住宅購入時に失敗しないための3つのこと

 

 

2016年2月に日銀の金融広報中央委員会によって行われたわが国初の金融リテラシー調査。

『人生の三大支出』皆さんはご存知でしょうか。

 

その中で「人生で最も高い買い物」の一つとされているのが『住宅』です。

マイホームを購入する方も、購入をせず賃貸を選ぶ方も様々ですが住居にかかるお金は

人生で最大の支出の一つとなります。

住宅購入を検討されている方だけでなく、既に住宅を購入されている方や

現在は賃貸暮らしの方でも収入と収支のバランスをシミュレーションすると

下記のグラフのように購入をした方がお得な方と、そうでない方に分かれます。

【ある新婚共働き世帯の場合の預貯金残高推移予測】

上段:賃貸 下段:マイホーム

年収や年齢、家族構成、お仕事の状況、ライフプランよって実に千差万別の結果が出るので

『住宅は購入か?賃貸か?』は住宅情報誌で永遠のテーマとして頻繁に取り上げられています。

答えは「一人一人違う」ので、結婚したからマイホーム購入が正解とも限りません。

今回は気を付けたい住宅購入時の3つのポイントをお伝えしていきます。

1.マイホームは感情に振り回されてはいけない

まずやってはいけないことの代表に「先にショールームへ見学に行く」があります。

 

新聞や郵便受けなどにショールーム見学会のチラシなどが入っているのを見て、

「そろそろマイホーム(マンション)を買おうか」とまでいかないまでも

「見学くらいなら」と御夫婦で足を運ぶことにイエローカードです。

 

見てしまうと欲しくなってしまうというのが人の感情です。

賃貸住まいであれば毎月の家賃の支払い額と月々のローン返済額と比べてしまう人もいます。

「今の家賃と同じ月々の返済でマイホームが買える」

「家賃は払い続けても自分のものにはならない」

「マイナス金利の今がチャンス」

「頭金不要!」などと営業マンに言われるとなるほど、確かにと買った方が得なのではないか?

賃貸で家賃を払い続けるのは勿体ないのではないか?という感情が生まれます。

これは一見すると正論ですが、バイアス(偏った見方)が発生しています。

「欲しい」が先に来てしまうと「買うためにはどうしたら良いのか?」という具体的な方法を考え始めます。

 

住宅ローンの審査が通るのか?

初期費用や金利はどれくらいなのか?

何年返済で組むのか?ボーナス払いは?

具体的に話が進んでいくと住宅ローンという借金に加えて、将来の非常に長い期間のローン返済という固定されてしまうお金が発生してしまいます。

『人生で一番高い買い物』であるだけに二度目は基本的にありませんから、「一生に一度だから」と設備などにもこだわり始めます。

これによって家庭の生涯にわたる資金のうち、かなりの割合が支出に回ってしまいます。

生涯にわたっての収入や今後かかるお金の一切が把握できていないのに支出だけが決定すること、

これはファイナンシャルプランナー(FP) から見ても大変危険な状態です。

 

このまま購入をしてしまうといよいよレッドカードとなります。

 

家賃=月々の住宅ローン返済額ではありませんし、ローンが組める=返済が可能ではありません。

ここに住宅購入が『人生で一番高い買い物』である所以が潜んでいます。

 

 

これからの人生の中で起こり得る様々なライフイベントについて、

ライフプランニングを行い資金計画に見通しを立てることは長期のローンを組むうえで不可欠なことです。

先にショールームを見学ではなく、まずは自分の家計の状況を事前に把握することが不可欠です。

理想は常日頃から家計簿をつけ、将来必要な資金の貯蓄や保険、証券などを活用したライフプランをきちんと立てること。

これらは銀行勤務などの金融業界で働いている人でもなかなか大変な部分です。金融業界で働いていることとライフプランニングで必要な知識は全く別物です。

そのため日本ではライフプランニングをファイナンシャルプランナー(FP)が行なっています。

 

2.住宅ローンは誰に相談すればいい?

忘れてはいけないのが住宅販売の会社に相談をすれば買ってほしいので、そのための営業トークを行います。

銀行に相談をすれば同様に住宅ローンを貸したいので、借りてもらいやすくするお話をします。

FPに相談をするのがその解決策としては有効ですが、販売会社と提携しているFPの場合には

実質的に販売会社側の話(買った方が良いという話)をされる場合がありますのでその見極めが大切です。

大切なことは信頼できるFPに相談をすること、またそういった相談相手を常日頃から知っていることも重要です。

但しFPは医者によく喩えられます。

 

「どんな名医でも死んだ後に来てはヤブ医者だ」という言葉があるように、

既に手遅れとなっている家庭も決して少なくありません。

この場合はFPも、相談者も非常に負担を強いられます。

対策が取れるうちにきちんとFPと日ごろから家計の収支や住宅、保険、教育資金などについて

十分な相談と解決のための方法に取り組んでいることが重要です。

また医者に内科、外科、耳鼻科、小児科などの専門分野が分かれている様にファイナンシャルプランナー(FP)にも

得意ジャンルと専門外のジャンルがあります。

そのFPの専門分野がどこなのかを知っておくことも大切です。

 

 

住宅ローンのシミュレーション結果が出るとマイホーム購入をした方が家計的にプラスであるか、マイナスであるか。

家計における長期の資金計画に見通しが持て、月々の無理のない返済額やローン期間、ローンの種類(固定・変動など)も把握できます。

3.住宅購入と生命保険・損害保険

意外と驚かれる方も少なくありませんが、住宅を購入する際には保険の見直しが大切です。

ⅰ.団体信用生命保険

一般的な住宅ローンを組む際には「団体信用生命保険」(団信)と呼ばれる保険へ原則、加入をします。

団信は契約者(ローンを返済する人)に万が一のことが起きた際に住宅ローンの返済と相殺をするためのものです。

 

