住宅ローンの繰上返済はしない方が良い場合も!低金利を味方に有利な資産運用を探る

日本では長らく超低金利の時代が続いています。

バブルの頃は住宅ローンの金利が今と比べると非常に高く、最盛期にローンを組んだ人の中には8%を超える高金利だった時代もあります。

バブル崩壊後、日本の経済を活性化するために引き下げられた国債の長期金利と連動して住宅ローン金利も低下を続けました。

 

2003年に住宅金融公庫が独立行政法人住民金融支援機構が誕生したのを機に固定金利『フラット35』を導入しました。

住宅ローンはフラット35に代表される「全期間固定金利」、市場の金利と連動して返済金利が変わる「変動金利」、固定◯年+変動金利の「固定期間選択型」の大きく3パターンがあります。

変動金利利用者は約40%、全期間固定は約30%、残りの約30%は固定期間選択型を利用しています。

近年は金利上昇リスクに備えて固定金利を選ぶ人、借り換える人や固定期間選択型を選ぶ人も徐々に増えつつあります。

衣食住が生活の基本と言われますが、例外を除いて住居費は生活コストの中で最もかかるお金の比重が大きく、住宅を建てるには少なくとも20〜30種の業種が関わります。

日本のバブル崩壊やアメリカのサブプライムローン・ショックに代表されるように不動産業界の波が経済に与える影響は少なくありません。

 

住宅ローン控除によるメリットは実質的マイナス金利効果

マイホームを購入する際に諸条件をクリアして住宅ローンを利用すると年末時点の借り入れ残高に対して1%の税額控除が10年間利用できる『住宅ローン控除』という制度があります。

年末調整の生命保険料控除や確定拠出年金の小規模企業共済等掛金控除のような所得控除とは異なり、その時に支払った所得税から直接控除される点で住宅ローン控除は強力な減税効果があります。

ローンを借りているのに所得税が還付される訳ですから、住宅ローン控除の10年間は実質的にマイナス金利で住居費を借りられる事になります。

このため10年以内に繰り上げ返済をするのは得策とは言えず、この期間の月々の預貯金やボーナスなどは10年の控除が切れた後で利用する方が合理的と考えている方も少なくありません。

 

この10年という時間を有効に活用する手段にはNISAや一時払終身保険などがあります。

また10年後の金利は分かりませんが、仮に金利が現在のような低金利だった場合には繰り上げ返済をあえてせずに資産運用を続けて金利上昇や退職などのタイミングに合わせて返済を行うという方法もあります。

 

低金利で必死に繰り上げ返済は節約?もしかしたらもったいないかも。

 

10年前までは住宅ローンの繰り上げ返済は家計の節約術としてとても有効でした。

5年前でもまぁまだ多少の効果がありました。

ところが今は既に繰り上げ返済は決して効果的な家計のファイナンスプランとは言えません。

投資法や節約術などのテクニックは時代と共に常に変化をするものです。

30年前なら「資産を10年で2倍にしたい」なら「貯金しろ」でしたが、今は「投資」となったようにです。

 

様々な銀行がシミュレーションツールを公開していますが今回は三井住友銀行のWebシミュレーションを利用してみました。

 

条件:3000万円の借り入れ

金利0.7%、35年ローン

残りあと10年で800万円の繰り上げ返済。

ただ預金している場合と繰り上げ返済をした場合では約33万円の節約となります。

 

仮に借り入れから10年後に同額の繰り上げ返済をした場合は次のようになります。

121万円の利息が節約できた事になる…つまりローンの残り期間が沢山残っているほど繰り上げ返済の効果は大きく、残り期間が短い場合にはあまり効果的ではないと言えます。(団体信用生命保険も自ら保障期間を短くしている事になるので)

では借り入れ当初の10年間や残り期間が短い場合、繰り上げ返済予定の資金を運用するにはどんな方法が良いでしょうか。

 

借り入れから10年間、資金をどのように運用して返済に備えるのか

 

ところで後者の上の例のように借り入れから当初10年は住宅ローン減税の効果を最大限に得るために敢えて繰り上げ返済をしないというのは今や常識となっていますが、その10年間、手元のまとまった資金やその後で積立をしていくお金の運用先としては何が良いのでしょうか?

まさか何もしないなんて方はいらっしゃいませんよね?

ご自身で投資や運用ができる方ならNISAなどで株式や投資信託を活用しても有効ですが、投資経験がない方がいきなり投資で成果を出せるハズもなく、気軽にまとまった資金を預けてメンテナンス要らずの運用先としてはほぼ一択で外貨建保険ではないでしょうか。

積立をしていく場合は改めてご紹介したいと思います。

 

運用の手間、つまりメンテナンスが不要で気にする必要があるのは払込時と満期受取時の為替変動リスクだけ。

今回はそんな代表的な2商品をご紹介します。

 

