確定拠出年金の運用相談2(ファンド選びは洋服選び?)

先週の確定拠出年金の運用相談の続きです。
前回は昨年10月末時点のレポートを受け取り、

次のレポートが4月末とのことで現在の評価額と

レポートに書かれている内容を分析しました。
会社が全額拠出している企業型確定拠出年金を導入している会社の従業員さんでした。

拠出額10,000円に対して、25%ずつ4つのファンドへ振り分けを行なっていました。

しかし十分な利益を上げられていたのは1つだけでした。
買っていたファンドは次の通りです。

①※※銀行の確定拠出年金定期預金(3年)
②※※利率保証年金(5年)
③※※DC日本株リサーチオープン
④※※DC外国債券オープン

※※の部分はファンドの運用会社名が入りますが、特定の企業の商品の良し悪しを

伝えるコラムではないので伏せています。いずれも異なる会社名でした。

それぞれどのような状態だったのでしょうか?

そしてどのように運用をしていけば改善するのでしょうか?

1-1元本確保型ファンドは基本的に選んではいけない

①②は元本確保型のファンドで、定期預金と年金保険です。

()内の年数は預入期間です。

定期預金について誤解をされている方がいるのですが、

定期預金は原則としてその期間内に解約をしても元本が減ることはありません

定期にしていることで普通預金よりも良い条件の利息が、通常預金並みになるだけです。

この仕組みで減るものは保険商品に多く見られる解約返戻金と呼ばれるもので、

預金で元本から違約金を取られることは定期預金ではありません。
昨今の低金利・マイナス金利ですので3年程度の期間では利息はほぼありません。

メガバンクついに金利ゼロへ

元本確保型は金利が良かった時代の名残です。

意外と知られていませんが、銀行預金の利息にも税金はかかります。

そのため金利が今よりは良かった時代は運用益非課税のメリットをある程度、享受できるのが

元本確保型でしたが、現在はほぼお金を置いておくだけの場所となっています。

ただ昔からあったから今もあるファンドというわけではありません。

一応、2018年に再び確定拠出年金は税制改正を控えています。

近い将来、元本確保型は運用金融機関にとって必ずしも用意しなくてはいけない商品ではなくなるようですが

この「お金を置いておくだけ」という場所があるというのは実は役立つ面もあるのです。

それはいずれお伝えするアルことをする場合に、元本確保型を活用することがあるためです。

1-2元本確保型の種類

2017年現在は全ての確定拠出年金に必ず元本確保型のファンドが用意されています。

元本確保型の商品ラインナップは運用金融機関(どこの会社が運用しているか)によって異なりますが、

多く見られるのは次の3種類です。

・定期預金タイプ

・年金保険タイプ

・傷害保険タイプ

『定期預金タイプ』は一般的な銀行の定期預金と同じく一定期間預けていると普通預金よりも

ほんのちょっとだけ金利が良いという商品です。

何よりも預けているお金が減らない、手数料もかからないというのは有り難いですね。

『年金保険タイプ』は生命保険会社が運用期間の場合、または提携先として存在する場合に選べることがあります。

定期預金タイプと比べると若干利回りが良い場合があるのですが、昨今は殆ど変わらないことが多いようです。

また定期預金タイプよりも預入期間が若干長めに設定されていることが多いです。

期間より早く解約した時に解約違約金が生じるかは各社の商品ラインナップをよく確認してみてください。

基本的にはかからないように設計されているはずですが、すべての確定拠出年金ファンドを調べたわけではないので。

『傷害保険タイプ』は元本確保型の中でも珍しいタイプです。

主に損害保険会社が運用期間や提携金融機関として存在する場合に選択可能です。

保険という名前がついている通りいざという時、具体的には確定拠出年金の運用者が亡くなってしまった際には

ここに預けられていたお金は110%※ほどになる保険の役割がおまけ程度についています。※保険会社によって異なります。

なんだ、たった110%か・・・と思われたかもしれませんが

仮に20歳の人が元本確保型傷害保険にだけ毎月1万円を60歳まで40年間積み立てたとして480万円。

110%ということは+48万円ですから、なかなか侮れない額です。

※加入者が自分で受け取る前に他界してしまった場合には、遺族が運用益を受け取るルールになっています。

そして保険に入れていたお金は保険金ですから、保険金としての税効果があります。(非課税枠など)

2-1 どこの運用期間で始めても殆ど似たような運用ができる

残り2つの運用先は

③※※DC日本株リサーチオープン
④※※DC外国債券オープン

となっていました。

これらはそれぞれ日本株式と外国債券に投資をするファンドです。

DCとは確定拠出年金のことですので、この文言が入っている商品は一般の店頭で

通常の投資信託としては購入できないファンドであることを表しています。

※表しているだけでDCに適しているという意味ではありません。

実はどこの運用会社で確定拠出年金を始めたとしても基本的に扱っているファンドの種類はほとんど一緒です。

(ファンドごとの運用先であるポートフォリオなどは異なりますが、カテゴリーとして同じという意味です。

運用管理手数料・信託報酬などは会社ごとに異なりますし、運用結果も異なります)

確定拠出年金の運用ファンドは基本的に下記のようになっていることが殆どです。

・元本確保型1種類以上

・日本株式ファンド(パッシブ・アクティヴ)

・日本債券ファンド(パッシブ・アクティヴ)

・外国株式ファンド(パッシブ・アクティヴ)

