患者申出療養とは何か?

2016年4月から自由診療と保険診療を併用する混合診療(原則禁止)に新たな例外『患者申出療養』が加わりました。

健康保険制度を維持するためにこれまで禁止されていた混合診療は、2000年代に始まった先進医療(117種類)に加えて数少ない例外制度です。

以下は厚生労働省が公表している医療における治験や先進医療、患者申出療養などの臨床研究の大まかな流れです。

先進医療や患者申出療養が日本の医療制度上のどこに位置している制度かを理解できるのではないでしょうか。

『患者申出療養』とは?

患者自らが希望をした場合に健康保険適用の検査や治療などに自由診療を併用できるようになる制度です。

日本ではこれまで混合診療の原則禁止を行ってきました。

これは健康保険制度設立時の『国民誰もが等しく最低限の医療を廉価に受けられるようにする』を最優先と考えてきたためです。

治療をするのであればまずは健康保険適用の治療から始める、これに異議を唱える方はあまり多くはないでしょう。

 

そのお陰で我が国は標準治療(健康保険が適用できる中で最善の治療)は全国のどこでもほぼ均質の医療を受けることができます。

ニュースなどで医療事故が取り上げられるのはそれが均質という水準を脅かす(どこでも同様の事故が起こり得る)という側面もあるためでもあります。

 

患者申出療養の目的

患者申出療養制度は我々医療を受ける側からすれば選択肢が広がるという利点がある一方で、健康保険制度上の目的は『保険導入のための評価を行うこと』です。

そのため先進医療と同様に効果が十分確認されると、将来の健康保険適用の対象となる可能性があります。

国は効果の少ない治療に莫大な資金を使うだけの財政的、時間的な余裕がありません。そのためまだ臨床データの少ない技術や投薬のデータ収集や科学的根拠を集めるためという目的が患者申出診療の意味です。

あなたやあなたの身近な方が医療を受けようとする際に、もし患者申出療養を選択しようとするときにはそのことを忘れないようにしてください。

 

患者申出療養によるリスク

患者にとって選択肢が増えるということは、医療を受けるということがこれからは『情報』と『お金』によって大きく左右される時代になっていることの表れでもあると考えられるのではないでしょうか。

 

今までは良くも悪くも選択肢が限られている健康保険適用の中でのみ受けられた治療が、患者の申出によって自由診療を自由に組み合わせて受けることが出来る。これは非常に有益であると同時に悩ましい事態でもあります。

それは『お金がないから受けられない』という選択肢が今まで以上に増えるということだからです。

治療の差によっては『知らなかった』ために体の一部を失う人も出てくるかもしれません。

なのでこの制度は有意義であると同時に非常に残酷な制度と言えるのではないでしょうか。

この『情報』はインターネットなどだけで調べられる情報でしょうか。それとも人を介して得られる希少価値の高い情報でしょうか。その治療方法があるとして、治療を受けるために必要なのは医師や病院への紹介状などを介さなければ得られないものかもしれません。

お金がないために、その紹介状などのツテが得られないために『知らなければよかった』ということさえ考えられます。

 

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受けられる病院はどこ?どれくらいで承認される?

患者申出療養は大学病院などで質の高い臨床研究をしている臨床研究中核病院や、患者申出療養に対応できる特定機能病院(全国84か所)で行うことができます。

申出の際までに他の患者が申出をしていない治療については原則6週間。

既に申出があった医療を実施する場合には原則2週間で実施へと至るようになっています。

 

 

 

 

患者申出療養は幅広い医療で使われることになるでしょう。

しかし特に使われる病気は『がん』ではないでしょうか。

日本人の2人に1人が罹患する『がん』における治療は急速な医学の進歩に伴って健康保険制度の承認が間に合わない事態となっています。

治療の選択肢を広げるという事は、可能性を広げるという意味でも非常に有意義なものです。

次回は日本国内で受けられるがん治療の先端医療についてご紹介します。

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