先日、FP仲間と故郷の正月の過ごし方(主に食べ物)の話をしていた時に

「去年の正月、魚の骨が喉に刺さって病院に行ったんですよ」という話が出ました。

 

自分では取れない喉の手前あたりに刺さったという骨、

気になりますよね。

ご飯を一緒に飲み込んだりしたがダメで結局近所の病院へ行ったそうです。

 

小さな痛みってやたら痛く感じるんですよね。

医師はものの数秒で喉に刺さった骨を取り除くことに成功したそうです。

が、このFP本人は入院も手術もしていないので何の給付金請求も出していなかったそうです。

 

FPも知らない場合がある、これって給付金請求ができる?

さて一見するとこんな治療は医療保険の給付金の支払対象ではなさそうですよね?

しかしこれは外来手術(日帰り手術)扱いとなっています。

 

今回のケースのような簡単に除去できる場合には

医療報酬点数420点(4,200円)

咽頭ファイバーカメラ(内視鏡)などを使用する場合の除去は複雑なものとして

医療報酬点数2,100点(21,000円)で治療が可能です。

※平成28年度 診療点数の場合

3割負担なので簡単なものであれば1,260円。

複雑なものは6,300円が治療代としての自己負担です。

 

日帰り手術は治療倍率が低めに設定されていることが一般的です。

ご契約の内容によっても異なりますが、日額5,000円の契約の場合には

25,000~50,000円の手術給付金が受け取れる可能性があります。

(日帰り手術が対応の場合)

 

手術給付の請求には一般的には診断書(5,000円前後)が必要です。

しかし保険会社によっては簡易請求として医療点数明細や領収書のコピーを

提出することで給付金請求を受け付ける場合があります。

2007年以前と以後では大きく変わった医療保険

近年、民間の医療保険が大きく変化しています。

2007年頃まで主流だった手術は「88種」と呼ばれ、健康保険と異なる保障領域の治療も多いのが特徴でした。

(88種は凡そ600種類の手術に対応しているとされています。)

 

手術給付金の支払対象外だったり、給付倍率が低いなど契約者に分かりづらいという指摘が相次いだことから

以降に改訂された医療保険の殆どは『公的健康保険連動』を謳うものが登場しています。

 

上記の咽頭異物除去術は「88種」でも「公的保険連動」(約1,000種類の手術をカバー)でも

給付の対象となっていることが多い手術です。

「公的保険連動」で給付金請求が分かりやすくなった反面、

保険適用外の手術での給付が対象外となったのは医療保険に求めるものが変わってきたといえますが、

保障から外れてしまった治療にはどのようなものがあるのでしょうか?

またどのくらいの自己負担でできる治療なのでしょうか?

 

 

88種で給付金対象となる公的保険適用外の手術の代表例

 

持続的胸腔ドレナージ

気胸の治療に行われるチューブの中で空気・水・血液を抜く処置

医療診療報酬点数表にて手術以外(処置等)のため非該当

 

医療点数550点(5,500円)

 

歯根のう胞摘出術

歯根のう胞(歯の先端に膿がたまったもの)の治療

歯科診療報酬点数表には手術と記載があるが、医科診療報酬点数表にないため非該当。

1 歯冠大のもの 800点(8,000円)
2 拇指頭大のもの 1,350点(13,500円)
3 鶏卵大のもの 2,040点(20,400円)

 

歯周組織再生誘導法(GTR法)

歯周病で失われた骨を再生する治療

歯科診療報酬点数表にも先進医療にも該当しないため非該当。

5 歯周組織再生誘導手術
イ 1次手術(吸収性又は非吸収性膜の固定を伴うもの) 840点(8,400円)
ロ 2次手術(非吸収性膜の除去) 380点(3,800円)

 

レーザー椎間板減圧術(PLDD)

切開せずに椎間板ヘルニアの治療を行うもの。

傷や痛みも殆どなく、原則日帰り治療が可能。

※医科診療報酬点数表にて手術ではない(保険適用外)のため非該当

PLDD手術費用

 

下肢静脈瘤レーザー焼灼術

下肢静脈瘤の静脈をレーザーで焼き切ってしまう治療(レーザーの種類で保険適用か自由診療か分かれる)

医科診療報酬点数表にて手術(保険適用外)ではないため非該当

※980nmレーザー、1470nmレーザーは保険適用。2000nmレーザーは自由診療。

→下肢静脈瘤硬化療法は保険適用。88種では程度により支払可否判断。

 

K617-4 下肢静脈 瘤 血管内焼灼術
14,360点(143,600円)

子宮筋腫に対するMRIガイド下集束超音波

子宮筋腫で支給を摘出するのではなく、超音波で治療。子宮を残したままの治療が可能。

※医科診療報酬点数表にて手術ではない(保険適用外)ため非該当。

子宮筋腫、切らずに治療 超音波で狙い撃ち  新たな選択肢、体に優しく

 

病気の方にとっては治療費が捻出できるのであれば選択肢に入れたいものもあるでしょう。

これらの多くの治療は現在では健康保険適用外(自由診療扱)のため、民間の医療保険ではカバーされない点、

多くの保険会社で販売が既に終了していて加入する手段がない点も特徴です。

しかし保険会社によってはあえてこの「88種」を販売継続している会社もあります。

 

日帰り手術を手厚くカバーする虎の子の医療保険

88種の治療にだけ対応する医療保険ですが、既にご紹介の通り多くの保険会社では販売が停止されています。

しかしあえて商品改訂をせずにこの保険を販売継続している会社があります。

オリックス生命が販売をしている医療保険の中で「Relief W」(リリーフダブル)という商品があります。

 

 

この保険の特徴は死亡保障がセットになっている医療保険です。

現在販売が殆どされていない「88種」に対応する治療に対する手術給付をカバー、

その他にも外来手術(日帰り手術)の給付倍率が20倍と高く設定されている点です。

 

確かに現在、殆どの保険会社で販売している医療保険の「公的保険連動型」と比べると

保障する手術の範囲は狭い一方で、自由診療での自己負担を補う役割を果たせる点や

後述する死亡保障との払込総額とのバランスからこの保険を『お宝保険』と称するFPもいます。

 

改訂したくてもできない誤認可商品

 

オリックス生命はこの商品の改訂をしたかったのですが、改訂できない事情があります。

それは特約で付加できる死亡保障に解約返戻金がないタイプという点です。

現在、金融庁が行っている保障期間:終身の死亡保障は原則として解約返戻金ありのタイプばかりです。

このRelief Wの死亡保障は保障期間:終身ですが、解約返戻金がありません。

 

解約返戻金がない保険というのはその分、保険料を割安に設定できるのがメリットです。

一方で解約返戻金がないと知って契約しても契約者にとって中途解約時に解約返戻金がないというのは心情的に納得できないケースということもあります。

 

顧客本位を推し進める金融庁にとっては、保障期間が終身の死亡保障では本来あってはならない商品構成ですが、

当時誤って認可されてしまったという経緯があります。

 

もし新たに『公的保険連動』の新Relief Wを出そうとすると

解約返戻金のない死亡保障を付加できなくなってしまうのです。

Relief WのWは死亡保障と医療保障がセットで加入できる意味ですから、

再認可が下りないことがほぼ確定的ということは、

死亡保障付き医療保険を会社として失うことになります。

 

割安な保険料で死亡&医療保障が持てるお宝保険

 

30歳男性 65歳払込満了

入院日額5,000円

七大生活習慣病入院保険5,000円

先進医療2000万円

死亡保障250万円

保険料5,477円/月 (払込総額2,300,340円)

 

230万円を支払って250万円の死亡保障が持てて、医療保険が実質無料でついてくる…

これは確かに保障される手術の種類が少ないとはいえ、お宝保険と呼ぶ気持ちもわかります。

うーん、とても再認可されそうにありませんね。

 

地方ならいざ知らず、都内などで入院をする場合、日額5,000円の保障は十分な保障とは言えないことも少なくありません。

そんな時にプラスαの保障上乗せとして、加入するプランの一つとして良いかもしれませんね。

 

短期払(保障期間は終身)60歳、65歳、80歳払、

または終身払のプランから選べる仕様になっています。

 

※引受緩和型の医療保険など一部の医療保険では公的保険連動型や88種であっても、

上記ご紹介の咽頭異物除去術は給付対象外となっている場合があります。