ソニー生命の50歳以上限定、一時払米ドル建終身保険が繰り上げ返済は勿体ないと教えてくれた

10,000ドルの最低保険料からスタートの一時払終身保険。

50歳以上から加入可能で、主に相続対策などに活用される無告知タイプです。

50歳の人でも、80歳の人でも返戻率は変わらない点、MVAがない点も分かりやすい商品です。最低保険料が10,000ドルから加入できるのも嬉しいですね。

契約4年目でドル建では返戻率は外貨建で100%を超え、年々解約返戻金は増加していきます。

 

経過年数 返戻率
1年目 94.46%
2年目 96.35%
3年目 98.28%
4年目 100.23%
5年目 102.21%
6年目 104.23%
7年目 106.26%
8年目 108.33%
9年目 110.42%
10年目 112.54%
中略
15年目 123.32%
20年目 134.29%
25年目 145.60%
30年目 156.74%
35年目 167.05%
40年目 175.88%
45年目 182.77%
50年目 187.60%

(´⊙ω⊙`)こんなに利率が高いと長期保有で殆どの円高に元本の毀損を心配しなくても良さそうです。

もし上記のようにローンが残り10年程度になってから預貯金800万円を繰り上げ返済に使っても節約できるのは33万円ですが、もし同額をこのような商品に入れると800万円×12.54%=1,003,200増える事になります。

1ドルが36円まで円高になったら繰り上げ返済した方が良かった!残念!

ですが…多分こんな円高になったらトヨタを代表する日本企業が軒並み潰れます。

 

ちなみに契約当初15年間は保障額も逓増して、16年目から保障額は定額となる商品です。(この商品で相続対策を除き保障重視で加入する方はほぼいないと思うので割愛)

指定通貨が米ドル限定となり、世界の基軸通貨に一部の資産を持つ意味は大きいと言えます。

ちなみに保障額は増えても最低保険料は10,000ドルのため最低保険料で始めると減額ができないそうです。※契約者貸付は利用可能。

解約控除やMVAなどの複雑な仕組みは一切ありません。シンプルイズベスト!

 

メットライフの利息が年一回から続々と出るサニーガーデンEX

 

米ドル建、豪ドル建2つのいずれかの通貨を選び、かつ3つのコースから運用方法を選べるメットライフ生命の一時払外貨建終身「サニーガーデンEX」はシンプルながら、かゆいところに手が届く商品として人気です。

最低200万円〜の「円ぴったり入金」でも始められ、利率は保険料払込日の適用レートとなります。

老後の資産の受け取りであれば毎年などの定期引き出しコースが嬉しいが住宅ローンの繰り上げ返済でもこの定期引出コースが良さそうです。詳しくは後述。

 

このブログを作成している2018年6月16日時点では次のようなレート適用となる。

積立金増加コースが最も利率が高く2.81%固定、最低の200万円だと1ドル=110円だとして18,181USDになり、10年経過でトータル5,100USD(561,000円)の利息が保険(解約返戻金)に上乗せされます。

定期引出コースだと利率2.76%なので、為替の変動がないとして毎年501USD(55,110円)を利息のように受け取れる事になります。10年での受取総額は551,100円です。

先ほどのソニー生命の一時払と同額を保険に入れるとこの4倍ですから…すごい事になります(そんなに資金力があるならNISAにも挑戦して分散投資した方が良いと思いますが)

実際の受取額や払込時適用レートは毎日10時30分過ぎにメットライフ生命のWebページで更新されています。

また積立利率も毎月1日、16日に更新されているので確認が必要です。

前述のソニー生命と同様に、年齢を問わず一律の運用の商品のため、払込日の為替レートによる微々たる差よりも1日または16日の利率の方を気にして始めた方が良いと思います。

ちなみに申込日ではなく、保険料の振込をした日の為替レートが払込保険料として適用されるのですが、緻密な為替のタイミングを考えて始めるのはあまりオススメしません。

積立利率がアメリカの利上げによって有利になると思って払込を伸ばしていると利上げを反映して為替レートがどんどん円安になっているためドル建にした際の払込保険料が結果的にどんどん少なくなっている上に、アメリカが利上げをしても市場では反動で6月1日の積立利率は逆に下がったりしている月もあります。

しかも利上げで為替レートは円安になっているので待った人は微々たる差を気にして寧ろ少しもったいない事をした事に。

そういう細かなタイミングを狙いたいのであればFXなどをした方が性分ににあっていると思いますよ。

また増やすという目的のためであれば本来は少し利率も良い積立金増加コースをおススメするのですが、200万円でも現在の利率だと10年経過後に受け取ると所得税が課税される可能性が高いため①定期引出コースを私は推奨しています。

またMVA付きなのが私は良いなと思っています。外貨建金融商品の最大のリスクって受取時の為替リスクではないでしょうか。

この商品は積立利率が10年固定ですが、途中解約時には解約時の市中の利率との差額が解約返戻金に反映されます。

詳しくは過去の記事を参考に。よくわからんという方は理解するまで保留にするか、やめておいた方が良いと思います。

『市場価格調整MVAは何故あるのか?正しいリスクについて知る』

 

10年間は解約控除がある点はソニー生命の一時払終身保険と異なる点です。

 

ちなみに損失の方のリスクがあるという事は、上記の増える部分に為替が円安になる事で上振れする面のリスクもあります。

リスクとは不確実性のある変動幅の事で、リスクを排除すると増える部分もなくなります。

 

外貨預金の方が有利というFPは税金の計算が出来ていない?

