教育資金に外貨建保険はあり?なし?

2017年4月の標準予定利率改訂によって円建保険の予定利率は、史上最低となりました。

このため多くの保険会社や代理店では「教育資金」準備の手段として外貨建保険を提案するケースが増えていますが、

果たして子どもの教育資金に外貨建保険を活用して備えるのはアリなのでしょうか?

 

学資保険の役割の確認

結婚や出産でお金がない家庭ほど黄色信号!保険は節目ごとに見直しが必要

 

結婚をしたら保険を見直しましょう。

子どもが生まれたら保険を見直しましょう。

よく言われることですが、きちんと必要な保障をその都度見直ししているでしょうか?

 

下記は死亡保障の必要額の推移の一般的なイメージです。

独身時代とは異なり、結婚をすると守るべき大切な人(配偶者)がいます。

配偶者にどんな生活を送ってほしいかは人それぞれですが、

共働きの場合、その収入を家計に届けるのは働いている者の役割と考えると

万が一という際に家計へ入ってくる収入は途絶えてしまいます。

 

これを補填するのが生命保険の基本的な考え方です。

 

これをシミュレーションすると万が一の際、

家計にとってどれくらいの資金が足りなくなるのかに合わせて

定期保険や終身保険を組み合わせて3000万円とか、5000万円とかを確保します。

 

意外と知られていませんが、保険金というのは年金受取が請求時に希望すれば可能です。

一家の大黒柱が亡くなってその生涯にわたっての必要資金が一度に入ってきて、

お金の管理を的確にしなければ将来資金不足に陥ってしまいますので、

毎月のお給料のような形で受け取るという方法がどの保険会社でも選択可能です。

 

これを最初から月額○○万円と決めて契約するのが収入保障保険(家族収入保険)です。

 

家族の状況、家計の状況に合わせてこの必要保障額は変動しますので、

金太郎飴のようにどの家庭も同じ加入内容になるというのはあり得なません。

 

家庭ごとの状況や将来のライフプランを伺って、その家庭に合ったリスクマネジメントと

資産バランスの提案をするのが本来の生命保険募集人の責務ですが、

何故かシミュレーションもせずに自分の顧客には金太郎飴のように

同じ商品ばかりを提案している方がいるなど友達と同じ内容で加入することの無意味さを

多くの日本人は理解していません。

 

子ども一人2,000万円!?そんな大金どうやって用意する?

 

さて、よく言われるのが子ども一人産んで育てるのには2000万円くらい必要というお話。

これは真実であり、間違いでもあります。

これは一度にかかるお金ではなく子供が社会人になるまでにかかるお金の総額です。

単年ごとの収支で考えると実はほんのちょっと。

月々や日々の積立を確実にしていくだけで多くの家庭は大学進学のための資金を確保できます。

 

また現在は国から児童手当が支給されているため、このお金を無駄遣いせずにきちんと

貯めていけばまとまった資金(198万円)を15歳までに用意ができます。

 

正直、子どもにお金をかけようと思ったらどれだけでもかけられてしまいます。

子どもがやりたいと言った時にそれを応援してあげられる準備を家計として

用意しておくことがとても大切です。

 

下記の図は東京都内のよくあるご家庭の一例です。

この家庭の場合は小学校、中学校までは公立でしたが、高校からは私立へ。

大学も私立理系へ進学をした場合のモデルケースです。

夫の年収400万円。子供が幼いため妻は現在は専業主婦です。

 

この表はキャッシュフロー表といい、家庭のライフプランを立てる際に

FPが分析のために作成するものの一つです。

この表では収入(青い部分)ー支出(赤い部分)=貯蓄可能額(黄色の部分)ですので、

この家計はお子さんが小学校卒業以降になると赤字続きとなっていることが分かります。

私立高校へ行くため、中学に入ってから塾へ通い始めたことが家計の収支を苦しくしていきます。

 

ではこの赤字をどうやって補うのでしょうか?

①妻が働きに出る?(どちらかの両親が介護になったら?)

②夫が頑張って稼いでくる?(収入アップが見込める職場?)

③子どもが小学校卒業までに貯めてしまう

 

子どもの教育資金の貯め時は多くの家庭が考えているよりも実際はずっと短い期間です。

中学や高校へ進学すると部活動や塾、習い事などで幼い頃以上に支出が増えていきます。

子どもの交際範囲も広がり、お金のかかり方は大人のそれと殆ど変わりなくなっていきます。

そのため家計によって多少の差こそありますが、自分の家庭においての貯め頃はいつまでなのか、

理解してその期間は確実に貯めていく必要があります。

 

何故、学資保険でお金を貯めるのが良いのか?

 

学資保険とは子どもの大学進学などの教育資金を準備する方法の一つです。

子どもの教育資金を用意しようとした際に貯金でも、

投資信託でも、ジュニアNISAでもなんでも方法は良いと思います。

(運用がご自分で十分できるのであれば)

大切なのは確実にその教育資金を必要な時に用意できるかです。

 

では多くの方が学資保険を検討する理由は何でしょうか?