万が一は団信によって異なり、一般の生命保険と同じように死亡・高度障害だけに対応している場合や

三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)や6疾病(糖尿病・肝硬変・腎不全)などまで保障範囲を広げたプランがあります。

「住宅を買うと生命保険がタダでついてくる」というトークを住宅販売の営業マンがする場合がありますが、

保険料は月々のローン返済額の中に組まれています。または初期費用の中に組まれていて、契約者に見えづらいカタチで転嫁しているので決してタダ(無料)というわけではありません。

団信は国内大手保険会社が引受をしてる場合が殆どで、住宅ローンを組む金融機関はその代理店になっていることが殆どです。またどこの銀行でローンを組むかによって、この取り扱っている団信の保障の種類が異なるので、上記にご紹介した保障範囲も変わってくる点を忘れてはいけません。

また殆ど知られていませんが一番メジャーな機構団信の保険料は年齢ではなく返済期間で設計されており35年までは一律の保険料を適用しています。

機構団信(特約保険料 保障額1000万円の例)

http://www.jhf.go.jp/files/100014177.pdf

言い換えると35年ローンを組む場合、20代でも30代でも、

極端ですが40代でも50代でも保険料が変わらないということになります。

若くして住宅ローンを団信付きで組む人の保険料は40歳、50歳でローンを組む人など

死亡リスクの高い世代に充てられているという問題があります。

つまり折角、若くして保険料も少ない負担で済むのにわざわざ高い保険料を払って団信に加入しているということになります。

対して一般的な生命保険は歳を重ねる一歳刻みでリスクが高くなりますので、それに応じて保険料が高くなります。

こちらは若い独身の頃にきちんと加入をした生命保険であれば安い保険料で、生命保険料控除が年末調整・確定申告で利用でき所得税・住民税などの減税効果も得られます。

また近年、非喫煙体や健康優良体割引などのリスク細分型保険が登場しており条件を満たす方であれば1~2割も保険料が安くて同じ保障が得られたり、保険料が一定期間ごとに安くなるなどの設定も可能です。

そしてこの点もあまり知られていない点ですが殆どの場合、一般の生命保険は受取人を債権者に設定をする『質権』設定が可能です。

取扱は各保険会社ごとに異なりますが、加入後に保険金受取人の変更手続きなどでこの設定を行うと

・団信保険料を削減できる

・生命保険料控除が利用できる

・早い時期からの加入で保障が得られ、健康状態による加入できなくなるリスクを回避できる

これらの利点を活かすことが可能です。

更に近年、「就業不能状態」に対する保障をカバーする生命保険も登場しています。

3大疾病や6大疾病など重篤な病気になった時に住宅ローンの返済が免除になることは契約者としては大変助かるのでしょうが、その分の負担する保険料も高額になります。

何より重篤な病気や就業不能状態になった時に必要なのはローンの免除だけでなく、自分や家族も生活をしていくための治療費や療養費を含めた収入の確保ではないでしょうか。

団信では住宅ローンの返済免除の一部しか果たせず、生命保険代わりとは言い切れない面が多々あります。

これらのことから将来のローン返済に利用できることを考えると若い時期にきちんといた生命保険への加入は非常に有利な自己投資になると言えます。

 

ⅱ.火災保険・地震保険への加入

火災保険・地震保険などの損害保険は住宅購入時に様々な書類と一緒にまとめて手続きをしてしまうため、

内容を良く理解せず契約をしてしまっている場合が非常に多くあります。

損害保険は生命保険と異なり、日常生活の実に様々なシーンで活用できる方法です。

・風災や雪災による屋根・外壁などの破損

・お風呂や水道管などの設備トラブル

・子どもがいたずら書きしてしまった壁紙の張り替えや障子などの破損

・子どもの成長記録を撮っていたカメラやビデオの破損

・ペットがひっかいてしまったソファーの修理

・着ていたスーツやパンツなどの破れ

・自転車事故で相手をケガさせてしまった場合の賠償

 

 

これらは火災保険の様々な特約を活用することでその損失を補てんすること、買い直す費用などが補償されます。

しかし多くの住宅購入時に加入する火災保険などではこれらは十分に説明されていません。

複数の火災保険を比較すると保険料も驚くほど異なり、同じ保険料で様々な特約を付けた場合と同額程度だったりすることも珍しくありません。

また1998年以前に住居を購入した際に加入の損害保険は時価額契約による超過保険状態という非常に危険な状態や、途中で火災保険の見直しをご自分でされて一部保険などの補償額が適切に設定されていない場合があります。

地域によっては共済の火災保険へ加入をしている場合には上記の様々な補償が得られず、保険料も割高になっていること(または補償が少なすぎる)が散見されます。

住宅ローンを組む際には複数社の損害保険を扱っている保険代理店やFP会社へ相談をすると一か所で様々な相談が可能です。

 

まとめ

住宅購入の際には具体的にこれら3つを専門家が分析をして、その家庭のライフプランに沿った住宅ローン種類や返済期間、返済額の設計を行ったり、必要な保障や補償をプランニングします。

これらをもし住宅ローンだけ、生命保険だけ、損害保険だけそれぞれの場所で行おうとするとどれだけ大変でしょうか。

住宅ローンのシミュレーションを含めたライフプランニングの分析から住宅購入、売却、住宅ローンの見直し、生命保険・損害保険の最適化など人生におけるお金のことを幅広く、ワンストップで提供できます。

「そろそろ住宅購入かな?」と思ったらまずはご相談ください。

 

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