よくこういった外貨建の金融商品を提案するとしたり顔で「外貨預金の方が良い」というFPがいます。

外貨預金の10年定期に預けるのとはそもそもの目的が異なります。

例えばソニー銀行の外貨預金は10年定期の金利が2.35%です。

200万円を米ドルに10年預けて、受け取れる利息は為替の変動を加味せずに計算したとして522,948円ですが、利息には税金がかかるため実際に受け取れるのは416,711円です。

生命保険の定期引出コースや積立金増加コースは受取額が増えた部分には一時所得が適用出来ます。

 

(受取額-払込保険料総額-50万円)×50%

すると定期引出コースの場合、受取額が毎年50万円以下のため課税がされません。

55,110円が為替レートの変動を加味しなければ10年受け取れるので551,100円受け取れる事になります。

 

積立金増加コースは50万円を超える場合があるため、上記の例ですと561,000円には50万円の控除額で相殺できない61,000円の50%つまり30,500円が給与などと合算されて所得税が課せられます。

仮に所得税率20%の方なら6,100円が所得税という概算になります。

外貨預金の所得税106,237円と外貨建保険の所得税6,100円!外貨預金の方が高い!!

 

「外貨預金の方が有利」と信じ込んで国に10万円多く税金を支払うように仕向けているわけですから、外貨建保険より外貨預金の方が〜というFPは国の犬か回し者と疑うことが必要かもしれませんね。

昔は外貨建MMFの非課税とかあったのにね…(´;Д;`)今や生命保険かNISA、iDeCoくらいですよ。

※増えたお金には所得税の他、住民税が約10%別途課せられます。当ブログでは住民税までは考慮していませんのでご了承下さい。

まぁ、だとしてもまとまった資金の長期運用は預金より保険の方が利率も税制も有利だと思いますが。

 

外貨預金はあくまでも外貨の預金

私は預金って大切だと考えています。

しかし外貨預金って利率が円の預金よりも良いだけでそれ以外のリスク(受取時などの為替リスク、カントリーリスク)は外貨建商品のどれにだって同じようにリスクがあると考えています。

預金の最大のメリットは「いつでも引き出して使えること」これだけです。

外貨預金っていつ引き出すのでしょうか?

海外旅行の時?

引き出す時に為替が預けた時より円高なら損と言いますが、すぐに使うようなお金はそもそも外貨にしてはダメだと思うんです。

というか、すぐに引き出さなきゃいけないようなお金は投資や運用に使おうとしてはいけません。

それに利息を加味して本当に損だったのかの範囲を理解しているでしょうか。

 

私は「このお金、すぐには使わないなー」というまとまったお金は投資できる人ならNISA、その投資が分からない人は外貨建保険に入れて税制のメリットを受けながら増やす方が賢いと思います。

手元に100万円未満ではとてもNISAなどで投資を考える段階ではないので、積立投資でまずはきちんと資産を育てることが大切です。つみたてNISAとかは間違ってもやってはいけません。あんなのは国が株価支える代わりに国民に泥船支えるためにやらせようとしているヤラセですから。

国が公に宣伝してやる事にまともに国民にとってメリットのあることって今まで何かありましたっけ?変だなって思わない方がおかしいですって。

ちなみにNISAを一生懸命に宣伝していたのは銀行と証券会社など民間ですよ。

だって銀行や証券会社にとっても美味しい販売手数料が稼げて、個人にもメリットがある制度だったので。

 

外貨建一時払終身は10年、15年など会社によって様々

国内41社の生命保険会社には様々な商品があります。

外貨建一時払の保険商品の中には変額終身保険が混ざっているものもあります。しかし一時払外貨建変額保険は15年縛りの商品が多いので10年過ぎたら繰り上げ…という人にはちょっと合わないかもしれません。

 

ちなみに住宅ローンの金利が低いので、10年後に繰り上げ返済なんてせずにこのまま15年、20年って運用を続けた方が資産が増えて、団体信用生命保険も活用できてメリットが大きいという人も少なくないでしょう。

 

何しろ繰り上げ返済して節約できた資金も結局何かに投資しなければいけない上に、それをするタイミングって借り入れから10年経過後ですから保険でも投資でも10年の時間を捨てた事になるので運用としては取り戻せない不利だと考えることもできます。

買ったばかりの人などはそういった視点でも資産の運用をきちんと考えることをお勧めします。

関連記事

  1. 住宅購入時に失敗しないための3つのこと

  2. なんちゃってインデックスに気をつけろ!つみたてNISA(日経平均)にはまともなファンドが殆どなかった件について

  3. 資金流入超で注目のPIMCO国際債券型投資信託とは

  4. つみたてNISAの販売手数料ゼロ円はメリットどころかリスクがある?

  5. 外貨建保険は米ドルか豪ドルか?利率変動型か前納型か

  6. 企業型確定拠出年金がおすすめなわけ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA