確定拠出年金の運用相談3

先々週から週一回ほどのペースで連載している確定拠出年金の運用相談レポート第三回目です。

前回は元本確保型の種類と、各ファンド・バランスファンドやターゲットイヤーについて説明しました。

今回は確定拠出年金で考えてほしい各投資信託(ファンド)の運用バランスについてお伝えします。

1経済の仕組みを理解する

1-1ニュースでよく出てくるダウ工業平均?S&P500 って何?

最近話題の経済ニュースでお伝えするとアメリカのトランプ新大統領が大鉈をふるっていることは

日本のテレビなどでもたびたび取り上げられています。

否定的な見方もありますが失業者数が20万人以上も仕事についたなどその効果にも期待が集まっています。

このトランプ効果によってアメリカの経済指標の一つであるダウ工業平均やS&P500はついに史上最高値を突破しました。

ダウ工業平均はアメリカの様々な業界の上場企業の株価を平均化したものです。

日本における日経平均と感覚的には近いものです。

またS&P500も同様にアメリカの経済を示す指数です。

こちらは日本における東証株価指数と近く株価そのものではなく、

一定の年(1941~1943年)の東証上場銘柄の時価総額を10として、

それと比べてどれくらい上下しているかをはかるものです。

※東証株価指数は1968年1月の100を基準にしています。

1-2 利上げって何それ?美味しいの?

アメリカのFRB(日本における日銀相当する中央銀行)のイエレン議長(日本における黒田総裁)は

2016年末にアメリカ国債の利上げを実施しました。

そして3か月経った今月、再び0.25%の利上げをすると発表しました。

国債の利上げにはどのような意味があるのでしょうか?

経済の勉強をするとまず最初に覚えることの中に「金利と株式・債券の関係」があります。

仮つまんでお伝えすると株式投資は多くの皆さんが想像する通りアップダウンを繰り返すものです。

この変動リスクを取ってでも、得られる株価の利幅(買った時より高く売るなど)が

大きい時に株式投資は利益を出せる投資方法です。

では世の中の投資家は常に利益を出せているのでしょうか?

プロの投資家は常勝無敗でしょうか?決してそうとは言えないのです。

プロの投資家は一つの相場、一つの銘柄にすべてのお金を投資するということはあり得ません。

常にお金の置き場所(投資先)を変更しています。

その中で安定的にお金を増やすことが出来る場所は銀行預金ではなく国債です。

一部の資金を株式や投資信託へ投資をしつつ、

残りの資金を国債などの安定的な利回りの得られる場所に置いておきます。

国債は許容量の大きな銀行預金に近い性質を持っていて、

売買による流動性(すぐに換金でき自由に使える)と満期まで持ち続けることで

元本を確保できる安全性が極めて高い金融商品です。

何しろその国が破たんしない限りは大丈夫な資産ですから、

よほどのことがない限りは安全資産の一つといえます。

ここが経済の面白い点です。

安全に資産を預けているだけで増やせる国債。

ですが株価が上昇していく局面では世の中の多くの人は国債よりも株に投資をしようと考えます。

すると国債を売り、現金化して、株式市場に投資をします。

株式市場に様々な場所から資金が集まると株価は上昇傾向が強くなります。

株価が高騰していくとバブルのように急落する懸念が出てきます。

すると中央銀行は国債の金利を利上げをします。

株価のようなリスクを取らなくても利息で収益を得られるため、株を売って国債を買おうとする投資家が出てきます。

株が売られると株価は下がり傾向になります。

国債の利上げは経済においてブレーキの役割を果たします。

逆に株価が低迷・低調だと経済は活性化いませんので、中央銀行は利下げをします。

すると国債にお金を預けていても増えないので、株などへ投資をしようという人が増えてきます。

すると株式市場に株価の上昇基調という流れが生まれ、株価は上昇を始めます。

2 投資はバランス感覚が肝!

株と債券は相関関係にある。これは投資をするうえでまず理解しておくことの一つです。

そして今回のご相談の確定拠出年金の運用は日本株式と外国債券という組み合わせでした。

日本株式ファンドは上昇していたので良かったですが、これで日本株式が下落していたとしたら

その下落を吸収する債券がありません。

保有していたファンドの中に債券はあるのですが、外国債券でした。

外国株式と外国債券、日本株式と日本債券の組み合わせでファンドを構成することで

株価の上昇や下落がどのようになってもお互いに補完できるファンドを構成できます。

また昨今では外国株式、外国債券を取り入れる方が増えています。

これは日本の株式および日本の債券が低金利・マイナス金利のためによりリスクを負ってでも

よりリターンを得られる外国株式・外国債券へ資金を投資しようとする傾向が強いためです。

外国株式・外国債券には為替の変動リスクがあります。

これについてはセミナーや個別相談でお伝えしていますが、

機会を見ていつかこのコラムでもご紹介できればと思います。

日本株式を持つなら、日本債券も持つ。

外国債券を持つなら、外国株式も持つ。

これが今回の運用相談の基本的なアドバイスでした。

そしてこれまで保有してきたファンドや元本確保型の活用方法についてはまた来週、

どのようなことをした方が良いかをご紹介していきます。

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