積立額が確定していますので、受取時にどれだけ受け取れるかは受取時の為替レートだけ気にしていれば良いことになります。

その代わりに払込の変動リスクを負う訳ですからやはり払込時に保険料が変動する一般的な外貨建て保険は預貯金から移し替えやコンスタントに貯蓄ができる人に限定されます。

 

本当に考えなければいけないのは払込だけでなく、将来の受取時のことも。

2016年以降、アメリカが利上げを力強く続けていくと表明しています。日本はまだ金利を正常化できる道筋が立っていません。

つまりアメリカとの金利差は今後しばらくは広がっていくと考えられます。

金利の高い国の通貨と円の関係は円安になる傾向にあります。

 

PGF生命の円固定の外貨建保険はあくまでも保障が軸で、貯蓄性は二次的な商品です。

当然ですが将来資金が必要となった際、解約時の為替変動リスク(円高リスク)までは保証してくれません。しかもその時にいくら貯まっているのかも不確定という要素があります。

ちなみにアリコジャパンの円固定払込ドル建終身保険はあっという間に販売が終了してしまいました。

PGF生命の親会社ジブラルタ生命も過去に豪ドル建リタイアメント・インカム・プラスを発売してすぐに販売停止したという前科があります。今回もそうならないとは限りませんので検討されている方は早めに結論を出した方が良いでしょう。

 

ちなみにこの商品は払込期間が…

この保険の惜しい点は保険料払込期間が10年か15年しか選べない点です。

最低保険料が月払3,000円〜、最低死亡保障2万米ドル(1ドル=100円として200万円)の両方を満たさないと加入できません。

 

受取時のリスクが同じなら円高を積立メリットに活かせるのは武器になる

正直、銀行以外でも扱ってほしい商品ですね(ㆀ˘・з・˘)

親会社のジブラルタ生命よりPGF生命はとんがった商品を時々出すので個人的に好きなんですけど、私自身では扱っていないのでパンフレットなどからしか得られる情報の中に留まってしまうのが残念です。

返戻率も細かな取り扱いも解説のしようがありません(ノ_<)

第一生命の銀行窓販を中心に保険商品を提供していた第一フロンティア生命も最近は一般の乗合代理店にも商品提供をしていますので、PGF生命さんも是非乗合代理店にも提供して欲しいですね。

もしくはジブラルタ生命さん、子会社の方が良い商品を提供しているってどうですか?(笑)頑張って!そちらでも販売開始してください!!

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