180日ルールに手をつけ始めた医療保険は本当にダメな商品なのか?

先日の日経TRENDY記事でも触れていた医療保険の180日ルールについて。

最近は改訂のタイミングで手を加えている保険商品がチラホラ出ています。

 

改めて医療保険の日型と180日ルールについて振り返ってみたいと思います。

過去の記事→ 給付金が出ないことも!医療保険の見直しで気を付ける落とし穴「日型」「○日ルール」

 

医療保険の60日型とか120日型とは?

 

アフラックのEVERがその火付け役だったと記憶していますが、現在の医療保険の主流は60日型です。

中には30日型と極端に短いものや730日型など極端に長いものも存在します。

短いほど保険料は安く、長いほど割高になるのですがその保険料の差は微々たる金額です。

 

日型とは病気などで入院をした際に何日目の入院まで支払いますという制限のことです。

言い換えれば一回の入院について60日型であれば、最大60日まで支払いますという意味です。

 

ここで少し複雑になるのが”一回の入院”の定義が一般の方の感覚と少し異なる点です。

一般の方は”一回の入院”といえば、入院から退院までの1サイクルをイメージする事が多いと思いますが、医療保険において”一回の入院”は同じ病気での入院を指します。

 

例えば網膜剥離で手術のために1月中頃に入院をする事になった人がいたとします。

最初の入院の際に手術をして2週間ほどで退院をしましたが、術後の回復が良くなかったために2月中頃から再入院となりました。

再び入院と手術をして、今度も2週間入院をしました。

 

最初の入院日を1日目として、医療保険のルールでは退院して帰宅していた時期を通算せず、再入院の入院日数が1日目から◯日以内なら実際に入院をしていた日数分だけ支払うというのが◯日型というルールです。

 

なので再入院を繰り返すような病気の場合、30日型などの短いものだと実際の入院日数よりも給付日額が少なくなることが考えられます。

 

特に重篤な病気であるガンや心疾患、脳卒中(脳血管疾患)のように再発や転移がある病気の場合は時間を空けて入院が必要となるケースもあります。

分かりやすくするため1月1日にくも膜下出血で倒れ、緊急入院をして手術を受けたとします。

脳血管疾患での30代の平均入院日数である44日で退院をして、5月9日に再発。再び入院と手術をした場合はどうでしょうか?

既に最初の入院からそれなりに時間が経過していますが180日ルールによって60日型の保障の場合には2回目の入院で給付が受けられるのは16日だけとなります。

 

知らないと怖い180日ルールという落とし穴

 

日型に加えて、医療保険には「180日ルール」と呼ばれる制限があります。

入院日型ルールのカウントをリセットする期間を180日と定めているものです。

180日、つまりは約6ヶ月ですので日型によって生じる保障の得られない期間があることは十分に認識をしておく必要があります。

 

若いうちはそんなに入院を繰り返す事はあまり多くはありませんが、病気の種類や歳を取ってからの入院は頻度が高くなったりすることがあります。

ここ数年、入院日数の短期化に合わせて日型も急速な短期化が進んでいます。

そこで特に長引いたり、再入院が多い病気に関しては入院日数を無制限にしたり、七大疾病(腎臓、肝臓、高血圧、糖尿病など)は延長入院を認めたり、そちらも無制限にするなど特約でカバーする工夫を各社取り入れています。

オリックス生命が2014年に改訂した医療保険「新CURE」は特約でこれまでの三大疾病入院日数無制限から七大疾病入院無制限に拡大した画期的な商品でした。現在ではメットライフ生命やチューリッヒ生命なども七大疾病入院日数無制限を取り扱っています。

また2018年4月にはあいおい生命が「新医療エースプレミア」では八大疾病入院日数無制限を始めました。

保険料は日型を長くするよりも無制限を付ける方が割高になります。

日型であれば病気の種類は問いませんが、この入院日数無制限特約は病気の種類が限定されます。

提案書の中では分かりづらい点ですが、実は保険料と保障内容に与える影響はそれなりに大きい点ですのできちんと必要な範囲が何処かをよく検討する必要があります。

 

日経TRENDYが指摘したのは結局何か?

この180日ルールに手を加えている医療保険が近年増えてきていると日経トレンディは指摘をしていました。

どのような改訂をしているかといえばこれまでは他の病気での入院は180日ルールの対象外だったのを、他の病気でも180日ルールを適用する商品が出てきたという事です。

つまり、先ほどの例であれば網膜剥離で入院・手術をしてから180日以内に、何か他の病気※で入院をする際には日数の通算がされるという事です。

※災害などによる怪我の治療のための入院は通算しない。また手術給付も通算しない取り扱い。

 

例えばTRENDYの中で指摘されたのはあいおい生命の「新医療エースプレミア」でしたが、その他にもアフラック、ネオファースト生命、メディケア生命の医療保険も同様の傾向にあります。

 

あいおい生命「新医療エースプレミア」

ネオファースト生命「ネオdeいりょう」

「ネオdeいりょう健康プロモート」

メディケア生命「メディフィットエース」

アフラック生命「きちんと応える医療保険EVER」

 

これらの商品は悪か?正義か?