①親から学資保険で用意するように勧められたから。

②教育資金の準備方法で他に思いつかない(貯金では増えない)

③保険の機能で確実に教育資金の確保ができるから。

 

何となく親から言われた影響もあって「子どもが生まれたら学資保険」という

イメージで考えている方も多いのが実態です。

貯金では増えないから少しでも増やしたいという方がいるのも事実です。

ですが学資保険で教育資金を貯める最大のメリットは『保険』であることです。

 

学資保険には大きく2種類があります。

①貯蓄性保険

②保障性保険

 

①の貯蓄性が様々なところで何度となくお伝えしていますが、

2017年4月以降の標準予定利率改訂で現在、殆ど円建ての保険では増えないのが実態となっています。

 

学資保険はお金が貯まる保険ではありますが、保険としての保障性も併せ持っています。

それが②保障性保険としての機能です。

例えば契約者である父親が残念ながら亡くなってしまった際、保険料の積立が免除され、

満期時には契約時に約束した積立満了時のお金が確実に確保できます。

 

また保障性重視の学資保険の場合、契約者である親が亡くなると

育英年金として毎月5~10万前後の養育費が保険会社から支払われます。

近年では収入保障保険(家族収入保険)と呼ばれる保険に加入をされている方もいますが、

その代わりとして保障性の学資保険では前述の払込免除機能と併せて提供されています。

 

つまりかつてならいざ知らず学資保険に多くの方が求めている増えるの部分は既に期待できないために、

保障性で得られる払込免除や育英年金に魅力を感じるかどうか。

これが学資保険を選ぶ基準になってきます。

 

やってはいけない学資保険代わり教育資金3パターン

 

私が考える教育資金の準備方法としてやってはいけないパターンは次の3つです。

 

①貯め時を理解せずに始める

②リスクを把握せず、返戻率を優先

③資金の引出しや払込停止などの柔軟性を確保しない

 

一つ目はすでにご紹介したキャッシュフロー分析をせずに始めること。

親の介護もそうですが、サラリーマンであればリストラや休職など様々な変化が起こり得ます。

自営業の方であれば収入の減少や働けないリスクはサラリーマン以上に厳しいこともあります。

 

またもし保険で準備をしようとした際にキャッシュフロー分析をせずに18歳まで積立の保険に加入したとすると

先ほどご紹介したような中学~高校までの6年間の赤字期間中に保険を継続できないことになってしまいます。

東京都内の場合、凡そ4人に1人は私立中学への進学を希望します。

となるとそもそも加入した時点で10歳または12歳払込満了の契約にしておかなければいけなかった家庭ということになります。

 

また子どもの進路が突如変わることは珍しくありません。

このような事態を避けるために貯蓄性の生命保険の場合には払済保険のように保険料の払込を停止して、

保険を継続する方法があるのですが・・・

低解約返戻金型はその機能を十分に効果を発揮できない状態に陥れてしまいます。

低解約返戻金型の保険は払いきれた場合には通常よりもお金を増やしてお返ししますが、

払いきれずに解約をした場合にはペナルティとして約30%の解約控除がされてしまいます。

 

子どもが学びたいなどの興味を示した時にそれを応援してあげること、親ができるのはそれだけです。

途中で積立を止めてペナルティ、続けて月々の家計が苦しい…

そんなリスクを背負うくらいであればその保険に加入する必要は全くありません。

前述の収入保障保険と銀行の定額預金で十分です。

また冒頭で触れた外貨建保険には為替の変動リスクによって保険料の払い込みごとにレートが変動しますし、

学費として使いたい時に円に戻す為替レートが有利な状態とは限りません。

老後の資金とは大きく異なるのは、ほぼピンポイントで18歳その時点で

そのお金が多くの場合には円建で必要ということです。

 

外貨建保険を活用した学資準備として有効なのは海外留学やホームステイなどを子どもに経験してもらう予定の方か、

外貨建保険だけでなく、円建ての貯蓄などでも貯めておき、為替が有利であれば外貨建保険で貯まったお金を、

為替が不利であれば円建てで貯めたお金を教育資金に充てる場合です。

しかしこれをやるにはある程度の経済的余裕が必要ですし、キャッシュフロー分析が大切になってきます。

 

低解約返戻金型の保険や、外貨建て保険での教育資金準備が絶対的にダメなわけではありませんが、

多くの方が理解されている以上に子供を育てていると急にお金が必要になるケースなどが珍しくありません。

低解約返戻金型と外貨建保険の両方を併せ持っている商品は子どもの教育資金準備としてはほぼ最悪の組み合わせです。

始めてしまったら続けない方が損ですから何が何でも払い切るか、

早急に見切りをつけた方が良いでしょう。

 

資金の融通が利かない、為替に振り回されるなどのデメリットを十分理解したうえで、

払込総額より増える、金利が高いなどのメリットを活かせるよう

是非、じっくりと検討をしてくださいね。

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