・外国債券ファンド(パッシブ・アクティヴ)

・不動産投資信託ファンド

・その他のファンド(パッシブ・アクティヴ)

またこれらを運用会社が一定割合で組み合わせたバランスファンドと呼ばれるものを

あらかじめ用意しているところもあります。

バランスファンドとは上記のファンドそれぞれ運用会社が比率を決めて組み合わせたものになります。

例えば、日本株式20%・日本債券20%・外国株式30%・外国債券20%・不動産投資信託ファンド10%で

日本株式・外国株式・不動産投資信託など積極的な運用をする商品構成が多いものを

『積極型バランスファンド』などと呼んだりします。

逆に日本債券30%・外国債券30%・日本株式20%・外国株式20%で

債券割合が半分以上のものを『安定型バランスファンド』と呼んでいたりします。

これらが最初からある運用会社の場合にはそれを一つの参考に、ご自分で殆ど同じような比率で運用をすることもできます。

バランスファンドとは、こういう構成で組むとバランスが取れていますという『見本』です。

洋服を買いに出かけた時にお店のウィンドーにマネキンが身に着けたり着ている

おしゃれなコートと服とスカート、カバンとシューズの組み合わせのようなものです。

バランスファンドに毎月の拠出額を100%投資するのは、

それを見て『あのウィンドーに飾っているものと全部同じ物を下さい』と買うようなものです。

良い悪いではありませんが、バランスファンドを選ぶというのは

ショップ店員がコーディネートしたものを選ぶような気軽さがあります。

一方、同じような構成でも自分でそれの見本を参考に

「アクセサリーはこういうのを組み合わせたい。パンツだけは自分の好きなものを選びたい」など

自由に組み合わせるのが、自分で構成を選ぶということです。

確定拠出年金の場合、拠出額(予算)はどちらを選ぼうと変わりませんので、

アレンジをしたい方は後者を選ぶと良いでしょう。

2-2 投資の世界のトレンドは追いかけるな

最近は『ターゲットイヤー』と呼ばれるバランスファンドも登場しています。

ターゲットイヤーとは20代・30代・40代・50代とそれぞれの運用期間(若い人ほど長い)に応じて、

自動的に運用比率を変更していくファンドのことです。

一般的には若い人ほど積極的な運用(株式など)をしていき、

年を重ねていくほどに運用を緩やか(債券など)へ移行させていくファンドです。

基本は放っておくという方向けとして証券会社は作ったのでしょうけれど、

運用管理手数料と信託報酬、ファンドの構成を見てよく検討してみてください。

年齢を重ねても老後資金の準備にあまりリスクを取りたくない方であれば無難な商品ですが、

そろそろ引退時期も差し迫ってきている方で積極的に運用をしたい方には全く向かない商品となります。

つまり大衆向けではあるけれど、万人向けとは言い切れない商品なのです。

またファンドの構成バランスはそのままリスク・リターンの関係にも影響を及ぼしますので、

私個人としてはあまり積極的にはお勧めしません。

老後までまだまだ時間に余裕があって、運用の結果は運用会社のファンドマネージャーに任せよう!という方は

検討してもよいのでは?但し、ファンドマネージャーはプロの投資家ですがあなたの老後のお金が

うまく運用できようが、運用できなかろうが一切の責任を取りません。

確定拠出年金、投資・運用をするということは自己責任の世界です。

任せっぱなしは一番危険な選択だと私は考えています。

投資の世界ではトレンドがあります。

私が投資信託に興味を持った時のトレンドは「IT」が主流でした。

その後、「環境」「バイオ」「中国」「インド」「再生医療」「仮想通貨」「FinTech」など実に様々な流行が

泡沫のように現れて週刊ダ○ヤモンドなどの雑誌に取り上げられる頃には既に尻すぼみになるのが常です。

最近の流行は「ターゲットイヤー」と「AI」だそうですが、果たして?と考えています。

このような流行の商品には乗らないことをお勧めします。

何故ならこれらの商品は非常に足が速く、素人が流行っているだろうと思い参加しようという頃には

既に先駆者たちが利益を上げ、後からの参加者がある程度増えてきたところで売却をして利益を得ることが往々にしてあるためです。

※また証券会社はその旬なキーワードにこそ多くの人が集まることを期待しています。食い物にされるだけです。

情報の早さとはインターネット上にあり、誰でもアクセスできる情報ではありません。

投資をしている人の感性と感受性の差です。一朝一夕でどうにかなることではありません。

「流行には乗るな」は確定拠出年金の運用でも共通して言える数少ない断言できることだと考えています。

3ファンドを組む時に考えてほしいこと

ファンド同士には相性があります。上記でファンド選びは洋服選びのようなものと喩えました。

革靴の色とベルトの色はそろえるとか、この色とこの色の組み合わせは避けるとか、

デートや外出などの際でも皆さんが日ごろからちょっと気を付けていることと

とても良く似たことが投資の世界でも存在します。

えぇ!!?それって何?

気になる方はまた来週頃、是非このブログを読みに来てください。

または今週末3月18日(土)19:30~開催の確定拠出年金セミナーへ是非ご参加ください。

http://www.kokuchpro.com/group/JFP/

長くなったのでまた続きは来週書きたいと思います。

このブログが皆さんの役に立ったと思っていただけたら是非、Facebookなどで記事をシェアしていただけると嬉しく思います。

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