TRENDYでは約款や契約のしおりを読みこまないと分からないというような事が書かれていましたが、パンフレットにもWebページにも注意事項の中にはきちんと触れられています。

注意事項が書いてあれば問題が全くないかといえば当然、契約者が十分な理解をしていなかった場合にはトラブルの温床となります。

ではこのような180日ルールに手を加えた改訂の保険は悪い商品なのでしょうか。

 

私は良くない商品とか悪い商品とは考えておらず、今後ますます契約者の奪い合いが激化している中ではこのような点で保険会社は支払いリスクを下げ、加入者の間口を広げる戦略(保険料の安さ、加入要件の緩和とトレードオフ)を取る傾向にあると考えています。

何故なら保険は引受基準は会社ごとですし、支払要件もそれぞれ特色を出してきているからです。

 

保険の募集人は当然このような商品であることを理解した上で商品を選定して相談者に提案するべきですし、説明をする必要があります。

なので、もしこのルールのために一度トラブルが発生した場合には説明をしていなければ募集人の責任であり、また確認をしなかった時には契約者の責任でもあります。

完全な健康体の方からすればこのルールの見直しは不利な面も確かにあります。

しかし異なる病気とは言え半年ごとに入院をする事が果たしてどれだけあるのかといえば、その確率は相当な低さでしょう。ましてやその入院日数の合計が60日を超えるとなれば、相当です。

それよりも加入の間口や使い勝手の良さなどのメリットもきちんと比較してこその商品比較ではないでしょうか。

 

上皮内ガンも保険料払込免除のメディケア生命

 

例えば上記で180日ルールに手を加えたと挙げたメディケア生命の「メディフィットエース」は保障範囲を広く取っています。

同社の三大疾病保険料払込免除は上皮内がんを含んでいます。

上皮内がんとはガンのステージで言えばステージ0期。

医学的には「まだガンではない」とされている時期です。

早期発見、早期治療によって十分な治療が可能です。

ガン検診、婦人科検診で見つかる早期発見のガンでも以後の保険料が免除になる保険会社は殆どありません。

メディケア生命の保険料払込免除要件には上皮内がん(青い部分)が含まれています。

 

心疾患・脳血管疾患でも保険料払込免除の三井住友あいおい生命

多くの保険会社の定義する三大疾病よりも保障範囲を広げた心疾患・脳血管疾患での入院でも保険料払込免除はあいおい生命が業界最強!

春の新商品改訂では業界初の八大疾病入院日数無制限を打ち出しました。

そのトレードオフとして今回の180日ルールへ手を加えたと考えれば致し方ない面も。

上皮内ガン・ガン・心疾患・脳血管疾患でも免除ネオファースト生命

 

ネオファースト生命の保険料払込免除はガンは上皮内ガンも!加えて心疾患・脳血管疾患も払込免除の要件となっていてメディケア生命、あいおい生命のいいとこ取り。※心疾患・脳血管疾患は手術が条件

「最後の希望」と書いてネオファーストと読むゆるゆる引受緩和型

相談者のためにFPは保障を届けるために引き受けてくれる保険会社を見つけて来なければいけません。

ガンでも、糖尿病でも入れる医療保険…まさに「最後の希望」それがネオファースト生命の引受緩和型医療です。

これも一重に、このルールに手を加えたことで実現できている面もあると思うんですよ、多分ですけどね。

これって一概に悪い事でしょうか?

私は契約者にとってのメリットも十分にある手の加え方、工夫だと思います。

30日型だと流石に心許ないですが。

 

あ、忘れていました。アフラック…ここの医療保険もこのルールに手を加えた会社です。

私はアフラックの発売中の医療保険やがん保険を一度も良いと思ったことがないです。

既に加入済みのアフラックの保険は加入年齢の若さという点で保険料の安さでは覆すことの難しいことが殆どです。しかし入院の短期化によって受け取れる給付金額では見直し後の方がより受け取りやすくなっていると考えています。

 

180日ルールに手を加えて浮いたお金は保障ではなく、同社のキャラクターとCMに多分消えています(苦笑)

というのは半分冗談ですが、がん経験者でも唯一加入できる商品「寄り添うDays」を発売しています。アフラックが唯一、独占して販売している点です。

それ以外は候補に挙がることさえありません。

そんなに遠くない将来、第一生命あたりに売却されるのではないかと個人的には思っています。

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