企業型確定拠出年金がおすすめなわけ

先日は確定拠出年金を始めるなら話題の個人型より圧倒的に『企業型確定拠出年金』が良いとお伝えしました。

今回は企業型の具体的にどの点が良いのかを掘り下げてお伝えしていきます。

まず企業型確定拠出年金は個人型と同様に2002年に施行されました。

 

 

バブル崩壊後の日本経済の浮沈をかけて行われた様々な規制緩和。

その中で金融における緩和の一環であった金融ビックバン(第一次)によって

将来の給付額が確定している確定給付年金(DB)から、

将来のための運用資金を拠出する額が予め確定している確定拠出年金(DC)への移行が行われました。

確定給付年金(DB)は不足金を企業と金融機関で補てんするという制度でしたので、

バブル期の高い運用利率を維持できないと判断されたのでした。

 

確定給付年金には個人型・企業型の二種類が存在し、

企業型確定拠出年金は開始当初は一種類だけでした。

現在は三種類存在します。

 

本稿では後述の企業型確定拠出年金と区別するために2002年に始まったタイプを無印型と呼びますが、

一般的には『企業型確定拠出年金』と呼べばこの無印型を指していることが多いです。

 

無印型が検討された当初は確定給付企業年金(DB)、適格退職年金(適年)や厚生年金基金、

中小企業退職金共済(中退共)など様々な退職金制度を円滑で有利に進められる諸制度が乱立していました。

しかし2012年3月末をもって適格退職年金は廃止、厚生年金基金は運用がうまくいかず解散をする基金も増えています。

中退共は現在も制度としては残っているものの一時期と比べて随分選択肢が限られてきていることが伺えます。

 

無印型は企業が拠出額の全額を負担します。

運用は個人型と同様に従業員が自ら指示を出し売買を行います。

企業としては拠出額を退職金積立として経費化できるメリットがあり、

退職金債務を将来負うことがない点は従来の確定給付企業年金(DB)と比べても非常に大きなメリットです。

2012年、年金財政が一層の厳しさを増す中で移行を後押しするように

新たな企業型確定拠出年金が2つ誕生しました。

マッチング拠出型と選択型(選択制)です。

 

マッチング拠出型は企業が拠出する額を上限とし、従業員も同額までは給与からの拠出額を可能。

選択型は確定拠出年金の拠出上限までであれば企業の拠出額を上回っても給与から拠出ができるタイプです。

 

これによって2012年の改正で始まった二種類の確定拠出年金はこれまでの企業拠出から従業員給与からの拠出も可能になりました。

従業員の給与から拠出金を出すと給与計算上の支給額は下がります。

日本の給与は標準報酬月額というテーブルによって構成されており、このテーブルが下がると適用される所得税、厚生年金、健康保険、介護保険など報酬比例型の税と社会保険料は少なくなります。

社会保険料は労使折半なので従業員の報酬が下がるということは企業の負担するこれらも下がるということになります。

【東京都 平成29年度の場合の標準報酬月額の例】

これらを計算すると月収40万円の従業員が月2万円の拠出を行った場合、

上の図のように社会保険料負担の大きな削減が期待できます。また労使折半である会社負担も少なくなります。

 

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150

これらを計算すると月収40万円の従業員が月2万円の拠出を行った場合、

下の図のように社会保険料負担の大きな削減が期待できます。

 

また労使折半である会社負担も少なくなります。

 

この点にデメリットがないかといえばデメリットは確かに存在します。

標準報酬月額は厚生年金や健康保険に付随する各種の支給額と連動しています。

現役時代に支払う社会保険料が少なくなることはつまり老後に受け取る厚生年金部分が少なくなります。

また健康保険からは傷病手当金や産休手当、雇用保険から支給される育休手当、失業給付が減額されます。

 

これは私見ですが老後の公的年金が増えることを期待している人や公的年金が磐石であると考えている人は今や少数ではないでしょうか。

将来は分からないし、国の年金制度も危ういのだから自分で何とかするしなければいけない時代。

であれば手元にゆとりが出来るという仕組みは非常に大きなメリットと呼べるでしょう。

デメリットだけの制度もなければ、メリットだけの制度もありません。

メリットだけを手放しで喜んで確定拠出年金を始めるのは危険ですし、デメリットがあるからやらないというのも極端です。

 

企業型確定拠出年金は経営判断で導入する制度ですので、従業員に開始する選択権はありませんが給与から上乗せ拠出をするかは従業員が選択できます。(なので選択型と呼ばれています)

経営者は従業員に自分たちの将来の選択肢を提供する必要があると考えます。

無印型やマッチング拠出型から選択制への移行は手続きが困難ですが、やってやれない変更ではありません。

従業員の将来のために制度の変更や導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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