医療保険は不要・無駄と考えている人に考えてほしいこと

大前提として様々な考え方があって良いと私は考えています。

「高額療養費制度がある」ということを知っている自己顕示欲を満たすために、

もし「医療保険は不要」ということを公言している方がいるとしたら、

それはとても残念でなりません。

本当に保険という仕組みを理解していないと明言していることに他ならないからです。

 

今回の記事は決してケンカをしようというのではなく、

不要と考えている方が陥っている前提条件の誤り(ボタンの掛け違い)に気づいてもらうために書いています。

本当に不要だと考えているのであれば不要で良いのではないでしょうか。

あくまで民間の保険は自助努力であり、自己責任が原則ですから。

 

保障を選ぶ時に元を取ろうと考えてはいけない

 

医療保険は相互扶助、助け合いの輪によって出来ている仕組みです。

一人の契約者に一方的にメリットのあるような偏りは不公平につながり、

相互扶助ではなくなってしまいます。(「特別利益の提供」と言います)

 

また保険会社にとって不利益(損失)が生じてしまう事態も

制度を健全に維持するためにはあってはなりません。

そのため加入時の健康状態を非常に厳しく診査しますし、

投薬一つ処方されているだけでも、不眠症とカルテに書かれても

症状や処方された薬の内容によっては加入が非常に困難になります。

 

保障は元を取ろうと考えては成り立たないものです。

保険金・給付金をはじめとして経済的に困ることがないように加入するものだからです。

一人のために保障があるのではなく、多くの人と支え合うためにある仕組みだからです。

 

貯金があれば医療保険は不要と説いている方もいるようですが、

では生涯においていつ、いくらかかるかもわからないお金として

一体いくらの貯金を絶対に手を付けない貯金として確保し続けるつもりでしょうか?

 

冒頭でもふれたように様々な考え方があってしかるべきですが、

医療保険が不要という考え方は一見すると確かに合理的なように見えます。

しかし加齢を伴う健康状態の変化、日本の経済状態、社会保障の推移などの多角的な視点で

物事を考えるというのが苦手とも捉える発言でもあります。

ここまでに挙げてきたこと、下記の点について考えても、

それでも不要であるというのであればそれはそういう価値観なので良いのではないでしょうか。

あくまでも人生は自己責任ですから。

医療保険は不要と考えている人は医療の実態を知らなすぎる。

 

健康保険は現在3割負担ですが、かつて1961年に日本で健康保険制度が始まった時は

保険料を支払っていれば医療費は無料でした。

1981年から1割負担となり、1997年に2割負担、そして2003年には現在の3割負担となりました。

自己負担が増えている理由は財源が厳しいためです。

今は健康な方も、将来病気にかかった時の医療費負担はどれくらいになるのでしょうか?

高額療養費制度があるから医療保険は不要…?

 

 

上図は直近数年間の高齢者医療費における自己負担の変化です。

 

これまで材料費だけしか取られなかった食事代も年々値上がりしており、

65歳以上の入院に関しては昨年からついに光熱費の徴収までされるようになりました。

高齢者の高額療養費制度の自己負担も増えています。

私たちが実際に医療のお世話になる時には

どれくらいの自己負担になっているのでしょうか?

 

現役世代のうちだけや若いうちだけを考えれば、

医療保険は確かに預貯金だけで十分かもしれません。

しかし生涯で医療のお世話になるのは70歳以降が約半分です。

そしてその時に健康保険制度や高額療養費制度が現在と同じままとは限りません。

 

お金がない、足りないことによって治療の選択肢が選べないという医療格差

現在あちこちで起きている社会的な問題であり、個人の経済的な問題(自己責任)です。

 

過剰に加入する必要はありませんが、最低限の備えとして医療保障は必要十分な範囲で

所得や収入に応じて備える必要があると私は考えています。

 

一生病気にならずに人生を終えられたら丸損だという考え方

 

保険は何度も繰り返しになりますが、相互扶助(助け合いの輪)です。

自分が使わなかったら勿体ないという方は、保険という仕組みを本当の意味で理解していません。

困った時は自分が助けられ、他の人が困っている時には自分が助ける。

自分は病気にならない前提や自分だけは多く受け取ろう、

元を取ろうという考え方では保険は成り立ちません。

 

元を取るために保険に加入するのではなく、

将来の経済的な負担を多くの人と分け合うために加入をする。

これが保険の根本にある考え方です。

最初から元が取れるようになど設計されていないのですから、

元を取ろうと考えること自体が無駄です。

もしここまで読まれて「それでも病気にならなかったら」という前提を持ち出すなら、

病気にならないという前提なら、多くの方と助け合う必要がないので

そもそも医療保険は考える必要がないということに気づいた方が良いでしょう。

考える前提条件が自分だけが受け取ることを考えるのか、

多くの人と助け合うこと前提に考えるかではまったく至る結論は変わってきます。

 

そして助け合うという考え方があるので、「保険料払込免除」という

三大疾病など所定の状態に該当すれば保険料の支払いが払込期間途中でも免除されるという

助け合いの恩恵があることを忘れてはいけません。

免除になるということは、その分の保険料は

加入している多くの方の保険料で賄われているということです。

自分に都合の良いように世の中はできていません。

だから多くの人と助け合える仕組みとして保険会社は存在しているのです。

 

結果として、残念ながら元が取れるほどに入院や手術をすることになる方も中にはいるかもしれません。

または残念ながら元を取ることができずに、亡くなってしまったりすることがあるかもしれません。

しかし保険契約をする際にはそういった仕組み(相互扶助)を理解して、

同意しますという内容の申込書・約款・重要事項説明を交付されて加入をしているわけですから、

「保険は勿体ない」「元が取れない」というのは

理解不足がまねていることが少なからずあるように思えます。

 

あなたの「医療保険はいらない」という考え方は何を前提に、そう考えていますか?

 

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