何故この国の社会保障や年金・医療は次々と変化しているのかを理解するコラム

先週、セルフメディケーション税控除について書いたコラムの最後に

日本の財政の状況について少し触れました。

既に準備を始めているという方も少なくありませんが、

何故若い人たちの中でも危機感をもって将来に向けての備えをはじめている人たちがいるのか

お伝えしていきたいと思います。

まず日本の借金が急速な勢いで増えているという事実を我々は理解する必要があります。

下記は日本の一般会計といわれる収入(歳入)と支出(歳出)を表したものです。

 

左が支出にあたる歳出です。

主な歳出は

健康保険・介護保険・年金などに29兆1224億円(31.4%)

地方交付税交付金16兆3927億円(17.7%)

教育関連5兆3687億円(5.8%)

公共事業5兆2853億円(5.7%)

防衛費4兆7538億円(5.1%)などになります。

これらを合計すると60兆9229億円となります。

次に右の円グラフが収入にあたる歳入の内訳です。

その主な内訳は所得税13兆8980億円(15%)、法人税8兆7140億円(9.4%)、

消費税10兆6490億円(11.5%)、その他の税金9兆8350億円(10.6%)となっています。

これらを合計すると43兆960億円となります。

収入より支出の方が多い!というかお金が足りない!!

ということで歳入では足りない部分を毎年、国債を発行して誤魔化し誤魔化しやってきました。

ところが歳出のグラフの左上を見ると・・・歳出のおよそ4分の1を国債の利息払いや償還に充てているのです。

明らかに身の丈以上のお金を使いすぎている状態になっているということはご理解いただけるのではないでしょうか。

この結果、利息と借り入れがどんどん膨らんで下記のようなペースで借金が増え続けているという状況に陥っています。

さらに国の債務の悪化に拍車をかけているのが・・・

人口ピラミッドと呼ばれる人口構造です。(ピンク部分は20~60歳の働いている世代)

1930年は綺麗なピラミッド型でした。日本の社会保障制度はこの頃の時期を前提として設計されています。

ところが日本は戦後、経済成長していく中で次のように人口構造が変化していきました。

かつてちょっとしかいなかった60歳以上の高齢者が2000年にはかなり増えていることが分かります。

2015年、団塊の世代が一斉退職をして働く世代は一層少なくなり

高齢者の人数が急激に増えています。

日本では2025年を一つの境目として考えることができます。

それは団塊の世代の方々が75歳以上の後期高齢者となり、医療費の自己負担が1割となるためです。

すると日本の医療費は次のようになると試算されています。

 

※健康保険は3割負担、7割は国が負担をしています。

下記の数字の7割を国が負担していると読み替えてください。

冒頭に紹介した歳出の社会保障費の大部分を医療費が占めています。

2014年37兆円(70%だとして25兆9000億円)かかっていた医療費が2025年には54兆円(70%で37兆8000億円)が

このままだとかかってしまう。

43兆の税収だけの国で、37兆が医療費に消える・・・

これを2025年問題と呼んでいます。

 

さらに輪をかけて懸念されているのが年金の問題です。

若い人が多い時代の年金制度は胴上げ型またはお神輿型と呼ばれています。

たくさんの働く人たちで1人の高齢者を支える。

合理的で素晴らしい仕組みだと思います。

ところが子どもが少なくなると少ない人数で高齢者を支えなければなりません。

2014年2.4人で1人の高齢者を支えている構造になり、騎馬戦型と呼ばれるようになりました。

さらに高齢者の数は増え、子どもの数がより少なくなると働く世代も少なくなります。

2050年には肩車型と呼ばれる1.2人で1人の高齢者を支えなくてはいけない時代となることが予想されています。

残念なことに人口予測は様々な統計学の中で最もブレが少ない、

ほぼ確実な数字といわれています。

つまりこの人口が減っていくという状況を大きく避けることはかなり困難で、

我々はこの人口が減っていくということを前提に将来設計を立てなければいけないということになります。

また先週ご紹介したセルフメディケーション税控除も、何故始まったかは

この国の財政を考えればご理解いただけるのではないでしょうか。

セルフメディケーション税控除は

「できれば病院に係らずに自分で出来ることは自分でして欲しい(医療費をかけないでほしい)」という

国からの暗黙のメッセージととらえることが出来るのではないでしょうか?

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